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しおりを挟むアリアに案内されながら町を練り歩く私達。
町にいる兵士達はみんなアリアが目に入ると「ビシ!」と背筋を伸ばす。
アリアにはさすが副隊長と言った風格がある。
表情は緩やかだけど、実は厳しい副隊長なのかもしれない。
そんな風に思った時にぴしゃりとあと2人が現れた。
「副隊長!ご苦労様です!」
ぴしゃり達からは昨日とは打って変わってアリアを敬う姿勢が滲み出ている。
「うむ、私は客人の案内がある。町の警備は任せたぞ」
「了解しました!」
「ビシ!」と会釈して3人はそれぞれに別方向に走って行った。
「そういう雰囲気なの?」
たまらずきく私。
「はい。副隊長らしからぬ行いは町民全体の安心を損ねかねませんから」
「かたい、、カチカチにかたい、、」
レヴィがくすぐる。
「ふふっ!まずは警備隊の詰め所にご案内します」
「うんうん」
「はーい!」
レヴィはくすぐるのをやめて手を挙げていいお返事をする。
アリア副隊長は詰め所への道中も各店の販売品や店主の感じなと細かく説明してくれた。
詰め所には小さい門があって兵士がここでも警備していた。
一歩引いてアリアに会釈する兵士。
アリアは「お疲れ様」と声をかけて通ると私達は詰め所の副隊長室に案内された。
副隊長室のドア前には警備員がいてまた一歩引いて会釈してくる。
「お疲れ様、ここはしばらく心配ない」
アリアが言うとまた兵士は会釈して去っていく。
かちゃり。
なんとお淑やかにドアを開けて私達を促すアリア。
そろそろと部屋に入る私とレヴィ。
勧められてソファーに座る。
アリアも対面に腰を下ろす。
「うーあー、、、」
アリアが崩れ落ちる。
え?
「くたびれたねー」
レヴィはわかってたみたい。
「くたびれるよー、、」
テーブルにスライムみたいにへたり込むアリア。
「かっこよかったよ?」
アリアの顔だけがスライムから人になった。
「うんうん!副隊長だったねー!」
「ありがとうございますー!」
アリアがシャンとして手を握ってくる。
あ、人に戻った。
「がんばったのがわかって、私も嬉しいよ」
「うんうん!」
レヴィも嬉しそう。
「うー、、、これからも、昇進します!」
「ふふふっ!」
「あははは!」
「あっ!」と思い出したようにアリアが口に手を当ててもごもごしはじめた。
「なぁに?」
覗き込む私達にアリアは言いづらそうに言った。
「師匠が町来た事、、、みんなにばれちゃったじゃないですか?」
「うん」
「そうしたらですね、、、」
「そうしたら?」
「みんなが是非私と師匠の手合わせを観たいって言うんです!」
「え、あー、、、。それでなんて言ったの??」
「師匠なら「いいよー!」って言うかと思って、、、、、ぅー、、」
「リーナならたしかにいいよー!っていうよね?」
「うん、いいよって言うね、、たぶん」
「それじゃあ!!」
「私がいるうちならいつでもだいじょぶだから。準備できたらさ、練習の成果をみせてよ!」
「ありがとうございます!!!暫しお待ちを!」
アリアは頭をテーブルにぶつかるくらい下げたかと思うと、ばん!っと部屋から出ていった。
「隊長!!隊長ぅおーー!!!」
って叫びながら。
レヴィをちらり見ると、、ガッツポーズしてる。
どうやら私は弟子と立ち合いする事になったみたい。
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