いつかまたおなじ空のしたで

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「すごいのっていってもなー」
私は困ってしまう。
「俺さ!もっともっと強くなりたいんだよ!」
「え?もう衛士になったんでしょう?」
私は昔ラシバルが言った事を思い出していた。
お母さんが無理しないようにお金いっぱい稼ぐって、ラシバルはそう言っていたと思う。
ゴーン!、、、。
お昼の鐘だ。
ぱたぱたとみんな帰って行ったり屋台にいってなにか貰ったりしてる。
あの屋台はごはんない子のためだって言ってたっけ。
「ラシバルーっ!」
レニーの登場だ。手にはバスケット。2人のごはんだな。
「リーナ!貰ってきたよー!」
レヴィが屋台で私のごはんも貰ってきてくれた。
「ありがとうレヴィ、ふふっ!」
「たべようー!」
あれ?スフィは?
見回すと子供達と仲良くごはん食べてるし。
それじゃあ!
ラシバル達カップルと私達カップルでダブルランチと決め込もうか!
ベンチにかけて「いただきます!」をして食べ始める。
屋台のごはんはサンドイッチだった。これも懐かしい。前はトリスがサンドイッチ作ってくれたんだったなあ、、、。
「そういえばさ、強くなりたいって?」
私はラシバルのさっきの言葉が気になっていた。
「うんうん!」
「ラシバルはねー、そればっかり」
レニーはちょっと拗ねて見せる。
「それもこれもアメリアの騎士さまが原因だから何にも言えないんだけど」
続けて言いながら「ふーんだ!」っていう雰囲気で足をぶらぶらさせる。
「騎士がなんて?」
レヴィも気になってきたみたい。
「騎士さまがさぁ。俺の剣術見てさ?このまま頑張れば首都警護の騎士になる事も夢じゃないって言ってくれたんだよ!」
おじさんの言葉を思い出す。
「ふぅん?」
私は気のない返事をしてみせる。
「なんだよ師匠!認められて、首都の騎士になれたらかっこいいじゃんか!?」
はぁ。とため息をついて自分を落ち着かせる。
「ラシバル?あんたは何のためにあの日稽古に来たの?」
忘れちゃったわけじゃないよね?
「それは、、強くなるため?だよ、、」
最後はもごもごしてる。
まいったなぁ、、。
こんな事になるんなら稽古なんかするんじゃなかったよ。
ぎゅ。
はっとしてレヴィを見ると、心配そうにしている。危なかった、ありがとうレヴィ。
ぎゅ。にこり。
私は決めた。
乗り越えられない高みをみせてやる!
やれるもんならやってみろ!バカ弟子が!
命知らずはこの町にはいないんだ!
よし。
心の中で怒っておけばだいじょぶだ。
お水を飲み干して立ち上がる私。
そっとラシバルの前まで行くと少し屈んで目線を合わせる。
「ラシバル?よく聞いて。あんたの大切なものはなに?守りたいのは誰?」
お願い響いて。
「ねぇ?「命知らず」はもういないんだよ?戦いはね?楽しいものじゃないの。おじさんだってそう言っていたでしょう?」
バカでかわいい私の弟子。
「ねぇラシバル?あんたはどうしてあの日ここに来て、そして私に剣を習ったの?あんたがその背中で守りたいのは、誰?」
ハッとするラシバル。
やっとわかったかバカ弟子。
私はにこりと笑って見せると空をあおぐ。
「ごめん師匠。俺、間違えてた。側にいなかったら大切なものは守れない!」
ラシバルを見下ろすと「こつり」とおでこを突っついてやった。
「バカ弟子」
「うん、、バカ弟子だ俺。レニー、ごめんな?」
レニーは泣きそうだ。
でもただ感極まった感じだからだいじょぶだね。
抱き合う2人を見てレヴィもにこにこしてる。
良かったよほんと。
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