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ヴァンパイア編。
81.ハァイ、サルビア。久し振りね♪
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父が、倒れたらしい。
なんだかざわついている。
なんでも、先祖の真祖と殺り合って、相討ちのような状態だという。
父は生きてはいるが、意識不明だそうだ。
起きないという。
あのヒトが寝ているところなど…想像できない。
おれが今いるのは、アダマス本邸の敷地内にある鍛冶場だ。一人で籠っている。
おれは、あのヒトの子供だとは公式には認められていないので、あのヒトの部屋には入れない。
養父も養母もレオ兄も、みんなボロボロな状態で帰って来たという。
まだ、誰の顔も見ていない。
近くにはいるが、おれは一職人という扱いなので、情報が回って来ない。
慌ただしい状況下で、耳を澄ませていただけ。
父達の、不可解な行動の理由がわかった。
父が、アルを追い出した理由。
レオ兄と養母が、アルの味方をしなかった理由。
近頃、おれが忙しかった理由。
兄貴を、リリアンの船に隔離している理由。
子殺しの始祖が動いていたから…だ。
それらの理由がわかったからと言って、今更どうすることもできない。
父達は、自分達だけで決着をつけたようだ。
あのヒト達は、格好付け過ぎだ。
なにも言わないで、自分達だけで決めて・・・
ズタボロの、酷い有り様の装備を見下ろす。
捜索されて、おれの下へ戻って来た・・・
折れたり、欠けた剣。一部溶けている物もある。
傷だらけの防具。
耐刃なのに、破れた衣服。
こんなになるまで闘って・・・
帰って来たら、言うつもりだった…のに・・・文句や不満も、言えない。
後悔が、募る。
おれが、もっといい物を作っていれば、彼らの怪我はもっと少なくなっていただろうか?
武器も、防具も・・・
そう、考えていると・・・
「ハァイ、サルビア。久し振りね♪」
背後から、柔らかい身体に抱き締められた。
「少し見ないうちに大きくなったわ」
くるくるの長い黒髪に鮮やかなエメラルドの瞳、赤みがかった蜜色の肌、華やかな雰囲気の女。
呼ばれることの無いおれの本名は、シーフェイド・サルヴァトール・フラメル・アダマス。
普段はシーフと呼ばれている。
職人達には、鍛冶師やフラメルなどと呼ばれることもある。
兄貴はフェイドと呼ぶが、あのヒトは他のヒトとは違う名前の呼び方をするのが好きだ。
そして、おれをサルビアと呼ぶのは・・・
「…母」
おれの母親。炎の聖霊のイフリータ。ビアンカ・フラメルだ。そういえば、耐火特性を強めた装備にするというので、加護を施す為に暫く前に呼ばれて来ていたんだった。
・・・顔を見たのは今だが。
何十年振りだろうか?
「ふふっ、へこんでいるのね」
正面に回り、おれよりほんのちょっとだけ目線が低いエメラルドがにこにこと見上げる。
「・・・」
「サルビアが感情豊かになって嬉しいわ♪やっぱり、ローレル君に託したお陰かしら?」
両腕を広げた母に、ハグされる。
「?」
「あたし達聖霊が、意志を持つ自然現象のようなものだってことは判るでしょう? サルビア」
下から覗き込むエメラルド。その中には、揺らめく炎が踊る。
「…なんと、なく?」
「あたし達は、長い長い時間を掛けて、自我を形成して行くの。あたしがあたしだという個を自覚するまでに、生まれてから数百年掛かったわ」
「・・・数百年。寝てた?」
「そうね。数百年、とろとろと微睡んでた。夢現状態で、ゆっくりゆっくり、あたしはあたしを自覚したの。だから、生まれて間もないサルビアが、こんなに感情豊かで驚いてるわ」
おれはまだ、二百年は生きていない。
母は確か、二千年以上を生きているそうだ。自我を自覚してからの二千年以上なので、実質三千年未満と言ったところか? もっと、生きているかもしれないが・・・
そんな母は、おれをまだ赤子扱いする。
父はおれが放置されていると言っておれを引き取ったそうだが、母からすれば、ほんの少し目を離した間に、父がおれをエレイスへ預けていたと言っていた。父と母では、時間の感覚が違うのだ。
そして母は、通常のイフリートに比べておれの成長が早くて驚いているそうだ。
「…母も、ぼーっと…してた?」
「ええ。サルビアよりも、ずーっとね」
ということは、おれもいつかは母みたいに感情表現が豊かになるのだろうか?
