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初戦闘
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炎天の日差しが眩しく暑い。
影ひとつない訓練所に二人の男が向かい合っている。
片や怒りを顕にした鎧を身につけたオッサン。彼の後ろには革鎧を身にまとった何人かの兵士と、豪華なドレスを身にまとった王女が居る。
片や華奢な体格の、目を隠す髪型から如何にも根暗が伝わってくる少年。
彼はヘラヘラと笑いながら相手を小馬鹿にする様に見下げている。
今にも剣を抜かんとしない男に、ソウは顎を引いてどんなものも見落とすまいと注意深く観察していた。
「貴様ら……巫山戯るな! 国王の命令だ、訓練を行なえ! 」
「断る」
何時の間にか''貴様ら''となっているのは何故だろうか。
簡単だ。優勢と感じたクラスメイトの皆がソウの後ろで騎士団長の事を敵視する目でているからだろう。
「それで、もう一度聞くが俺に訓練する義務はあるのか? 」
「ある、あるに決まっている! 陛下の御命令だ。従うのが当たり前だ! 」
「馬鹿馬鹿しい。俺は部屋に戻らせてもらう」
ポケットに手を突っ込み、王宮へ向かう俺に騎士団長が怒声を上げているのが聞こえる。
クラスメイト達は、どうするか迷っている様であたふたしていた。
「貴様……巫山戯るな! 戻ってこい! 」
俺はその声も無視して歩みを停めない。
その事に激怒したのか、騎士団長が剣を鞘から引き出す音がかすかに聞こえた。
「舐めるなぁ! 」
一瞬で距離を詰めた騎士団長は、勢いよく両刃の剣で俺に斬り掛かる。
「キャァァ! 」
恐らく陽向のものであろう悲鳴が聞こえる。
俺はその振り下ろされた剣を右に少しズレて完全に交わす。
怒りのあまり威力が付きすぎた剣は、地面に深く突き刺さった。
ここで、怒らせた成果が出たようだ。
振り返ると、俺は武術家の祖父に習った喉への攻撃を行う。
第二関節で曲げた拳を、喉仏の辺りに素早く一突きする。
「ぐがぁ」
声にならない声を出し、剣から手を離し喉を抑え蹲る。
何度も咳き込む騎士団長を横目に、手を離した剣を抜き、踞る騎士団長の目の近くに突き出して言う。
「この国は、救世主として勝手に呼び出した存在でさへ、容易に殺すのか? 」
ソウは訊ねるが返事が返ってくることは無い。
まだ、喉の調子が悪いようだ。
「まぁいい……そこで王女様も見ている事だ。国王には伝わるだろうな」
俺は軽く脅し、剣を遠くへ投げてまた歩き進める。
動揺の声がクラスメイト達からも聞こえるが、彼等も俺の後に続いて戻ろうとする。
(やれやれ、これはそう急にここを出た方が良さげだな)
これ以上面倒事に巻き込まれたくないと、そんなことを考えながら訓練所を後にした。
影ひとつない訓練所に二人の男が向かい合っている。
片や怒りを顕にした鎧を身につけたオッサン。彼の後ろには革鎧を身にまとった何人かの兵士と、豪華なドレスを身にまとった王女が居る。
片や華奢な体格の、目を隠す髪型から如何にも根暗が伝わってくる少年。
彼はヘラヘラと笑いながら相手を小馬鹿にする様に見下げている。
今にも剣を抜かんとしない男に、ソウは顎を引いてどんなものも見落とすまいと注意深く観察していた。
「貴様ら……巫山戯るな! 国王の命令だ、訓練を行なえ! 」
「断る」
何時の間にか''貴様ら''となっているのは何故だろうか。
簡単だ。優勢と感じたクラスメイトの皆がソウの後ろで騎士団長の事を敵視する目でているからだろう。
「それで、もう一度聞くが俺に訓練する義務はあるのか? 」
「ある、あるに決まっている! 陛下の御命令だ。従うのが当たり前だ! 」
「馬鹿馬鹿しい。俺は部屋に戻らせてもらう」
ポケットに手を突っ込み、王宮へ向かう俺に騎士団長が怒声を上げているのが聞こえる。
クラスメイト達は、どうするか迷っている様であたふたしていた。
「貴様……巫山戯るな! 戻ってこい! 」
俺はその声も無視して歩みを停めない。
その事に激怒したのか、騎士団長が剣を鞘から引き出す音がかすかに聞こえた。
「舐めるなぁ! 」
一瞬で距離を詰めた騎士団長は、勢いよく両刃の剣で俺に斬り掛かる。
「キャァァ! 」
恐らく陽向のものであろう悲鳴が聞こえる。
俺はその振り下ろされた剣を右に少しズレて完全に交わす。
怒りのあまり威力が付きすぎた剣は、地面に深く突き刺さった。
ここで、怒らせた成果が出たようだ。
振り返ると、俺は武術家の祖父に習った喉への攻撃を行う。
第二関節で曲げた拳を、喉仏の辺りに素早く一突きする。
「ぐがぁ」
声にならない声を出し、剣から手を離し喉を抑え蹲る。
何度も咳き込む騎士団長を横目に、手を離した剣を抜き、踞る騎士団長の目の近くに突き出して言う。
「この国は、救世主として勝手に呼び出した存在でさへ、容易に殺すのか? 」
ソウは訊ねるが返事が返ってくることは無い。
まだ、喉の調子が悪いようだ。
「まぁいい……そこで王女様も見ている事だ。国王には伝わるだろうな」
俺は軽く脅し、剣を遠くへ投げてまた歩き進める。
動揺の声がクラスメイト達からも聞こえるが、彼等も俺の後に続いて戻ろうとする。
(やれやれ、これはそう急にここを出た方が良さげだな)
これ以上面倒事に巻き込まれたくないと、そんなことを考えながら訓練所を後にした。
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