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しおりを挟む私達は、普段はお寝坊だけど野営の時は違う。
違うと思いたい。
だいたいは、鳥が鳴いたら起きてすぐごはん。
パッと片付けをして森を出て街道をてくてくと進む。
どうして早起きするのかっていったら、街道を行き交う人や馬車に紛れるためだ。
日中森から女の子が2人だけで出てくるのは目立つ。身バレの危険もあるし人目を引くのは何かと良くない。
だから、トリスがいた時からいつも私達は朝早く宿を出たふりをしている。
森を突っ切れれば楽ちんだけど、人の町っていうのは街道ぞいにあって、森の中とかそういう場所にはない。
たまに、小屋的な建物はあったりするけど、どんな人がいるかわかんないから近づかない。
というわけで、いま私達は街道をてくてく歩いている。
たまに乗り合い馬車も行き来するけどだいたい満員だ。
乗らないけど。
そういえば次の町ってどんなだっけ?って思った時、後ろから来た馬車が減速して私達の横に来た。
「あれ?やっぱりそうか!」
えっ?
2人で顔を上げて御者席をみる。
「久しぶりだなー!姉ちゃん!」
「おじさんー!」
レヴィの方が早く気がついた。
「えーっ!ブキ屋のおじさん??」
なんで!ブレスレット&指輪&変装なのに!?
パカパカと足踏みをする馬を宥めておじさんが乗れと手招きする。
「いいの?」
やっぱりお伺いはたてないとね、、。
「知らねえ仲じゃねえだろ?」
「うんうん!」
「ありがとうー!」
ごそごそと後ろから乗り込む私達。
積まれた木箱はほとんど空っぽだ。
「ほんと久しぶり!おじさん元気だった?」
ずぼっと御者席に顔をだして前を見ながら言う。
「おう!最近はちょっと忙しくしてたけどな?相変わらずだ!」
「ならよかった!」
木箱の間にすっほさはまって体を支えるレヴィ。かわいい。
「そういえばよ?ラシバルに会ったって?すげぇだろ?あいつ」
「うんうん!衛士?だっけ?立派になっててびっくりだよ!」
「精進を欠かさぬように!口癖みたいに言ってたからな!」
「あー、、、」
レヴィももう一度思い返してるみたい。
「あの小さかったラシバルがって思うと、、なんていうのかな?」
「感慨深い?かぁ?」
おじさんが年寄りアピールをする。
「うんうん!そんな感じ!」
「嬢ちゃんだってかっこよくなってるじゃねーか!」
レヴィは照れ照れに照れている。
「うんそうなの!レヴィすごいからね!イノシシなんて一撃だから!ふふーっ!」
どかん!ってレヴィが抱きついてくる。
「ははは!そりゃあすげぇな!」
それからも話は盛り上がって、すぐに次の町が見えて来た。
懐かしい人に会えて、今日はよかったな。
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