いつかまたおなじ空のしたで

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レヴィのブキ選びは大いに賑わった。
10才にも満たない女の子が行商人のブキ屋で、しかも店主が付きっきりで自分のブキを選んでいる光景は周りからまるでイベントの出し物の様に映ったんじゃないかと思う。
槍を構えた兵隊さんが脇を見守り、レヴィは店の前でナイフを構えて、さらには振るう真似をして見せる。
「しゅっ！しゅばー！」
音まで自分で言って格好つけるレヴィ。
「おー！」
なんて声が周りから聞こえてくる程だ。
まじ？こまります、目立つのこまります、、、
「ちょっと重たい、、」
レヴィがこぼす。
「それじゃあ、まずは木剣から試して、技を磨くのはどうかな？」
おじさんまたもナイス！
おじさんが選んだのは、腰に下げるタイプの鞘付きの木製レイピアだ。
手に取って、恭しく鞘からレイピアを抜くレヴィ。
「しゅぱ！しゅっしゅっ！」
パチパチ、パチパチ！
周りから拍手がおきる。
「ちょっとかるいです、、」
レイピアは鞘に戻されおじさんのもとに帰っていく。
「なかなかのもんだね！それじゃあこれだ！」
おじさんはほめるのもうまかった！
次に出てきたのは、まさかの聖剣を模した直剣だった。
レヴィの目が険しくなる。
恐る恐るといった感じで剣を受け取るレヴィ。
受け取ったところで、重さに耐えられるのがわかったのか？レヴィの目から険しさが消えた。
先程とおなしように鞘を腰につけベルトを絞める。
そして、、今度は自分と周りを見回して、、
えっ？間合いを計ってる？すごいレヴィ！
右手をそっと剣にかけると腰を低く構えて。
「ふぁっ！」
びゅっ！と剣を抜いてみせた。
「おー！」
パチパチパチパチ！
口笛を吹いてくれている人もいる。
見回すと、遠巻きにトリスもにこにことこちらを観ている。
もー！
「決まったな！」
店主のおじさんが親指を立てて言う。
「うん！これにします！」
レヴィ、、すごい嬉しそう。
「リーナ！これおねがい！」
にっこにこで言う。
「うん、たくさん練習しようね！」
「りょーかい！」
「旅には危険がいっぱいだからな、その剣でお姉ちゃんを助けてやるんだぜ？」
おじさんはフォローを忘れない。
「はい！」
うんいい返事。
言うが早いかトリスを見つけたレヴィは走って行ってしまった、、あー、、、。
「お騒がせしてすみません、、」
私が頭を下げると、またおじさんはひらひらと手を振って言う。
「何言ってんだよ姉ちゃん、周り見てみな！」
周りは人だかりになっいて、「ぼくもあれほしい！」とか言う子どもや、自分の得物と店の商品を見比べる剣士っぽい人、家事に使うナイフでも新調するのか手に取って迷う様にあごに手を当てて悩んでる様子のおばさんもいた。
「おかげで繁盛する予感がするよ」
おじさんが、私に耳打ちする。
「それならよかったです」
私もこそっと言う。
お互いにふふっと笑って、私は代金を払うと2人をみつけなきゃ！っと思い出した。