16 / 20
16
しおりを挟む
「親父??なんでもう戻ってきたんだ。3か月は帰ってこないって言ってたじゃないか?」
そうロベルトが言っていた策というのは、外交交渉で外国に出かけている国王様に今の窮状を伝えることでした。
国王様は外国にてリスタール帝国との協定を結ぶための交渉を行っていて、国内にはいらっしゃらなかったのです。
ロベルトの読み通り国王様は急いで戻ってきてくれました。
国王様がゼスタに言いました。
「ロベルト殿から知らせを受けたのだ。お前が好き放題暴れていると聞いたからな。」
ロベルトが国王様に言いました。
「国王様、無理を言ってしまい申し訳ありません。」
国王様がロベルトに言いました。
「ロベルト殿、そのような事を気にするな。知らせをくれた事を感謝する事はあっても咎めるような事は絶対にせぬ。」
そして国王様が言いました。
「まずは触れを出しておいた方が良さそうだな。ゼスタがこれまでに出したすべての命令を無効とする。そして衛兵達よ。直ちにゼスタとリアナの二人を捕らえるのだ。」
すぐにゼスタとリアナの二人は衛兵に取り押さえられて手錠がかけられたのだった。
国王様がロベルトに言いました。
「ロベルト殿!!溺れた人々の救助活動や混乱した海上交通網の回復など何から何まで本当に世話になった。国王としてお礼申し上げる。」
ロベルトが国王様に言いました。
「あいえ、それに関しては気になさらないでください。当然の事をしたまでです。ただ一つそれとは別に国王様にお願いしたい事がございます。」
国王様がロベルトに尋ねました。
「何なりと言うてみよ。」
するとロベルトはこう国王様に言ってくれました。
「このゼスタとリアナがルーテシアに婚約破棄を働いた事を厳しく問い質して頂きたいのです。」
私は慌ててロベルトに言いました。
「ロベルト??私は別に。」
ロベルトはこう私に言ってくれました。
「ルーテシア。俺は君が誰よりも大切だ。だから君を困らせた連中が何の処罰も受けないのは絶対に我慢できないんだ。」
私はこれを聞いて恥ずかしくなりました。
私の頬は赤くなっていると思います。
国王様がロベルトに言いました。
「ロベルト殿の言う事は最もだ。ルーテシア殿に無礼千万を働いたゼスタとリアナにはちゃんと問い質すとしよう。しかしロベルト殿??そちはルーテシア殿とは親しい間柄だったのか?」
ロベルトは国王様に言いました。
「はい、俺はルーテシアを愛しています。さきほどルーテシアに告白をしたところです。」
私はまた恥ずかしくなりました。
国王様がロベルトに言いました。
「そうだったのか、それはすまぬ事をした。それを知っておれば愚息との婚約など結ばせなかったのだが。」
ロベルトが国王様に言いました。
「俺の事は別に構いません。それよりもルーテシアに。」
国王様が私に言いました。
「そうだな。ルーテシア殿、此度は誠にすまなかった。わが愚息が婚約破棄などをしてしまい、本当に申し訳ない。」
国王様はそういうと私に深く頭を下げてくれました。
するとルーカスさんが私に言いました。
「ルーテシア様、何のお役にも立てずに申し訳ございません。」
私はルーカスさんに言いました。
「あっいえ、気になさらないでください。」
国王様はルーカスさんにこう尋ねました。
「ルーカス??なぜこのゼスタを止めなかったのだ。お前らしくもない。」
ルーカスさんが国王様に言いました。
「それは国王様がゼスタ様にこのスバルト王国の全権(ぜんけん)委任状(いにんじょう)を出されていたからです。」
国王様は何の事か分からないようでした。
「委任状??なんの事だ?そんなもの余は出しておらんぞ。」
ルーカスさんが国王様に言いました。
「ですが、ゼスタ様が国王様から出して頂いたと。」
すると国王様は納得した様子でこうルーカスさんに言いました。
「なるほど、ゼスタがみなにいう事を聞かせるために、偽の書状をこしらえたようだな。」
ルーカスさんが驚いて聞き返しました。
「なんと?それでは。」
国王様がルーカスさんに言われました。
「うむ、その委任状は真っ赤な偽物よ。」
そうロベルトが言っていた策というのは、外交交渉で外国に出かけている国王様に今の窮状を伝えることでした。
国王様は外国にてリスタール帝国との協定を結ぶための交渉を行っていて、国内にはいらっしゃらなかったのです。
ロベルトの読み通り国王様は急いで戻ってきてくれました。
国王様がゼスタに言いました。
「ロベルト殿から知らせを受けたのだ。お前が好き放題暴れていると聞いたからな。」
ロベルトが国王様に言いました。
「国王様、無理を言ってしまい申し訳ありません。」
国王様がロベルトに言いました。
「ロベルト殿、そのような事を気にするな。知らせをくれた事を感謝する事はあっても咎めるような事は絶対にせぬ。」
そして国王様が言いました。
「まずは触れを出しておいた方が良さそうだな。ゼスタがこれまでに出したすべての命令を無効とする。そして衛兵達よ。直ちにゼスタとリアナの二人を捕らえるのだ。」
すぐにゼスタとリアナの二人は衛兵に取り押さえられて手錠がかけられたのだった。
国王様がロベルトに言いました。
「ロベルト殿!!溺れた人々の救助活動や混乱した海上交通網の回復など何から何まで本当に世話になった。国王としてお礼申し上げる。」
ロベルトが国王様に言いました。
「あいえ、それに関しては気になさらないでください。当然の事をしたまでです。ただ一つそれとは別に国王様にお願いしたい事がございます。」
国王様がロベルトに尋ねました。
