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とあるパーティー会場の控え室にて。
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「だって、お強くてグラジオラスの騎士であらせられるアイラ様が、あの無能な顔だけクズ野郎にどうにかされるなんてこと、天地がひっくり返ってもありえませんもの! むしろ、アイラ様に調教されて、少しはマシになれば宜しかったのに」
「君もなかなか言うね?」
「・・・そんなことは兎も角、なぜアレがこんな風にやらかすまで止められなかったのでしょうか? お兄様」
「そうだねぇ・・・とりあえず、あのクズを諌めることができなかった役立たず共は全員左遷決定なんだけどね。アレが、向こうから帰って来る道中の・・・宿泊した街のおおよそで、不特定多数の女性達と火遊びしていたらしい。そして、それら全てが、事後報告になっていた。オマケに、仲良くなった女性達を王都に呼んで侍らせるだなんて馬鹿過ぎる非常識、誰が考える? 頭が痛いよ、全く」
深く溜息を吐く青年。
「成る程・・・クズですわね。こうなる前に…さっさと切り落としてしまえば宜しかったのに…」
「こーら、レディがそんなこと言わない」
青年は少女の不穏な呟きを窘める。
「それはそれとして、今回のことでグラジオラスがなにかを言ってくることはあるでしょうか?」
「さあねぇ? グラジオラスは本当に、色々と特殊だからね。王家と縁を結びたがりもしないどころか、出世にも無頓着。偶に王家や他の家でやらかした馬鹿な奴を引き取ることがあっても、『血縁』ができたことがないらしいよ? 『不毛の地』と称されるに相応しく、ね。だからこそ余計に、王家の信頼も厚いんだけど」
「それはまた・・・ある意味凄いお話ですわね」
「まぁ、グラジオラス辺境伯領はかなり優秀な人材が結構出るのに、その悉くが趣味人というか・・・奇人変人ばかりという魔窟だからねぇ? 欲や野心が全く無いというのも、逆に手綱が握り難いものだよ。その代わりと言ってはなんだけど、趣味を支援してあげれば国益を出してくれる場所だからね。今回のことはむしろ、父上の方が戦々恐々としているんじゃないかな? それに・・・」
「それに、なんですの? お兄様」
「グラジオラスはあまり血筋に拘らない代わり、身内の結束が固いから、突っつくと厄介なんだよ」
「厄介、とは? お兄様」
「・・・さて、そろそろ収集を図らないとね。行くよ」
青年は問いには答えずにこりと少女を促すと、騒がしいパーティー会場へと向かった。
騒ぎの原因である馬鹿の始末をつける為に。
__________
思い付いたので割り込みました。
アイラの言っていた、上や下の優秀な殿下方の会話でした。
「君もなかなか言うね?」
「・・・そんなことは兎も角、なぜアレがこんな風にやらかすまで止められなかったのでしょうか? お兄様」
「そうだねぇ・・・とりあえず、あのクズを諌めることができなかった役立たず共は全員左遷決定なんだけどね。アレが、向こうから帰って来る道中の・・・宿泊した街のおおよそで、不特定多数の女性達と火遊びしていたらしい。そして、それら全てが、事後報告になっていた。オマケに、仲良くなった女性達を王都に呼んで侍らせるだなんて馬鹿過ぎる非常識、誰が考える? 頭が痛いよ、全く」
深く溜息を吐く青年。
「成る程・・・クズですわね。こうなる前に…さっさと切り落としてしまえば宜しかったのに…」
「こーら、レディがそんなこと言わない」
青年は少女の不穏な呟きを窘める。
「それはそれとして、今回のことでグラジオラスがなにかを言ってくることはあるでしょうか?」
「さあねぇ? グラジオラスは本当に、色々と特殊だからね。王家と縁を結びたがりもしないどころか、出世にも無頓着。偶に王家や他の家でやらかした馬鹿な奴を引き取ることがあっても、『血縁』ができたことがないらしいよ? 『不毛の地』と称されるに相応しく、ね。だからこそ余計に、王家の信頼も厚いんだけど」
「それはまた・・・ある意味凄いお話ですわね」
「まぁ、グラジオラス辺境伯領はかなり優秀な人材が結構出るのに、その悉くが趣味人というか・・・奇人変人ばかりという魔窟だからねぇ? 欲や野心が全く無いというのも、逆に手綱が握り難いものだよ。その代わりと言ってはなんだけど、趣味を支援してあげれば国益を出してくれる場所だからね。今回のことはむしろ、父上の方が戦々恐々としているんじゃないかな? それに・・・」
「それに、なんですの? お兄様」
「グラジオラスはあまり血筋に拘らない代わり、身内の結束が固いから、突っつくと厄介なんだよ」
「厄介、とは? お兄様」
「・・・さて、そろそろ収集を図らないとね。行くよ」
青年は問いには答えずにこりと少女を促すと、騒がしいパーティー会場へと向かった。
騒ぎの原因である馬鹿の始末をつける為に。
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思い付いたので割り込みました。
アイラの言っていた、上や下の優秀な殿下方の会話でした。
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