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しおりを挟む「ふふっ……失礼。その、彼のことです」
思わずという風に吹き出すセルビア嬢。
「……まずは、ご迷惑をお掛けしたお詫びを。遅くなってしまい、すみません。受け取って頂けると嬉しいのですが」
と、わたし達に手の平大の小包が配られた。
「お詫びなんて、副部長と踊れただけで十分って言ったじゃないですかー。でも、ありがたく貰っておきます」
キリッとした顔で言って、小包を振るテッド。カサカサと小さな音が鳴る。
「ちなみに、中身はなんですか?」
「ありきたりな消え物ですみませんが、お茶です」
「ありがとうございます」
「ありがたく頂きます」
「グレイさんにもお渡ししたいのですが」
と、テッドとレザンの後ろへと視線を向けるセルビア嬢。リールは乗馬クラブに所属してないから、ここには来ていない。来ていたら、誰かの後ろに隠れていそうだけど。
「リールの分なら、俺が預かっておきます。あ、パクったりしないで、後でちゃんとリールに渡しておきますから安心してくださいね?」
「ふふっ、そんなことは疑っていませんよ。では、お願いしますね」
「任せてください!」
と、リールの分の小包を預かるテッド。
「それで、例の彼の処分なのですが……」
と、セルビア嬢が話してくれたのは、主家の令嬢(セルビア嬢のこと)を貶めるような言動と、身内の恥を公衆の面前で晒すような言動、そして他家の令息(わたしとレザンのこと)に絡んだこと、更にはそれらの事柄を問題だと認識していない様子を、当主であるセルビア伯爵が重く受け止め、この学園から転校という措置になったそうです。
なんでも、これまでは親族の集まりなどでセルビア嬢にやたら絡んで来ていたのだそうですが、セルビア嬢が次期当主ということで、お父上から自分で解決するようにと言い付けられていたそうです。
けれど、次期当主を外されたということも鑑みられて、自己陶酔男がセルビア嬢の嫁入りに悪影響を及ぼす質の悪い言動をしたとされ、同じ学園に通わせるワケにはいかないということになったらしいです。
まぁ、この学園って、通うだけで箔が付くと言われていますからねぇ。その学園を、問題を起こして転校となると、なかなか厳しい目で見られること間違い無し。
更には、自分の家の主家の令嬢を貶めたとなれば、一族の中でも肩身の狭い思いをするでしょうね。
それにしても、セルビア嬢のお父上はセルビア嬢へは厳しいような印象を受けますねぇ。わたしが口を出すようなことではありませんけど・・・セルビア嬢は、あんなのによく我慢していたと思います。
「……という結果になりましたので、皆様がこの学園で彼と会うことはもう無いでしょう」
「わかりました。ご報告ありがとうございます」
「ちなみになんですけど、ヘンタイ先輩はどこの学校に転校したんですか?」
なんとなく聞いてみたという風なテッド。
「わたしも詳しくは聞いていないのですが……男子校に行かせる、というのだけは聞きました。そして、今後は親族の集まりにも顔を出すことはないそうなので」
それはまた……肩身の狭い思いどころか、親族内でもハブられるのが決定ですか。まぁ、あれだ。自業自得だから強く生きろ、という感じかな?
「スッパリと縁切りできたようでよかったではないですか」
うんうんと頷くレザン。
「ふふっ、そうですね。皆さんのお陰です。ありがとうございます」
クスクスと晴れやかに笑うセルビア嬢。
「それでは、長々とお引き留めしてしまいすみませんでした。そろそろクラブ活動を致しましょうか?」
と、その後は普通に乗馬を楽しみました。
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