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ドクター・エスの場合。
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そして、ダリアがやって来たのは病院。
侯爵家の関係者だという件の男性は、ユルいウェーブの掛かったアッシュブラウンの長い髪を首の後ろで括り、琥珀の瞳をした妖艶な…女性的ではなく、男性的な色香漂う美貌の紳士。噂に拠ると、彼は四十は既に越えているそうだが、その見た目は三十代前半程で若々しい。
そして、未だに独身。非常に大事な情報だ。
ダリアは彼の様子を観察し、窺っていた。
年齢を聞いたときには無しだと思っていたが、見た目は合格。むしろ、悪くない。
ダリアの元婚約者よりも身長が高く、とても見目麗しい顔立ちをしている。
医者というのも悪くない。稼ぎは大事だ。
しかし、問題は問題だが・・・
こんな条件の良い男性が、未だに独身でいる理由。ダリアはそれを、観察していて判った。
妖艶な美貌の紳士は・・・
「ああ、そこのあなた。そう、あなたです。あなたは美しい×××をしていますね。どうでしょう? 今からワタシの部屋で語らいませんか?」
と、病院に出入りしている人達を、麗しい美貌で熱っぽく、熱心に口説いていた。
それも、老若男女関係無く・・・
老若男女、一切関係無く!!!
女性は勿論だが・・・それが老婦人や男性、老人でも、それも、身分も構わずにっ!?
・・・つまり、彼が未だに独身だというのは、そういうことなのだろう。
まあ、浮気性の殿方を支えるのも女の甲斐性だという。男性にも・・・という殿方も、いるということは知識としては知っていた。
最初から、そういうものだと割り切ればいいのだ。どうせ、元婚約者とも元々愛情など、最初から持ち合わせていなかったのだから。
貴族としての暮らしができるのならば、あの彼でもダリアは構わない。顔は、物凄くいいのだから。
こうして相手を観察しつつ熟考したダリアは、彼の医師へとアタックすることにした。
「エステバン・グラジオラス様ですわね?」
「ええ。どうされましたか? レディ」
柔らかく微笑んだ妖艶な美貌が、ダリアを見下ろした。だが、その琥珀の視線は舐めるようにダリアの全身を観ていることが感じられた。
これなら行けるかもしれない、とダリアは思う。少々はしたないとは思うが、手段など選んでいる場合ではない。既成事実を作って責任を取れと主張し、彼へ結婚を迫ればいいのだ。
「その、実はわたくし、エステバン様へ大事なお話がありまして・・・」
恥ずかしげに視線を落とし、告げる。そして上目遣いで彼を見上げれば・・・
「成る程。大事な話ですか。わかりました。では、レディ。ワタシの部屋へ行きましょう」
と、積極的…というか、がっついた誘い。無論、ダリアに否やは無い。
エステバンへ付いて行くと・・・
「診察室、ですか?」
「ええ。ワタシの診察室です。どうぞ、遠慮無く上がってください」
ダリアは整形外科の診察室へと通された。
侯爵家の関係者だという件の男性は、ユルいウェーブの掛かったアッシュブラウンの長い髪を首の後ろで括り、琥珀の瞳をした妖艶な…女性的ではなく、男性的な色香漂う美貌の紳士。噂に拠ると、彼は四十は既に越えているそうだが、その見た目は三十代前半程で若々しい。
そして、未だに独身。非常に大事な情報だ。
ダリアは彼の様子を観察し、窺っていた。
年齢を聞いたときには無しだと思っていたが、見た目は合格。むしろ、悪くない。
ダリアの元婚約者よりも身長が高く、とても見目麗しい顔立ちをしている。
医者というのも悪くない。稼ぎは大事だ。
しかし、問題は問題だが・・・
こんな条件の良い男性が、未だに独身でいる理由。ダリアはそれを、観察していて判った。
妖艶な美貌の紳士は・・・
「ああ、そこのあなた。そう、あなたです。あなたは美しい×××をしていますね。どうでしょう? 今からワタシの部屋で語らいませんか?」
と、病院に出入りしている人達を、麗しい美貌で熱っぽく、熱心に口説いていた。
それも、老若男女関係無く・・・
老若男女、一切関係無く!!!
女性は勿論だが・・・それが老婦人や男性、老人でも、それも、身分も構わずにっ!?
・・・つまり、彼が未だに独身だというのは、そういうことなのだろう。
まあ、浮気性の殿方を支えるのも女の甲斐性だという。男性にも・・・という殿方も、いるということは知識としては知っていた。
最初から、そういうものだと割り切ればいいのだ。どうせ、元婚約者とも元々愛情など、最初から持ち合わせていなかったのだから。
貴族としての暮らしができるのならば、あの彼でもダリアは構わない。顔は、物凄くいいのだから。
こうして相手を観察しつつ熟考したダリアは、彼の医師へとアタックすることにした。
「エステバン・グラジオラス様ですわね?」
「ええ。どうされましたか? レディ」
柔らかく微笑んだ妖艶な美貌が、ダリアを見下ろした。だが、その琥珀の視線は舐めるようにダリアの全身を観ていることが感じられた。
これなら行けるかもしれない、とダリアは思う。少々はしたないとは思うが、手段など選んでいる場合ではない。既成事実を作って責任を取れと主張し、彼へ結婚を迫ればいいのだ。
「その、実はわたくし、エステバン様へ大事なお話がありまして・・・」
恥ずかしげに視線を落とし、告げる。そして上目遣いで彼を見上げれば・・・
「成る程。大事な話ですか。わかりました。では、レディ。ワタシの部屋へ行きましょう」
と、積極的…というか、がっついた誘い。無論、ダリアに否やは無い。
エステバンへ付いて行くと・・・
「診察室、ですか?」
「ええ。ワタシの診察室です。どうぞ、遠慮無く上がってください」
ダリアは整形外科の診察室へと通された。
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