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しおりを挟むツラ過ぎるっ!!!!
『・・・あのな、お嬢ちゃん。俺にシエロたんとか言われても、マジキツいから。ノーマルな、普通に女の子が好きな健全な元男子大学生がよ? BLゲームの王子様とか、本っ当に勘弁してくれって感じだからな。あ~、もう、こんなことになるんだったら、姉貴に言われてこんな腐ったゲーム買いに行くんじゃなかったぜ・・・』
深い、深い悲嘆溢るる溜め息を吐き出し、姉貴と同類であろう腐った系の彼女へ視線をやる。と、
『・・・え? もしかして、アンタ・・・蒼、だったりする、の?』
『ん? ああ、前世の名前は蒼だが・・・?』
蒼と前世の名前を呼ばれたことを不思議に思い、首を傾げる。と、
『キャー、ウソぉっ! 蒼、蒼ともう一度会えるだなんてっ!?』
目を潤ませ、感極まったとばかりに俺を見上げる美幼女。そして、今までの変態チックな愛の溢るるアウトな言動の数々は――――
『もしかして、姉貴、なのか?』
『そうよっ!? あたしよ! 茜!』
『マジかっ!?』
『ええ。会えて嬉しいわ、蒼。お姉ちゃん、アンタに会えたら言いたいことがあったのっ!!』
『言いたいこと?』
なんだろうか? あの日、俺が死んで――――姉貴を悲しませてしまったこと、だったり……
『【愛シエ】守ってくれてありがとうっ!? アンタの形見の【愛シエ】、大事に大事に何週も何週も何週もして、全キャラフルコンプしたからっ!! そして、今度蒼が生まれ変わったら、シエロたんみたいなキラキラな美少年になりますように! って心を籠めて真剣にお祈りしたの!』
・・・少しでもしんみりした俺が馬鹿だった。
『それが叶って、尊い美ショタなシエロたん姿でまた会えて・・・心臓ぶっちぎりでバクバクする程嬉しいわっ!!!!』
『姉、貴っ・・・俺がこの腐った世界に転生しちまった諸悪の根源は貴様かぁ~~~~っ!?!?!?』
『嗚呼、あたし今、麗しいボーイソプラノで罵られてるっ!? ああもう本っ当、シエロたんになっているなんて、もう嬉しくて嬉しくてマジ、大大大っ感激なんだけどっ!!』
はしゃぐ神秘的な美幼女(中身腐った前世の姉貴・茜)の姿に、ついさっきまでの激昂がすっ、と酷い虚脱感へと変わる。
『・・・俺、もう帰っていい?』
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