虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い

月白ヤトヒコ

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「なっ、誰がそんな趣味を持っているかっ!? 巫山戯ふざけたこと抜かすなっ!!!!」
「巫山戯たこともなにも、公衆の面前で自分がセルビア嬢に劣ることや、それについて嫉妬していること、セルビア伯爵家の親族でありながらも、セルビア伯爵に全く信用されていないことを公表した挙げ句、セルビア嬢に振られて興奮している、品性下劣な男。というのが、この場でのあなたの評価だと思うのですが? 違いましたか?」

 と、周囲の生徒達を示唆する。今までのやり取りを見て、ひそひそと囁き合い、面白がるように笑っているのが見える。クスクスと広がるさざめき。
 自己陶酔男は、そうやって笑われていることをようやく認識したのか、さっと顔が青くなる。

 まぁ、彼が特殊な趣味をしているように見えるよう誘導したことは否めませんが……さっきからずっと、周囲の生徒達に笑われていたんですけどね?

 あと、『ケイト様を見守る会』の会員と思われる人達や、セルビア嬢へ熱い視線を送っている女子生徒達からは、かなり厳しい目(うらやましいという嫉妬の視線も含む)で見られていましたし。

 気付くのが遅過ぎますよねぇ? そして激昂すると、益々図星を刺されたように見えますし。それにしても、ころころと顔色がよく変わってますが、血圧とか大丈夫でしょうか?

 先にセルビア嬢を貶めようと仕掛けて来たのは、あちらの方だ。更には、「場を弁えなさい」という言葉を無視して絡んで来たのも、あちらの方。

 恥を晒す前に、とっとと退散していればよかったものを。というか、そもそもセルビア嬢に絡んで来なければよかったのに。

 まぁ、これも自業自得というやつですよね。

 今日から彼は、変態扱い確定。まぁ、明日からは長期休暇なので、休み明けには噂が鎮静化しているといいですね。

「お、お前らぁっ!!」

 またもや顔を真っ赤にした彼が声を張り上げたときだった。

「先生ー、なんかあっちで男子生徒が騒いでるみたいですよー! 見に行った方がいいんじゃないですかー!」
「……あ、あっちです!」

 と、教師を誘導するような声が響いた。

「クソっ……覚えていろよっ!?」

 さすがに教職員の前でまで騒ぎ続ける度胸はないのか、顔を歪めた自己陶酔男が速足で離れて行った。

 そして、

「不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。ハウウェル様、クロフト様」

 申し訳なさそうな顔をしてわたし達へと謝るセルビア嬢。

「いえ、お気になさらず」
「うむ。セルビア副部長が謝る必要はありません」
「ですが、身内の不始末なので……」

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