いつかまたおなじ空のしたで

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私もトリスのベッドにころりとして聞いてみる。
「ねぇトリス。失敗しない方法って、ないかな？」
むくりと起き上がってトリスは顎に手をやって答える。
「無い」
「んー、、やっぱりかー、、、、」
私は寝転がったままぐーっと伸びながら呟く。
「リーナ。妾は「失敗はする」と言ったはずだが？」
立ち上がって背を向けたままトリスが続ける。
「うん。楽しい事と困った事って、おんなしところにあるんだって分かった」
「そうか」
トリスは私に顔を向けて先を促す。
「うん。だからさぁ、私はもっとちゃんと「明日の事」を考えて行動しなきゃいけなかったんだと思う」
「うむ、、」
相槌だけのトリスに私は続ける。
「おじさんはね？人それぞれに「幸せ」の丁度いいところがあるって言ってたんだ「境界線」とかって」
「確かにな。妾にとってはこの城で穏やかに暮らすのがカオズの言う「幸せ」だ」
やっぱりそうだよね。
「だよねーっ！でもさぁ？それって「みんなと」じゃない？まだアメリアには2人捕まってるんだから、迎えにいかないと、、」
私は「失敗」について切り出した。
「ふぅ。それをお前達2人だけに、リーナとレヴィだけに背負わせるつもりはい」
ぽすんとベッドに腰を下ろしながらトリスが言う。
え？
それってどういう、、？
私はベッドにあぐらをかいて寝転がった私を見下ろすトリスを見つめ返した。
「妾も共に行くと言っている」
がばっと起き上がる私。
「ほんと！？」
「ああ。リーナを放っておいたらアメリアの人族は根絶やしにされてしまうやもしれんからな？」
にやりとするトリス。
「あーっ！そこまで言う？？齧るぞっ！」
がおーって私がやって見せると、トリスはいつも通りに「イヤイヤ」をする。
「ふふっ！また一緒に旅ができるのかー」
「ああ。雑務に3日程かかる、出発の準備をしておいてくれ」
よいしょって立ち上がるとトリスはまたテラスに向かった。
私も後をついてテラスに出る。
桜色のバリアーが見える。
セレスティアナを元通りにするためには人族とは仲良くしなくちゃいけない。
難しい険しい道のりだ。
ただ、幸いにも仲良しな人族もいる。少しづつでも増やして行こう。
かちゃり。
「あーっ！やっぱりいたーっ！」
レヴィが駆け寄ってきて私に抱きつく。
「いたねー？」
私はレヴィの腕の中でくるっと向き直ってほっぺを舐める。
「あははっ！」
レヴィが笑う。
「リーナ。口を濯いでからの方が良かったな？」
あ。
トリスのお尻舐めたんだった。
「ぷっ！ふふっ！レヴィごめん！」
「あははっ！レヴィ、顔を洗ったほうが良いぞ！」
ぽかんとするレヴィをよそに、私とトリスは吹き出して笑ってしまった。