いつかまたおなじ空のしたで

S e v

文字の大きさ
85 / 212

78

しおりを挟む

ピチピチッ!
ぱちり。
「んむー、、」
ぎゅっとしてレヴィを起こす。
「おはようー」
「うん、おはようレヴィ」
ふとかまどを見ると誰かが小さな手でほじくった跡があった。
リスかな?タヌキかな?
犬じゃないな、、。
「偵察じゃないかな?」
あごに手をあててレヴィが言う。
「ふふっ、そうかも!」
人族じゃなかったら気にならない。動物は悪さしないから。
「ごはんにしよう!」
火を起こしながら言うと、レヴィは水を探しに行ってくれた。
すぐに戻ってきて「湧水があったよ!」って言うレヴィ。
すでに顔も洗って来たっぽい。
「すごい!」
私も湧水のところで顔を洗う。
美味しいお水。ちょっともらっていこう。
ワインの入ってたびんを出して5本ぶん湧水をもらう。
ガサ。
振り返ると鹿がいて水を飲みたそうにしてるみたい。
私はレヴィの待つ「宿」に向かう。ちらっと振り返ると鹿はぺろぺろ水を飲んでいた。
「ただいまー」
「おかえりー」
「鹿が水飲みに来てた」
「えっ!」
キラリとレヴィの目が光る!
「だめだよー?今日のごはんはあるんだからね!」
私がくぎを刺すと「うんうん」とスープをぐるぐるするレヴィ。
ごはんを食べ終わってベッドとかまどを元に戻したら出発だ。
結局その日も次の日も男の子は現れなくって、私達は街道まで出てしまった。
見回すと私達が出て来た街道はロドリーさんと出会った曲がり道から1キロも離れていなかった。
「こんなところに出たのか、、」
「あんまりだったねー、あはは」
レヴィも微妙な様子だ。
「うん。微妙、、、」
「微妙だね!」
「微妙!微妙!」
「あははは!」
笑ったいると馬車が来た。
ぽくぽくと私達の前まで来て停まる。
御者はなんか兵隊っぽい。
「君たち、この先の町に向かうのかい?」
「はい!」
荷台からもちらりと2人ほど顔を出す。
「兵隊さんはなにしてるんですか?」
レヴィがきいてくれる。
「ん?もちろん街道警備だよ!少し前から始めていてね、この森を抜ける街道は野党が多いからね。藤の木があるだろう?あそこまで毎日往復してるんだよ」
「あー、、」
私は道筋を思い返してみた。藤の木から次の村まではすぐだ。あそこまで警備がされてるならロドリーさんも安心だ。
「それなら商人さんも安心だね!」
「うんうん、まぁでも、野党がまったくいなくなった訳じゃない。君たちも気をつけて」
「わかりました!」
元気よく返事をして別れる。
「ロドリーさんがお願いしたのかな?」
レヴィもおんなし事を考えていたぽい。
「わかんないけど、、。でもあの子に商品届けるのが大変になっちゃったね、、」
「たしかに!」と言いながら駆け出すレヴィ。
「まってー!」私も走る。
「ほらリーナ!町!見えるよ!」
ほんとだ!
「てーつなぐよー!」
ぴたりとレヴィが止まって、後ろに手を出している。もー笑
私は駆け寄って手を握る。
「あははは!」
「ふふふっ!」
手を握り合って町に向かう私達。
この町にはアリアがいる。
ちょっとは上達してるかな?なんて思いながら
右!左!って足並みを揃えて私達は街道を進んだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元邪神って本当ですか!? 万能ギルド職員の業務日誌

紫南
ファンタジー
十二才の少年コウヤは、前世では病弱な少年だった。 それは、その更に前の生で邪神として倒されたからだ。 今世、その世界に再転生した彼は、元家族である神々に可愛がられ高い能力を持って人として生活している。 コウヤの現職は冒険者ギルドの職員。 日々仕事を押し付けられ、それらをこなしていくが……? ◆◆◆ 「だって武器がペーパーナイフってなに!? あれは普通切れないよ!? 何切るものかわかってるよね!?」 「紙でしょ? ペーパーって言うし」 「そうだね。正解!」 ◆◆◆ 神としての力は健在。 ちょっと天然でお人好し。 自重知らずの少年が今日も元気にお仕事中! ◆気まぐれ投稿になります。 お暇潰しにどうぞ♪

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

処理中です...