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しおりを挟む「ほらリーナ!見えてきたよ!」
レヴィが示す方に町が見える。
ここも久しぶりだ。
レヴィの、始めてのブキを買った町。
小さな弟子たちのいる町だ。マーケットが開かれるだけの事はあってさすがに馬車の行き来が多い。
入門では剣を下げた衛士が数人がかりで、それぞれに馬車の荷あらためをしていた。
この町は2度目だ。私達は宿のおばさんやアリアの時みたいに「身バレ」しないようにブレスレットの他に指輪も身につけていた。
入門で通行証を見せる。
「よし!問題ないな。ようこそ!」
若い衛士がにこやかに言う。
行き交う人も、みんな元気があってよろしい。
私達はまず宿をとってから、早速マーケットに向かった。
おじさんがいるかも?と思ったからだ。
「そこの2人!ちょっと待て」
向かう途中、衛士に止められた。
2人でチラッと目を合わせて、そおっと振り返る。
「どうしましたか?」
にこやかに答える私。
「少し聞きたい事がある。一緒に来てもらおう」
えっ?
なんかした?
私達また変?
レヴィと2人で仕方なく衛士の後をついていく。
連れてこられたのはかなり整備されて立派になった稽古場だった。
いわゆるこの町の教会あと。
稽古場では小さな子達が元気に木剣を振っている。
あれ??
なんでここに連れてこられたの??
「ったく!水くせーなぁ。師匠?」
はあ??
びっくりして、私たちを連れてきた衛士を見上げる。
こちらに気がついた女の子が駆け寄ってくる。
「こんにちは!ラシバルさん!」
女の子は衛士(ラシバル?)が頭を撫でてあげるとまた走っていって稽古に戻った。
えー!
レヴィと顔を見合わせて「衛士」を二度見する。
ラシバルと呼ばれた衛士は、ハンカチをだして口の周りを拭う真似をして見せる。
「あああー!!」
大きくなってるけど、たしかにラシバルの面影がある!
「ラシバル!?」
2人で声を揃えて聞いた。
「ほかに誰だよ?まったく!」
「ほんとうに!?」
立派になって!すごいじゃない!
私の弟子たちはほんとうにすごい!
「すごいすごい!立派になって!」
「くくくっ!師匠達は相変わらずだな!」
なんか笑われた。
「あれ?でもでもなんで?」
「うんうん、どうしてわかったの?」
ラシバルはビシ!と私の腰を指差す。
「ん?」
「あー!剣?」
レヴィが気がつく。
「ぐはあ!!」
私はそうだった!って思ってうめき声と共に地面にへたり込んだ。
「あははは!リーナ!2回目だ!あははは!」
レヴィは楽しそう。
「その剣は目立つからな!魔法具かなんかか?姿なんか変えてもわかるやつにはわかっちゃうぜ?」
「むー、、」
「うんうん、前に顔広くなっちゃったからねー、、。変装してるの。たはは」
「確かに師匠達は有名人だからな!わかるわかる!」
「ごめんねー?」
ごそごそと勇者の剣(レプリカ)をしまって黒鉄木の剣を出して腰に着ける。
「おっちゃんもたまに来て稽古みてくれるんだよ」
「今日は来てるかな?」
聞いてみた。
「今日は来てないよ。ていうか最近あんまりだな、、」
「そうなんだ、、」
レヴィも寂しそう。
「まあしばらくいるんだろ?そのうち来るって!」
「そうだねー」
最初の目的がなくなって、暇になってしまった。
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