いつかまたおなじ空のしたで

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コツコツ、ペタペタペタ、、、　
コツコツ、ペタペタペタ、、、、
薄暗い石の廊下に足音がこだまする。
ペタペタいってるのは私の足音だ。
コツコツ聞こえるのは私を引っ張っている男の足音。
私は今、首と両方の手に魔鋼の枷をつけられて目の前を歩く男に引っ張られている。
見せつけるように高価な鎧を身に着けているところからこの男の身分がうかがえる。
時々ぐいっと綱を引っ張って私の姿勢を崩そうと意地悪をしてくる。
その度私はつんのめりそうになる。
コツコツ、ペタペタペタ、、
廊下の先の方が少し明るくなってきた。
コツコツ、ペタペタペタ、、
灯りの方に進んでいくと、松明に照らされて槍を携えた衛兵が1人、頑丈そうな扉の脇に立っている。
「ご苦労さまです！」
衛兵がが右の握り拳を胸にあてる仕草をしている。これはアメリア式の敬礼だ。
私を引っ張ってきた男が敬礼を返して言った。
「開けろ」
「はっ！」
短く返事をして衛兵が鍵を開ける。
鎧の男に視線で急かされて衛兵が頑丈そうな扉を開くと中から灯りがもれた。
青白い光、月明かりだろうか？ここまで歩いてきた石廊下よりも何倍も明るい。
「んうっ！」
私はふいに身体を引っ張られて変な声を出してしまった。
開け放たれた部屋の入り口に立たされて、中の光景に私は愕然とした、、、
（そんな、、こんな事って、、）
その瞬間、背中に鋭い衝撃が走った。
「あぐっっ！」
鎧の男に剣で斬りつけられたのだ。
そして男はさらに背中を蹴りつけて私を部屋の中に転がした。
「あっ！うあっっ！」
「ふんっ」
ひとつ鼻をならすと、鎧の男は床に転がした私を横目に頑丈そうな扉を閉めガチャガチャとわざと音を立てて鍵をかけた。
「つっくぅ、、」
背中の痛みを堪えながら、私は身体を起こした。
そしてもう1度目の前の光景を見て、今この状況がまさしく現実である事を思い知らされていた。