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あるめりあ、おかしたべいこ~♪
しおりを挟む「どんな非合法組織ですかそれはっ!?」
非合法どころか、神殿や国家ぐるみで?
「娘っ子、お前戦えるのか?」
「あ、はい」
「得物は?」
「ぁ~……基本、武器は戦闘以外では持たされてなかったので。現場で支給された武器や落ちてるものを使ってました」
聖女が武器を携帯するなどあり得ない、だそうで。実際のところは、わたしに反抗されるのを恐れていたんじゃないかなぁ?
まあ、別に武器がなくてもある程度は戦えるけどね? 聖女だから、身を守れと護身術や各種戦闘技術は習ってたし。更に、偶にふらっと顔を出す風の兄貴も風の使い方を教えてくれたし。
あと、身体強化で手足にめっちゃ魔力籠めて硬くすると、下手な剣とか素手で折れる。なんなら、風を纏わせれば……雑魚い魔獣の首は余裕で落とせる。とは言え、素手だとめっちゃ接近戦しなきゃだから、魔獣の爪や牙を諸に食らう可能性も高くなる。
魔獣の群れなどを相手にするのに素手は向かない。なので、武器はあった方が普通に便利だ。杖や槍とか、リーチがある武器が使い勝手がいい。
「あなた、もしかして戦災孤児で非合法な傭兵団に育てられたとかですか?」
「戦災孤児……なのは、確かですねー。あ、雑魚い犬系魔獣の十頭くらいの群れなら一人で倒せます。まあ、さすがに素手で殲滅は厳しいけど。魔術使えば余裕かなぁ?」
むしろ、味方が近くにいない方が殲滅し易い。
「ほう、なかなかやるな娘っ子」
「どんな外道が、年端も行かぬ子供にそんなことをさせたんですかっ!?」
と、いきなり怒り出すクレメンスさん。
「前住んでたとこの人達?」
「っ! ……いえ、そうなのですが、そういうことではないと言いますか……」
「?」
『あるめりあ、おなかいっぱい?』
『あのね、ロマンシスがおかしつくってるの~』
『あるめりあにあげるって~』
「っ!?」
『あるめりあ、おかしたべいこ~♪』
『われらのてづくりー』
『われらとろまんしすのてづくり~』
『くっきー、まふぃん、ぷりんにぶらうにー♪』
『はやくいこ~♪』
『おかしー♪おかし~、おいしいおかし~♪』
『ろまんしすのきっちんあっちー』
『あっちにおかしがまってる~♪』
『ふっふっふ、おかしつくりにでおくれても、あるめりあをつれていけばおこぼれをもらえたりするかもなのだ!』
なんかこう、若干わたしのために作ってくれている(予定)感じのお菓子が、おチビちゃん達に狙われている気がしないでもないけど。
でも、あれだっ! こうしてはいられない! 美味しいお菓子がわたしを待っているというのなら、万難を排してでも行かなくてはっ!!
「ご馳走様でしたっ!! というワケで、わたしは行きます!」
「はい? いきなりどこへですっ!?」
「ま、精霊が見えるような変わり者はいきなり奇行に走ることもあるからな……」
ぼそりと、嗄れ声が言う。
「よし、娘っ子。俺が付いてってやる。俺が付いてれば、ある程度の場所は顔パスだ」
「わぁ! ありがとうございますトムさん!」
「ちょっ、トマス様! 勝手に決めないでくださいっ!!」
「なあ、小僧。考えてみろ。犬系魔獣の群れを一人で殲滅できるってぇ娘っ子を止められそうな奴が、俺の他にいんのかよ?」
「そ、それは……というか、本人を前にしてそのようなこと……」
「あ、全然大丈夫です。武力を持つ余所者が警戒されるのは当然のことですから。見張りも気が済むまでどうぞ。そんなことより、さっさと行きましょう!」
『あるめりあ、はやくはやく~』
『おかしがまってるー♪』
『ろまんしすがつくってるのー』
おチビちゃん達が、くるくると楽しげな声を上げて早くとわたしを急かして先導する。
「娘っ子には俺が付くから、小僧はシスのとこ戻ってていいぞ」
「……いえ、わたしも行きます」
と、食堂を後にしてお菓子の待つという場所へ向かった。
わたしのためのお菓子って、どんなお菓子かなぁ? すっごく楽しみ~♪
とりあえず、籠に入っているパンを幾つか……ハンカチに包んで、ハンカチごと浄化を掛けて、更に上から結界を張る。これで、通常よりもパンが長持ちする。
さあ、出発! お菓子を食べに!
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