いつかまたおなじ空のしたで

まだちょっとまって1

「ふん！」
ギィン！
まったく届かない！
噛み締め過ぎて奥歯が軋む。
気閃を撃つ貯めすら見つけられないなんて、こんなやつはほんとうに初めてだ。
まじで人族なの？っていうくらい強い。
私は焦っていた。
後ろには気を失っているレヴィ。
相手の剣も私に届いてはいないけど、全然本気になってる気配を感じない。
くそっ！当てられもしない！
空を斬り捌かれるばかりの私の剣。
「師匠」なんて呼ばれていい気になって、、なんて恥知らずなんだ私は！
打ち合いで削られた剣のかけらが床に散らばる。
もう1歩！まだ！更に1歩！まだまだ！
「ドゥエィッ！！」
「っ！」
すっ！とロジｨが下がった。
今だ！
「ッドゥエィッ！」
ギギン！！
お互いに上段で打ち合って砕けた剣先が宙を舞う。
「ゥエィ！」
えっ？？
横薙ぎに放った私の剣がロジｨの体をすり抜ける。は？なんで？
チャリン！
くそうっ！！
肘を向けて構えるロジｨ。
私はぎりぎり宙返りでロジｨの横薙ぎを避けた。
なんて事、、天井まで飛び上がって横薙ぎを避けている私の目に映ったの手元にある折れた剣と床に転がった剣先だった。
まずい！
着地点を狙われる！だけど今からの修正はむりだ。
でもでも！なにがなんでもレヴィだけは守る！
剣が短くなったなら近づいてやればいい！
私は着地の時にわざと足を入れ替えてロジｨに突進する。
「！？」
一瞬戸惑う表情を見せるロジｨ。
「ドゥエィ！」
近すぎる間合いからの3連撃がロジｨの胸当てを砕く！
よし！この調子！
バラバラと床に落ちるミスリルの胸当てを踏みつけて更に間合いを詰める私。
「ふっ」
ロジｨが笑う。
えっ？
次の瞬間また視界から消えるロジｨ。
甘いあまい！後ろにいるのは分かってる！
「ドゥエィ！」
あれ？いない？やばい！！！
「終わりだ」
背中から声が聞こえて振り返った私の目の前にロジｨの持つ「新しい聖剣」の切先があった。
あ、、、、。
時間がゆっくり流れて、胸に剣が突き刺さるのがみえる。
皮膚がさけて肋骨が砕ける音が聞こえる。
ぶわぁっ！と剣から炎が吹き出す。
これはまじやばい！！