いつかまたおなじ空のしたで

ちょっとまって2

光が薄らいで周りが見えてくる。
私はレヴィをがっしり抱きしめたまま周りをうかがう。
「リーナ、きつい、、」
「あ、ごめん！」
ちょっとだけ腕の力を緩める。ただ絶対に離さない。
足下の文字は光が収まると同時に消えていた。
踏みしめて確かめる。石じゃない、そこまで固くない。それにこの匂いは、、腐葉土。
「リーナ、森っぽい、、」
「うん、、、」
確かに森だ。
ただ木の雰囲気が知ってる森とは違う。木の肌がけばけばしている気がする。落ちてる「葉っぱ」？もなんか見たことない感じだ。
「レヴィ。手、離さないでね」
「うん！」
私は左手で確かめるようにレヴィの手を握りなおす。
もちろん剣は握っている。
ごくりと息をのむ。
知らない場所では火を起こす事すら危ない。
イノシシや犬ならいいけど、知らない動物がいるかも知れないし強さもわからない。
ぶるっ！
寒い。殺気とかじゃなくて、なんか普通に寒い。
私達は周りで1番太い木の根元に落ち着くとあるだけの服を出してみた。
体が冷えていくのを感じる。体温が下がるのはまずいから、なるべく厚着しないとね。
レヴィは元々薄着だから余計に着せないといけない。もこもこになるくらいに厚着させた。
森が深くて時間もよくわからない。
かろうじて夜じゃない事がわかるくらいだ。
セレスティアナは、、、。
え？ない？？
そんなはずない！まさか感知範囲の外にいるって事？？
違う、ありえない。
もっと広く！広く！感じろ私！！
あった！！よかった、、、、。
でも、すごい小さい。感知範囲をめっちゃ広くしたから小さいのはわかるけど、セレスティアナが豆みたいになっちゃってる。
「リーナ、、どこだろう、ここ。」
もちろんレヴィも心配だよね。
「んーとね？セレスティアナの、ずっと北の方、だと思う」
「北？クロイツ？」
確かにセレスティアナの北はクロイツだ。でもこの距離はありえない。
「ううん。たぶん、、シアーだと思う」
「！！」
位置的にセレスティアナの北にクロイツがあって、クロイツを包むみたいにシアー帝国がある。
あれは、あの魔法陣は間違いなく「転移魔法」だ。
アメリアの中枢の重要人物が「逃げるため」か。
あるいはアメリアの敵を「遠ざけるため」の。
どちらにせよこのままここにいるのは危険すぎる。
「まずは移動しよう！ここにいたら、たぶん危ない」
「うん！」
レヴィは緊張気味に頷く。
さて、困った。