いつかまたおなじ空のしたで

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「くっそー！でねーよー師匠おー！」
ラシバルが騒いでる。
彼に近づきながらため息をついてみせる私。
ぽかり。
「いて！」
私にげんこつを食らって自分の頭をなでるラシバル。
「あのね？「奥義」がすぐ出来たらみんなが免許皆伝だよ？ふふっ！」
頭をなでたがら「たしかに！」なんて言う。
「毎日がんばった人だけが辿り着ける「高み」だからね？ラシバルだって、毎日剣術がんばってきたんでしょう？」
「おう！そうだぜー！」
力こぶをみせるラシバル。
「うんうん！日々精進だからね！」
「わかったぜ！師匠！」
さて、この町でやる事はおしまいかな？宿に戻ろう。
3人で歩いていて、私は今までの事を思い返していた。
たくさんの知り合いが出来て、みんなと仲良くなった。
ただ、今この町で私とレヴィの2人だけが魔族だ。他のみんなは人族。
あの戦争から魔族と人族の垣根はどのくらい高くなってしまったんだろうか？
誰かを傷付ける力なんてほんとうはいらない。
剣術だって、大切な誰かを守るために仕方なく使うものだ。
私達は旅の道中でごはんのため以外に森の動物を殺したりしない。
でも人族は毛皮やツノを売ってお金を稼ぐために動物を殺している。
だけど、、。お金を稼いで着飾って立派なお家を建てるのが人族の暮らし方だから仕方ない。
なんだろう？おじさんは「理想」って言っていたっけ？
「境界線」を超えてはいけない。そう言っていた。
ラシバルにはそれを伝えることが出来たとおもっているけれど、、。
頭よくないって、こまっちゃうな、、。
ぎゅ。
「ふふっ！だーいじょーおぶー！」
ぎゅ。
「あはははっ！」
レヴィと2人で手を繋いでスフィにがばっと被さる。
「ええっ！」
焦るスフィ。
「あはははっ！」
「ふふふっ！」
「もう！あはは！」
こうやって、みんなで笑っていられたら私は満足だよ。