想像がつかない。
「ジェイドちゃんのお陰かしら?」
クスクスと笑う母。
ジェイドというのはアルのこと。翡翠の色をした瞳のアルを、母はジェイドと呼ぶ。
対外的に名前を使い分けるアルへ気を使い、名前で呼ぶのをやめている。
ちなみに、以前はアルをローズちゃん、またはロゼちゃんと呼んでいた。
「ジェイドちゃんは、元気してる?」
「・・・相変わらず…」
元気…とは言えないだろう。
「そう。ジェイドちゃんもローレル君も大変ね。最近は、あなた達の始祖もお母様も動いていたみたいだし。旧い方々もなにかあったのかしら?」
母の母?
「…祖母?」
聞いたことがない。
「厳密には、違うわね。あなた達ヴァンパイアで言うところの、真祖みたいな存在かしら? 多分、サルビアも逢えば判るわ。お母様だって」
「・・・?」
「……サルビアは、ローズちゃんが好きよね」
炎の踊るエメラルドが、おれを見詰める。
「愛している?」
「ん」
頷くと、
「なら、頑張りなさい」
母がふわりと微笑んだ。
「?」
頬へ、熱く柔らかい唇が当たる。
「それじゃ、あたしはローレル君のお見舞いに行って来るわ。また後でね?サルビア」
「ん。また…」
母が、鍛冶場を出て行った。
なんだったのだろうか?
暫くして、母が父の様子を聞かせてくれた。
命に別状は無いそうだ。
ただ、いつ目覚めるかは不明だという。
少し安心した。そして母は、出て行った。
「・・・」
・・・今回のことで、思い知った。
アルが、仕事を放り出したおれを怒った意味がわかった気がする。
おれの創った物を装備して、おれの大事なヒト達が傷付くのは、大層悔しい。
剣を、打とう。
もっと強い剣を。
折れない、欠けない、頑丈な剣を。
傷付かない防具を創ろう。
彼らが傷付かないように・・・
__________
久々のシーフです。地味に仕事はしてたんですけどね。今回はシリアスです。
そして、名前は出てたシーフ母のビアンカ登場でシーフの眠たい理由が明らかに…?
ビアンカは、アルが夢魔のヒトの影響を受けていることを知っていましたが、ローレルがなにも言わないようなので黙っていました。影響を受けていることは判っていても、その思惑までは知りません。
なんだかざわついている。
なんでも、先祖の真祖と殺り合って、相討ちのような状態だという。
父は生きてはいるが、意識不明だそうだ。
起きないという。
あのヒトが寝ているところなど…想像できない。
おれが今いるのは、アダマス本邸の敷地内にある鍛冶場だ。一人で籠っている。
おれは、あのヒトの子供だとは公式には認められていないので、あのヒトの部屋には入れない。
養父も養母もレオ兄も、みんなボロボロな状態で帰って来たという。
まだ、誰の顔も見ていない。
近くにはいるが、おれは一職人という扱いなので、情報が回って来ない。
慌ただしい状況下で、耳を澄ませていただけ。
父達の、不可解な行動の理由がわかった。
父が、アルを追い出した理由。
レオ兄と養母が、アルの味方をしなかった理由。
近頃、おれが忙しかった理由。
兄貴を、リリアンの船に隔離している理由。
子殺しの始祖が動いていたから…だ。
それらの理由がわかったからと言って、今更どうすることもできない。
父達は、自分達だけで決着をつけたようだ。
あのヒト達は、格好付け過ぎだ。
なにも言わないで、自分達だけで決めて・・・
ズタボロの、酷い有り様の装備を見下ろす。
捜索されて、おれの下へ戻って来た・・・
折れたり、欠けた剣。一部溶けている物もある。
傷だらけの防具。
耐刃なのに、破れた衣服。
こんなになるまで闘って・・・
帰って来たら、言うつもりだった…のに・・・文句や不満も、言えない。
後悔が、募る。
おれが、もっといい物を作っていれば、彼らの怪我はもっと少なくなっていただろうか?
