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慣れない
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日が頂点に達した時、王都全域に鐘が二度鳴った。
「もう昼か」
すっかり魔法に打ち込んでいたソウは、時間など忘れ凡そ4時間の時を過ごしていた。
「腹減ったけど……食堂になんかあるのかな? 」
暫く考えたあと、ソウは椅子から立ち上がると部屋をあとにした。
食堂に向かう為、無駄に長い王宮の廊下を歩いていると、曲がり角から見知った顔の奴らが3人。話しながら歩いてきた。
こちらに用事があるのだろうか、3人はソウの方へと向きを変える。
この方向といえば、トイレくらいしかない。
そんなことはどうでもいいやと、少し隅により先ほどと変わらず歩く。
だが、そこで予想もしないことが起きた。
「お、神谷じゃん! 」
「あ、マジで神谷だ」
「ほんとだ……」
何時もは、反応すらされない自分の名前を呼ばれたことへの動揺で少し口を開けるが、朝のことを考えればこうなる事も当然かと自分に言い聞かせて無視した。
「おい! 無視かよ神谷」
そのうちの1人、神谷に1番近い場所にいた油谷が腕を掴む。
ソウが腕を掴まれていい思いをした記憶など1度もない。それに、先ほど戦闘風景は見せてしまったのだ。今更気にかけることもなかろう。
掴まれた腕に力を入れ、手で相手の腕を掴む。そして、そのまま軽く捻ると、相手は声を上げながらその場に膝を着いた。
「いてててて、離せ! 神谷」
油谷のその声を聞いて腕を離すと、何事も無かったかのように歩き始めた。
後ろの方で残りの2人が何か言っているのをまた無視して、食堂へと向かう。
食堂に着いたが思った通りであった。
食事は何一つ用意されておらず、つい今朝まであった沢山の椅子と机は跡形もなく片付けられている。
元よりあったのだろう、圧倒的に足りない机と椅子が10席ほど残っていた。
「そりゃそっか」
王国は今いる訓練前の勇者程度なら力で抑え込めるとでも思っているのだろう。
そうでなければ、食事を出さないなどと、いつ反乱が起きるかわからない状況を作りはしない。
「お腹すいたけど仕方ないか。俺のせいだし……」
ソウは、昨日の美味な食事を思い浮かべながら部屋へと戻った。
「もう昼か」
すっかり魔法に打ち込んでいたソウは、時間など忘れ凡そ4時間の時を過ごしていた。
「腹減ったけど……食堂になんかあるのかな? 」
暫く考えたあと、ソウは椅子から立ち上がると部屋をあとにした。
食堂に向かう為、無駄に長い王宮の廊下を歩いていると、曲がり角から見知った顔の奴らが3人。話しながら歩いてきた。
こちらに用事があるのだろうか、3人はソウの方へと向きを変える。
この方向といえば、トイレくらいしかない。
そんなことはどうでもいいやと、少し隅により先ほどと変わらず歩く。
だが、そこで予想もしないことが起きた。
「お、神谷じゃん! 」
「あ、マジで神谷だ」
「ほんとだ……」
何時もは、反応すらされない自分の名前を呼ばれたことへの動揺で少し口を開けるが、朝のことを考えればこうなる事も当然かと自分に言い聞かせて無視した。
「おい! 無視かよ神谷」
そのうちの1人、神谷に1番近い場所にいた油谷が腕を掴む。
ソウが腕を掴まれていい思いをした記憶など1度もない。それに、先ほど戦闘風景は見せてしまったのだ。今更気にかけることもなかろう。
掴まれた腕に力を入れ、手で相手の腕を掴む。そして、そのまま軽く捻ると、相手は声を上げながらその場に膝を着いた。
「いてててて、離せ! 神谷」
油谷のその声を聞いて腕を離すと、何事も無かったかのように歩き始めた。
後ろの方で残りの2人が何か言っているのをまた無視して、食堂へと向かう。
食堂に着いたが思った通りであった。
食事は何一つ用意されておらず、つい今朝まであった沢山の椅子と机は跡形もなく片付けられている。
元よりあったのだろう、圧倒的に足りない机と椅子が10席ほど残っていた。
「そりゃそっか」
王国は今いる訓練前の勇者程度なら力で抑え込めるとでも思っているのだろう。
そうでなければ、食事を出さないなどと、いつ反乱が起きるかわからない状況を作りはしない。
「お腹すいたけど仕方ないか。俺のせいだし……」
ソウは、昨日の美味な食事を思い浮かべながら部屋へと戻った。
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