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しおりを挟む「で、だな。ハウウェル」
「? なに?」
「サンキュ」
「? なにが?」
「これは、ハウウェルのお陰だろ」
ニヤリと食堂を見渡すテッドに、どういう意味だ? という風に首を傾げる。
「焦ってレザンを寄越した甲斐は……まぁ、あんまりなかったみたいだけどな? まさか、レザンが助ける間も無く終わるとは全く思わなかったぜ……」
「・・・ああ、君だったのか。レザンを呼んでくれた人っていうのは。奴が来てくれて助かったのは事実だよ? 今更だけど、ありがとう」
「よせよ。偶々窓を開けてたら、見覚えのある奴が絡まれていて、自分が助けに入りたくねぇから、慌ててレザンを呼んだ腰抜けってだけだ。俺は」
やっぱり、目撃者はいたか・・・誰かしら、見ている人はいるとは思っていたけど。
「それって、誰かに話した?」
「いんや? 見たままを正直に話したところで、あんまり信じてもらえそうにないからな」
繁々とわたしを見詰めるテッド。
「? そう、ありがとう。まぁ、証言を求められたらそのまま話していいから」
わたしも、簡単には信じてもらえないだろうから面倒だと思って隠しているだけで、どうしても知られたくないというワケでもないし。
まぁある意味、偽証したことについては煩く聞かれるかもしれないけど、信じてもらえないと思ったから、で通せばいい。あと、正当防衛も。これ、超大事。
「よせって。俺はな~んもやってねぇよ。それにしても、レザンの言った通り、見た目よりもかなり話し易いんだな。ハウウェルは」
「そう?」
見た目よりって・・・
「おう、ハウウェルはお綺麗なツラしてっからな? もっとこう、取り澄まして、お高くとまった奴かと思っていたんだ」
「それ、誉めてるの? 貶してるの? ・・・喧嘩なら、高く買うけど?」
ニヤリと笑い掛けると、
「ははっ、勘弁してくれ。俺じゃ、アンタの相手にもならねぇよ。見た目に反してなかなか喧嘩っ早い、ってのも本当だったな。こっちから噛み付かなきゃ、特に問題はないっても言ってたが?」
降参という風に両手を挙げ、首を振るテッド。
「ふぅん・・・レザンが、そんなことを・・・」
「いや、アンタと話してみたいって奴は、実は結構いるんだよ。けどほら、アンタって綺麗な顔してるし、レザンが近くにいることが多いから、声掛けづらいっていうかさ?」
「成る程、レザンの圧力か・・・確かに奴は、デカい上に強面だからね。一般人には受けが悪い」
納得していると、
「ぃゃ、あ~……まぁ、そういうことにしとくわ」
いやに歯切れの悪いテッドの言葉。
「?」
「それにほら、アンタ貴族じゃん」
「その辺りは・・・難しいと言えば難しいかな? わたしはレザンと似て、あんまり身分には煩く言わない方だと思うんだけど。そういうのは、人によるからねぇ・・・」
と、朝食を終えてテッドと別れた。
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