いつかまたおなじ空のしたで

S e v

文字の大きさ
64 / 212

53

しおりを挟む

「あんた達は信用出来る!」
ワドウが自慢げに皮袋を広げてみせた。
箱を開けて石をみせると「あらすごい!」とおばさん。「やるな!お前!」とオオカミおじさん。
みんな知ってるんだ。
そんな広まってるならレヴィの指摘どおり偽物もありそうだな、、。
てゆうか、ワドウはほんとお調子ものだよ、取られちゃうとか?思わなかったのかな?
「それがありゃあ、あの魔王も喜ぶだろうよ!」
おじさんはちょっとトゲを生やして言う。
「善は急げだな」
おじさんが天井をコンコン突くと、隙間からコウモリが1匹現れた。
手拭いをぴっと破るとサラサラと手紙?を書いた。
「宝玉を持参せし4人、入城許可を願う」
簡潔だ!シブい。
おじさんは手紙を紐みたいに細くしてコウモリの首に結ぶ。
「頼んだぜ?」
鋭い爪でコウモリのほっぺたをなでる。
パサパサ、、コウモリはどこかへ飛んで行った。「コレでよし!ねるわ!」おじさんは私達にしゅっ!と挨拶?をして寝室に向かった。
「あの子の方がはやいから、そろそろお城に向かっても平気よ?」
おばさんがにこりと笑う。
「ありがとうございました」「ありがとう!」
「世話になった」「ありあっした!」
それぞれお礼をして家を出た。
けど、私はもう1回だけ!って思って、おばさんに抱きついて、ぎゅっとしてもらった。
「もう平気!」
心配そうにするレヴィの手をとって、私はにっこり笑ってみせた。
程なく奈落に到達した私達はトラおじさんにもお礼を言って橋にむかう。
すっっっごいでかい橋、、、。
みんな「はあー、、」って見上げている。
トリス以外は、、。
トコトコと橋を進むと橋の向こう側にはすぐに城壁があってこれまたでっかい門があった。
「魔王ってどんな大きさなの?」
つい本音が漏れる。
「ふふっ、全くだ」
トリスもおなし印象みたい。
強さは大きさに比例しない。戦った経験があるなら誰でも知っている事だ。
私はほんとうにこれを作った魔王の器が知れるような気がしていた。
自分の大きさを表したいんだ。たぶん。
門の前まで来るとスケルトンが2人いた。
「サキュバス、バンパイヤ、獣人、リザードハーフ、お前たち4人の登城を許可する!」
1人がかっこよく言った。
「おー!かっこいい!」
おもわず口に出た。
「そうかー??」なんてフランクに照れるスケルトン。
「こほん!入れ!」
2人のスケルトンがにこりと笑う
「ありがとうー」
レヴィが首飾りにも挨拶させる。
かしゃん!スケルトン2人がやりを地面につけて鳴らす。
ごごー、、と門が開いた。
「しっかりな!」とか声をかけてくれるスケルトン門番たち。
ばいばいと手を振って、私達は中に入った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元邪神って本当ですか!? 万能ギルド職員の業務日誌

紫南
ファンタジー
十二才の少年コウヤは、前世では病弱な少年だった。 それは、その更に前の生で邪神として倒されたからだ。 今世、その世界に再転生した彼は、元家族である神々に可愛がられ高い能力を持って人として生活している。 コウヤの現職は冒険者ギルドの職員。 日々仕事を押し付けられ、それらをこなしていくが……? ◆◆◆ 「だって武器がペーパーナイフってなに!? あれは普通切れないよ!? 何切るものかわかってるよね!?」 「紙でしょ? ペーパーって言うし」 「そうだね。正解!」 ◆◆◆ 神としての力は健在。 ちょっと天然でお人好し。 自重知らずの少年が今日も元気にお仕事中! ◆気まぐれ投稿になります。 お暇潰しにどうぞ♪

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

処理中です...