いつかまたおなじ空のしたで

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「ふたっつー、ふたっつー、なんでしょねー」
私はレヴィがかわいくて、朝起きてからづっとレヴィの手を取り足をとり、お人形みたいに遊んでしまっていた。
「リーナ。リーナは、片方づつ目ーの色が違うね」
ほっぺたをふにふにされているレヴィが言う。
あー、たしかに。
私はハーフバンパイヤなせいか、目の色が左右で違う、いわゆるオッドアイというやつだ。
「こっちの目ーは、お父さんの色、こっちの目ーはお母さんの色だよー」
ふふーって、私はレヴィの可愛いツノを撫でながら説明した。
「ふーん、、」
わかったのかわかんないのか?わかんないけど、レヴィは右ひだり私の目ーを見つめて興味深そうにする。
ウインクすると目線が動く。
可愛い。
すとっ。
レヴィを抱っこしてベッドから下ろすと、私は靴に手を伸ばしてふと気がついた。
レヴィを見る。
この子、服がこれしかないじゃん、、。
急いで支度をすませて、すでに食堂でお茶を飲んでいたトリスに相談した。
「ねー、トリスー、、」
いきさつを説明すると、トリスはふふって笑う。
「やっと気がついたか、ふふふっ」
なんだよトリス、わかってたなら、言ってよもう。
「むー」
私たちは、レヴィの旅支度を整える事にした。
ちゃんとした服、ちゃんとした靴、私みたいなポーチも買ってあげたい。
朝ごはんのときに、宿の客に聞いた話では店で買うより行商人達が商品を広げるマーケットの方がお得な物があったりするみたい。
その人も行商人だったんだけど。
「冷やかしついでにみてみよう」
トリスが言うので私達はマーケットに向かった。
村の真ん中あたり、噴水を中心に丸い広場があり、店々の軒先用の通路を背にして沿う様にぐるりと行商人達が馬車からそれぞれの露店に商品を広げていた。
「わあ、、」
思わず声がもれる。
王都からここまでに店はそれなりに見てきたつもりだったけど、こういうマーケットみたいなのは初めてだった。
衣類はもちろん、トリスが敷物にしている様な絨毯から果物やはてはアクセサリーや木彫りの置物、子供の遊ぶようなおもちゃ的な物も売っている。
奥の方にはブキを売ってる行商人の店もあった。槍を持った兵隊っぽい人が2人いて、警護?しているっぽい。危ない物売ってるからかな?
レヴィはいち早くそれを見つけて走って行ってしまう。
「あーまって!」
「お姉ちゃん、早くいってやれ」
焦る私をトリスがくすぐる。
もー、、
私が追いつくとレヴィはキラキラした目でブキを物色している。
「はぁはぁ、レヴィちょっとまってよ、、」
私には答えず、レヴィはブキ屋のおじさんに声をかける。
「おじさん、その剣をみせてください!」
えー!?ちょっとまって!
「お嬢ちゃん!お目が高いね!」
おじさんは動じない。
豪華に装飾された剣を目をキラキラにして見てるレヴィに丁寧に対応してくる。さすが行商人だ。
ひょいと飾られた剣を鞘に納めてレヴィに渡してくれた。
「ありがとう!」
レヴィは嬉しそうに受け取って、、
ガシャン!落としてしまう、あー、、、
「すみません!」
私はすかさず剣を拾い上げ頭を下げて謝る。
ひらひらと「気にするな」と私に手を振っておじさんが言う。
「お嬢ちゃんにはちょっと重かったかな?ブキは自分に合ったものじゃないと、扱いも大変なんだよ?」
「、、、」
レヴィは誰がみても残念そうに肩を落としている。
「お嬢ちゃん、まずは自分で持ってみて、大丈夫なのを見つけてみようか?」
「うん!」
レヴィが立ち直った!おじさんナイスフォロー!
他のお客さんそっちのけでレヴィのブキ選びが始まった。
そして、この後この1件が私の悩みの種になる事をまだこの時は誰にもわからなかった。
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