いつかまたおなじ空のしたで

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トリスの力はほんとうに凄かった。
壁を叩き壊し床を叩き割り、そしてついに暗い場所から脱出した。
ただ、そこは私が思い描いた「外」ではなかった。
技術開発局、、。
広大な敷地にアメリアが連合国全ての技術を集めた軍事技術の中枢。
私自身も色々な実験をされた場所だ。
ここを通らないとだめなのか、、、、。
トリスは石像を次元収納にしまうとつぶやいた。
「さて、妾の目にとまるものはあるかな？」
ここにきて初めてトリスは魔法を使った。
彼女が頭の上で右手をひらりと振ると、指先から光のすじが描かれて、半透明の繭みたいにほの白い光が私たちを包んだ。
ちらりと私に目を向け、トリスは歩き始める。
え？行くの？ちょっと怖いんだけど、、
「侵入者あり！」
兵士が叫ぶ。
そりゃそうだよ！あんな派手に進んで来たんだから！
「止まれ！止まらんと攻撃する！」
ちょっ！？まってまって！
「構わん！撃て！」
えー！？弓とか痛いんだからやめてよ！！
たまらず私はしゃがみ込んで目をつぶった。
「、、、、、」
ん？痛くない？はずれ？
そっと目をあけると、トリスは歩みを止めず進んでいた。
周りには矢がたくさん落ちている、、
振り返ってトリスが言った。
「リーナ、あいつらの攻撃は届かない、安心していい」
ん？たしかに弓を射る音はするけど、、繭辺りで止まって私たちに届いていない。
「なぜだ！」とか「何をしている！？」とか兵士が口々に言って困惑した様子を隠せずにいる。
そうか、さっきの魔法はバリアーか。なら安心だ。
私の様子を見てトリスも安心したようだった。
「行くぞ」
言うと彼女は開発局の門を睨んだ。
私はその言葉に弾かれるように駆け寄って、そして2人並んで慌てふためく兵士達の中を歩き始めた。