武器も、防具も・・・
そう、考えていると・・・
「ハァイ、サルビア。久し振りね♪」
背後から、柔らかい身体に抱き締められた。
「少し見ないうちに大きくなったわ」
くるくるの長い黒髪に鮮やかなエメラルドの瞳、赤みがかった蜜色の肌、華やかな雰囲気の女。
呼ばれることの無いおれの本名は、シーフェイド・サルヴァトール・フラメル・アダマス。
普段はシーフと呼ばれている。
職人達には、鍛冶師やフラメルなどと呼ばれることもある。
兄貴はフェイドと呼ぶが、あのヒトは他のヒトとは違う名前の呼び方をするのが好きだ。
そして、おれをサルビアと呼ぶのは・・・
「…母」
おれの母親。炎の聖霊のイフリータ。ビアンカ・フラメルだ。そういえば、耐火特性を強めた装備にするというので、加護を施す為に暫く前に呼ばれて来ていたんだった。
・・・顔を見たのは今だが。
何十年振りだろうか?
「ふふっ、へこんでいるのね」
正面に回り、おれよりほんのちょっとだけ目線が低いエメラルドがにこにこと見上げる。
「・・・」
「サルビアが感情豊かになって嬉しいわ♪やっぱり、ローレル君に託したお陰かしら?」
両腕を広げた母に、ハグされる。
「?」
「あたし達聖霊が、意志を持つ自然現象のようなものだってことは判るでしょう? サルビア」
下から覗き込むエメラルド。その中には、揺らめく炎が踊る。
「…なんと、なく?」
「あたし達は、長い長い時間を掛けて、自我を形成して行くの。あたしがあたしだという個を自覚するまでに、生まれてから数百年掛かったわ」
「・・・数百年。寝てた?」
「そうね。数百年、とろとろと微睡んでた。夢現状態で、ゆっくりゆっくり、あたしはあたしを自覚したの。だから、生まれて間もないサルビアが、こんなに感情豊かで驚いてるわ」
おれはまだ、二百年は生きていない。
母は確か、二千年以上を生きているそうだ。自我を自覚してからの二千年以上なので、実質三千年未満と言ったところか? もっと、生きているかもしれないが・・・
そんな母は、おれをまだ赤子扱いする。
父はおれが放置されていると言っておれを引き取ったそうだが、母からすれば、ほんの少し目を離した間に、父がおれをエレイスへ預けていたと言っていた。父と母では、時間の感覚が違うのだ。
そして母は、通常のイフリートに比べておれの成長が早くて驚いているそうだ。
「…母も、ぼーっと…してた?」
「ええ。サルビアよりも、ずーっとね」
ということは、おれもいつかは母みたいに感情表現が豊かになるのだろうか?
想像がつかない。
「ジェイドちゃんのお陰かしら?」
クスクスと笑う母。
ジェイドというのはアルのこと。翡翠の色をした瞳のアルを、母はジェイドと呼ぶ。
対外的に名前を使い分けるアルへ気を使い、名前で呼ぶのをやめている。
ちなみに、以前はアルをローズちゃん、またはロゼちゃんと呼んでいた。
「ジェイドちゃんは、元気してる?」
「・・・相変わらず…」
元気…とは言えないだろう。
「そう。ジェイドちゃんもローレル君も大変ね。最近は、あなた達の始祖もお母様も動いていたみたいだし。旧い方々もなにかあったのかしら?」
母の母?
「…祖母?」
聞いたことがない。
「厳密には、違うわね。あなた達ヴァンパイアで言うところの、真祖みたいな存在かしら? 多分、サルビアも逢えば判るわ。お母様だって」
「・・・?」
「……サルビアは、ローズちゃんが好きよね」
炎の踊るエメラルドが、おれを見詰める。
「愛している?」
「ん」
頷くと、
「なら、頑張りなさい」
母がふわりと微笑んだ。
「?」
頬へ、熱く柔らかい唇が当たる。
「それじゃ、あたしはローレル君のお見舞いに行って来るわ。また後でね?サルビア」
「ん。また…」
母が、鍛冶場を出て行った。
なんだったのだろうか?
暫くして、母が父の様子を聞かせてくれた。
命に別状は無いそうだ。
ただ、いつ目覚めるかは不明だという。
少し安心した。そして母は、出て行った。
「・・・」
・・・今回のことで、思い知った。
アルが、仕事を放り出したおれを怒った意味がわかった気がする。
おれの創った物を装備して、おれの大事なヒト達が傷付くのは、大層悔しい。
剣を、打とう。
もっと強い剣を。
折れない、欠けない、頑丈な剣を。
傷付かない防具を創ろう。
彼らが傷付かないように・・・
__________
久々のシーフです。地味に仕事はしてたんですけどね。今回はシリアスです。
そして、名前は出てたシーフ母のビアンカ登場でシーフの眠たい理由が明らかに…?
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