いつかまたおなじ空のしたで

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ちょっとまって6

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「わかりません。というのが本当のところです。私とマリアンヌは姉と一緒にアメリアの首都にいたはずなんです。気が付いたら2人でこの森にいました」
3人ともぽかんとしている。
これはあんまり濁さずに、礼拝堂に居た貴族の中に混ざるのが1番かも知れない。
「えっと、、。アメリアは魔族の襲撃を受けました」
びっくりする3人は声も出ない様子だ。
「私達は首都にいたのですが、街はおろか中央の議事堂も破壊されて、、、なんとか皆で礼拝堂に逃げ込みました」
ごくりと息をのんで3人が先を促す。
「礼拝堂なら魔族は入れない、皆そう言っていましたけれど、、、。大きな黒い煙の様な霧の様ななもやもやしたものがが礼拝堂に入ってきたのです。その黒い霧にたくさんの人が飲み込まれました」
ここまで語ると3人は少し震え出した。
「私達、私と姉はマリアンヌと一緒に霧から距離をとっていましたが、、、司祭様が霧に飲み込まれたのを見て恐怖に耐えきれず私は走りだしてしまいました。壁際にたどり着いた時に私の足下に「魔法陣」があるのにマリアンヌが気が付いて引き戻そうと私を抱き抱えてくれました、、姉は手を伸ばしてくれましたが、、森にいたのは私とマリアンヌだけでした」
お姉さんは口に手を当てて悲鳴をあげるのを堪えている様子だ。2人の男は拳を握って恐怖に耐えている。
「私はマリアンヌと相談して、じっとしていてはいけないと当てもなく歩いていました」
「そう、、だったのか、、、」
最初の男がなんとか言葉を絞り出す。
「皆様は私の身分にもお気づきになる慧眼をお持ちの様です。お力添えをいただけないでしょうか?」
私はよいしょしつつ窺う。
「慧眼とかじゃなくてな?まあ、持ち物が、、なあ?」
男2が言う。持ち物が?なに?
「たしかにな?マジックバックの中身な?食料は普通だよな?」
「はい、劣化がないので有事のためにいつも入れてあります」
うそだ。毎日のごはんのためだ。
「それからこの毛皮はアメリア近郊の森の魔獣だな?ファングボアとシルバーウルフ」
「仰る通りです!どちらもマリアンヌが仕留めました」
「やっぱりな!ミリアムの剣はまるで使った跡がねぇよな?アクセサリーがわりと言っちゃ悪いが、聖剣のレプリカを下げて歩けるなんて貴族の子供くらいだからな!」
剣ね、、気閃ばっかりだから傷はつかないんだよね。でもちょっとお転婆っぷりを見せないとね。
「失礼です!私は子供ではございません!」
私はばっと立つと腕組みをしてみせる。
「そりゃあ悪かった!すまんすまん!だけどな?残りのはちょっとな?金貨と銀貨はいいぜ?まあ枚数が多すぎるがな?最後の1種類が問題なんだよ」
なんだろ?わかんないな?
「一体なんですの?」
まだ腕組みは解かない。
最初の男は毛皮を避けて見せる。
「この、お菓子の山だ」
あ、、、、、。
毛皮が山になるほどのクッキーやドーナツ、キャンディやシフォンケーキ、たしかにお菓子の山だ。たはは。
「ほっ!欲しいなら分けて差し上げてもよろしくてよ!」
ぷいっと背中を向けて顔を隠す仕草をする私。
「あっはっはっ!」とか「やっぱり子供じゃねーか!」とか笑う男達。
お姉さんも「うふふっ」て笑ってる。
お転婆っぷりをもうちょっとだけアピールしよう。
「おっ!お腹がすきましたわ!あなた達にもお分けしますからおやつにしましょう!好きなお菓子を選ぶとよろしいですわ!」
ビシ!っとお菓子の山を指差す私。
決まった!
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