虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い

月白ヤトヒコ

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 驚く三人に、ふふんと胸を張るフィールズ嬢。

 あ、なんか、フィールズ嬢もやっぱりターシャおば様のお孫さんですねぇ。と、実感します。

「えぇっ! そうだったんですかっ? もう、だったら言ってくれればよかったのに。それじゃあ、踊りましょうか? メルン先輩っ」
「はあっ!? いや、ちょっ、おま、フィールズっ!?」

 乗り気なエリオットに慌てるテッド。

「ああ、大丈夫ですわ。エリオットは、女性パートも完璧に踊れますから。勿論、男性パートでリードするのも慣れています。安心して、存分に踊って来てください」

 にこっと笑顔でエリオットを推す言葉。

 自分が突拍子もないことを言った自覚は無さそうだ。

「はいっ、任せてくださいっ!」

 と、こちらも胸を張って応えるエリオット。

「え~、ちょっ……マジかよ……」

 多分嫌なのだろうけど、そうとは言い出せない雰囲気のまま、テッドがエリオットに引っ張られて行く。男同士でダンスエリアに立つとは何事だ? という注目を浴びながら。

 ふと周囲を見渡すと、なぜか顔の赤いお嬢さん達が多いような気がする。動いたから暑いのだろうか?

「えっと、フィールズ様は宜しいのでしょうか?」

 戸惑うように二人を見詰めるケイトさん。

「? 大丈夫です。エリオットには、『嫌なら、ちゃんとそう言いなさいよ』って言ってありますからね」
「まぁ、エリオットの方が張り切ってるからいいんじゃないですか」

 なぜかエリオットは、女性パートを踊ることに抵抗は無いみたいだし。むしろ、嬉々として踊りに行った。

「多分、その辺にいる子よりもエリオットの方がダンスは上手いですからね。自分よりも女性パートの上手い殿方と踊りたいとは、あまり思わないものでしょう? 恥を掻くのは嫌ですもの」

 ふふんと不適に微笑むフィールズ嬢。

 ああ、結構考えていたんだ。まぁ、なんかこう、斜め上な感じの発想ではあるけど。

「それに、見たところケイト様のお靴は下ろし立てでしょう? 何度も踊るのは足がおつらくはないかしら? と思いまして」
「お気遣いありがとうございます、レイラ様」
「いえ、エリオットのことを気遣って頂いて、こちらこそありがとうございます。これで、虫除け任務はバッチリ。ルリアも安心できますわ♪」
「まあ、レイラ様ったら」

 クスクスと笑い合う二人。

 弟妹を可愛がっている姉同士ということもあって、結構気が合うのかもしれないですね。

 二人が談笑する姿を微笑ましい気分で眺めていたら・・・

 「……綺麗どころ 二人に囲まれて いいご身分 だなこの野郎っ!  こっちは、 なにが悲しくて 野郎と二人で 踊らないと いけねーんだ よっ!?」

 ぼそぼそと恨みがましい小さな声がした。

「ああ、楽しかった?」

 素知らぬ振りをして聞くと、

「はいっ」

 にこにこ答えるエリオットに、苦虫を噛み潰したような顔のテッド。

「あら、お帰りなさいエリオット。どうでしたか? エリオットは踊るの上手かったでしょう? もっと踊りたいのでしたらお貸ししますから、遠慮なく仰ってくださいね」

「あ、はい。ありがとうございました。その、俺はもう十分ですので」

 パッと愛想笑いを浮かべてのお礼。

 という感じで、なかなか愉快な交流会となった。

 若干一名程、

「俺は女の子と踊りたかったってのにっ!! 顔だけ見た目美少女な男と踊って、女の子から変な注目を浴びても楽しくないわっ!?」

 という不満を洩らしていた奴がいたけど。

 ま、それはかく・・・

 明日から長期休暇だ!

✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰


 レザンとリールはほぼ空気。(笑)

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