8 / 33
ギルド3
しおりを挟む
細身の男は、ヘラヘラとした表情へこちらに来ると、ルーシェの肩に腕を回した。
「よう、ルーシェちゃん」
「………………」
ルーシェは黙りと下を向く。
男の連れ達はそれを見てゲラゲラと下品に笑っている。
「ほう、黙んりか? お? お? 」
なんともウザったい絡みをして来る男だろう。
無関係の俺が傍から見ていても腹が立ってくる。
いけ好かない男だ。
「い、いやぁ……お久しぶり……です」
ルーシェ、ぎこちない笑顔を浮かべる。
現状、何が起きているのかわけが分からないが、見る限りでは、ルーシェに何かあるのは間違いない。
「おぉ、久しぶりだなぁ。そんなお前にプレゼントをやる」
細身の男は、仲間から酒の入った瓶を受け取ると、栓を開け、ルーシェの頭上に持ってくる。
「さぁ、たんと味わえ」
ーージョボジョボジョボ
酒瓶から垂れる赤紫色のワインは、ルーシェの服を染めた。
髪の毛をつたい下に垂れる酒は、床に水溜り……酒溜まりを作っている。
「お前、何をしている」
ゼロが鋭い目で男達を睨むが、それはルーシェによって遮られる。
「辞めろ! 」
ルーシェが腕を伸ばし、ゼロを止める。
「何を? アイツらはお前に酒を」
「いいんだ。これくらい……」
そう言ってルーシェは椅子を立つ。
細身の男の近くまで行くと膝を着いた。
「先程は知り合いがすまなかった。どうか、許して欲しい」
地面にでこがつくスレスレの辺りまで頭を下げて、ルーシェは土下座をする。
だが、男は首を横に振る。
「はぁ、そう思うなら……」
男の足が、ルーシェの頭の上へと迷うこと無く向かう。
その足は、ルーシェの頭をそのまま踏みつけ、地面につけさせられた。
「頭くらい地面に擦り付けて謝れや! 」
目線を下に向けて見下し、頭にのせた足を揺らし、頭を地面に擦り付ける。
「すみま……せん」
ルーシェは謝る。
何もすることなく、ただひたすらに謝り続けている。
それを、仲間の男達は腹を抱えて笑っている。
元いた人たちを強引にどかせ、席を開けて座っている。
周りの者達は、恐怖の目で見ているだけだ。
「不快だな」
小さく呟いたゼロの声は誰の耳にも届かない。
出会ってまだ1日も経っていない中とはいえ、一緒に飯を食う程の中にはなったのだ。
そいつが、わけも分からずに頭を地面に擦り付けられ、反論することも無く謝り続けさせられるのは、見ている側としては不愉快極まりない。
「とても不快だ」
「よう、ルーシェちゃん」
「………………」
ルーシェは黙りと下を向く。
男の連れ達はそれを見てゲラゲラと下品に笑っている。
「ほう、黙んりか? お? お? 」
なんともウザったい絡みをして来る男だろう。
無関係の俺が傍から見ていても腹が立ってくる。
いけ好かない男だ。
「い、いやぁ……お久しぶり……です」
ルーシェ、ぎこちない笑顔を浮かべる。
現状、何が起きているのかわけが分からないが、見る限りでは、ルーシェに何かあるのは間違いない。
「おぉ、久しぶりだなぁ。そんなお前にプレゼントをやる」
細身の男は、仲間から酒の入った瓶を受け取ると、栓を開け、ルーシェの頭上に持ってくる。
「さぁ、たんと味わえ」
ーージョボジョボジョボ
酒瓶から垂れる赤紫色のワインは、ルーシェの服を染めた。
髪の毛をつたい下に垂れる酒は、床に水溜り……酒溜まりを作っている。
「お前、何をしている」
ゼロが鋭い目で男達を睨むが、それはルーシェによって遮られる。
「辞めろ! 」
ルーシェが腕を伸ばし、ゼロを止める。
「何を? アイツらはお前に酒を」
「いいんだ。これくらい……」
そう言ってルーシェは椅子を立つ。
細身の男の近くまで行くと膝を着いた。
「先程は知り合いがすまなかった。どうか、許して欲しい」
地面にでこがつくスレスレの辺りまで頭を下げて、ルーシェは土下座をする。
だが、男は首を横に振る。
「はぁ、そう思うなら……」
男の足が、ルーシェの頭の上へと迷うこと無く向かう。
その足は、ルーシェの頭をそのまま踏みつけ、地面につけさせられた。
「頭くらい地面に擦り付けて謝れや! 」
目線を下に向けて見下し、頭にのせた足を揺らし、頭を地面に擦り付ける。
「すみま……せん」
ルーシェは謝る。
何もすることなく、ただひたすらに謝り続けている。
それを、仲間の男達は腹を抱えて笑っている。
元いた人たちを強引にどかせ、席を開けて座っている。
周りの者達は、恐怖の目で見ているだけだ。
「不快だな」
小さく呟いたゼロの声は誰の耳にも届かない。
出会ってまだ1日も経っていない中とはいえ、一緒に飯を食う程の中にはなったのだ。
そいつが、わけも分からずに頭を地面に擦り付けられ、反論することも無く謝り続けさせられるのは、見ている側としては不愉快極まりない。
「とても不快だ」
0
あなたにおすすめの小説
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる