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やり方は任すから、スタンピードまでに準備整えてくれ。それじゃあ、よろしくな。
しおりを挟む「どういう意味でしょうか? ドラゴン殿」
『ぶっちゃけ、あの野郎は力加減馬鹿のポンコツだから……盟約が破棄された状態だと、軽くスタンピード払うつもりで、あの周辺を焦土に変え兼ねない。寝惚けてるなら、余計にだ』
「っ!?」
『一応、アルメリアは盟約を交わした王族の血を、大分うっすらと引いている。あのポンコツと、契約の継続を交わす権利と、それだけの魔力量を持つ人間は現状アルメリアしかいない。他の人間も、資格自体を有する者はいるにはいるが……おそらく、契約を交わした時点で魔力枯渇を起こして死ぬ』
「アルメリア嬢と審判竜様の契約に尽力せよ、ということでしょうか?」
『はっはっは、欠食娘は向こうの国に戻りたくないそうだぜ!』
笑いながら口を挟む風の精霊。
『まあ、聖女なのに待遇悪過ぎだし。それになにより、あのまま向こうにいても、使い潰された挙げ句に冤罪被せられて処刑される未来を視たら、そりゃ国捨てるわなー。死にそうになったら手ぇ出すんじゃなくて、もう少し……風のくらいにアルメリアのことを気に掛けとくんだったわー』
『ま、俺らと短命種じゃあ時間の間隔が違うからな。仕方ねぇぜ! というワケで、ロマンシス。欠食娘が憐れだから、魔獣退治をお前らに頼むんだとよ』
「はい?」
『ぶっちゃけ俺は、審判竜……あの馬鹿兄弟が起きるのを阻止できれば人間の国がどうなろうと知ったことではないんだよ。あのポンコツが下手に動くと、世界があちこち壊されるからな。まだ、砕けた大陸近辺の修復が終わってないってのに、他の仕事増やされて堪るか!』
『はっはっは、なにげに浄化が面倒なんだよなー。瘴気混じりの火山灰と火山ガスを、世界へ循環させずに限られた空間内で停滞させての浄化がなー』
『いや、お前ちょくちょく抜けて遊びに出てるじゃねぇかよ』
『ふっ、手伝いは任意のはずだ!』
ドラゴン殿と風の精霊の内輪の話が壮大過ぎて、ちと口を挟み難いのぅ。
というか、この口振りだとこのドラゴン殿は審判竜のご兄弟で、どうやら世界の修復を担うお方のようじゃの。これまた、ド偉い方のお出ましじゃ!
「質問なのですが」
『ん? なんだ?』
「その、神竜の微睡む地にスタンピードが起きる。そして、教会の我らへと彼の地の魔獣対策を頼む、ということで合っているでしょうか?」
『そうそう。あのポンコツが目ぇ覚ます前に、魔獣を払ってやってほしい。飲み込みが早くて助かるわー。アルメリアなんか、国を出てからず~っと俺の声無視するしさ? さっき、やっと話聞いてくれるようになったんだよ』
『ま、国戻れって言われて即行断ってたもんなー。欠食娘だから仕方ねーけど』
「それで、肝心のスタンピードは、いつ頃起こるのでしょうか?」
『ああ、多分……今から二、三年後くらい?』
「二、三年後、ですか……」
『おー、割とすぐだなー』
『そうそう。ほら? 人間って、戦するのに準備が必要だろ? 教会と神殿って仲悪いしさ? やり方は任すから、スタンピードまでに準備整えてくれ。それじゃあ、よろしくな』
『気が向いたら俺も加勢するわ』
「は、はあ……」
『やー、肩の荷下りたわー』
と、言うだけ言ってドラゴン殿はすっと空気に溶けるように消えてしもうた。
「ハッ! アルメリア嬢はどうすれば宜しいのですかっ!? ドラゴン殿!」
『ぁ~……欠食娘の好きにさせたらどうだ? 確か、欠食娘はああ見えても人間で言うところの成人? くらいは生きてるはずだぜ』
「それは本当かのっ!? アルメリア嬢は、多めに見積もっても十代前半にしか見えないんじゃがのっ!?」
あの小柄で、痩せ気味のアルメリア嬢ちゃんが成人間近となっ!?
『そりゃ、欠食娘だからだな! あと、アレだろ? 魔力多い人間は、成長遅かったりすんだろ? そうじゃなかったら、エルフとかの血でも引いてんじゃねぇか?』
「成る程。そうであれば……いや、しかし、やはりアルメリア嬢ちゃんが小さいのは虐待が原因ということになるのかのぅ……」
下位精霊達が、あれ程に心配して菓子を食べさせようとするワケじゃ。神殿は、聖女であると認めた子に一体どのような扱いをしておったんじゃっ!? 全く……
『じゃ、またなロマンシス』
と、風の精霊もあっさりと去って行きおった。
それにしても、二、三年後に神竜の微睡む地でスタンピードとは……あそこは、教会は少なく神殿が多い地。そして、教会と神殿は対立とは行かぬでも、割と反目し合っておるからのぅ。
スタンピードをどうにかするとの返事をしたばかりというに、途端に面倒な気がして来おった。
わし、さっさと教皇を引退して老後を悠々自適に暮らす予定じゃったというに……って、ハッ!! も、もしかしてわし、神竜の微睡む地のスタンピードをどうにかするまで教皇の引退できないのかのっ!?
な、なんてことじゃっ!? わしの老後が、また遠のいてしまいよったのじゃ・・・
はぁ……とりあえず、このブルーな気持ちをどうにかするため、アルメリア嬢ちゃんに菓子でも作るとするかのぅ。
✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰
ロマ爺「ハッ!! も、もしかしてわし、神竜の微睡む地のスタンピードをどうにかするまで教皇の引退できないのかのっ!?」( º言º; )"
「な、なんてことじゃっ!? わしの老後が、また遠のいてしまいよったのじゃ・・・」…( っ゜、。)っ
とりあえず、スタンピード解決するまでロマ爺の教皇任期が数年延びた。(*`艸´)
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