「何なりと言うてみよ。」
するとロベルトはこう国王様に言ってくれました。
「このゼスタとリアナがルーテシアに婚約破棄を働いた事を厳しく問い質して頂きたいのです。」
私は慌ててロベルトに言いました。
「ロベルト??私は別に。」
ロベルトはこう私に言ってくれました。
「ルーテシア。俺は君が誰よりも大切だ。だから君を困らせた連中が何の処罰も受けないのは絶対に我慢できないんだ。」
私はこれを聞いて恥ずかしくなりました。
私の頬は赤くなっていると思います。
国王様がロベルトに言いました。
「ロベルト殿の言う事は最もだ。ルーテシア殿に無礼千万を働いたゼスタとリアナにはちゃんと問い質すとしよう。しかしロベルト殿??そちはルーテシア殿とは親しい間柄だったのか?」
ロベルトは国王様に言いました。
「はい、俺はルーテシアを愛しています。さきほどルーテシアに告白をしたところです。」
私はまた恥ずかしくなりました。
国王様がロベルトに言いました。
「そうだったのか、それはすまぬ事をした。それを知っておれば愚息との婚約など結ばせなかったのだが。」
ロベルトが国王様に言いました。
「俺の事は別に構いません。それよりもルーテシアに。」
国王様が私に言いました。
「そうだな。ルーテシア殿、此度は誠にすまなかった。わが愚息が婚約破棄などをしてしまい、本当に申し訳ない。」
国王様はそういうと私に深く頭を下げてくれました。
するとルーカスさんが私に言いました。
「ルーテシア様、何のお役にも立てずに申し訳ございません。」
私はルーカスさんに言いました。
「あっいえ、気になさらないでください。」
国王様はルーカスさんにこう尋ねました。
「ルーカス??なぜこのゼスタを止めなかったのだ。お前らしくもない。」
ルーカスさんが国王様に言いました。
「それは国王様がゼスタ様にこのスバルト王国の全権(ぜんけん)委任状(いにんじょう)を出されていたからです。」
国王様は何の事か分からないようでした。
「委任状??なんの事だ?そんなもの余は出しておらんぞ。」
ルーカスさんが国王様に言いました。
「ですが、ゼスタ様が国王様から出して頂いたと。」
すると国王様は納得した様子でこうルーカスさんに言いました。
「なるほど、ゼスタがみなにいう事を聞かせるために、偽の書状をこしらえたようだな。」
ルーカスさんが驚いて聞き返しました。
「なんと?それでは。」
国王様がルーカスさんに言われました。
「うむ、その委任状は真っ赤な偽物よ。」
24
あなたにおすすめの小説
言いたいことは、それだけかしら?
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【彼のもう一つの顔を知るのは、婚約者であるこの私だけ……】
ある日突然、幼馴染でもあり婚約者の彼が訪ねて来た。そして「すまない、婚約解消してもらえないか?」と告げてきた。理由を聞いて納得したものの、どうにも気持ちが収まらない。そこで、私はある行動に出ることにした。私だけが知っている、彼の本性を暴くため――
* 短編です。あっさり終わります
* 他サイトでも投稿中
幼馴染み同士で婚約した私達は、何があっても結婚すると思っていた。
喜楽直人
恋愛
領地が隣の田舎貴族同士で爵位も釣り合うからと親が決めた婚約者レオン。
学園を卒業したら幼馴染みでもある彼と結婚するのだとローラは素直に受け入れていた。
しかし、ふたりで王都の学園に通うようになったある日、『王都に居られるのは学生の間だけだ。その間だけでも、お互い自由に、世界を広げておくべきだと思う』と距離を置かれてしまう。
挙句、学園内のパーティの席で、彼の隣にはローラではない令嬢が立ち、エスコートをする始末。
パーティの度に次々とエスコートする令嬢を替え、浮名を流すようになっていく婚約者に、ローラはひとり胸を痛める。
そうしてついに恐れていた事態が起きた。
レオンは、いつも同じ令嬢を連れて歩くようになったのだ。
婚約破棄をされましたが私は元気です
にいるず
恋愛
私モリッシュ・ペートンは伯爵令嬢です。3日前に婚約者であるサミエル・コールマス公爵子息が、話があるとペートン伯爵邸にやってきました。そこで好きな人ができたから婚約破棄してほしいといわれました。相手は公爵家です。逆らえません。私は悲しくて3日間泣き通しでした。
ですが今、幼馴染のエドワルドとお茶をしています。エドワルドにはずいぶん心配をかけてしまいました。
あれ?さっきまですごく悲しかったのに、今は元気です。
実はこの婚約破棄には、隠された秘密がありました。
※サミエルのその後編始めました。よろしくお願いいたします。
聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。
佐藤 美奈
恋愛
聖女のクロエ公爵令嬢はガブリエル王太子殿下と婚約していた。しかしガブリエルはマリアという幼馴染に夢中になり、隠れて密会していた。
二人が人目を避けて会っている事をクロエに知られてしまい、ガブリエルは謝罪して「マリアとは距離を置く」と約束してくれる。
クロエはその言葉を信じていましたが、実は二人はこっそり関係を続けていました。
その事をガブリエルに厳しく抗議するとあり得ない反論をされる。
「クロエとは婚約破棄して聖女の地位を剥奪する!そして僕は愛するマリアと結婚して彼女を聖女にする!」
「ガブリエル考え直してください。私が聖女を辞めればこの国は大変なことになります!」
「僕を騙すつもりか?」
「どういう事でしょう?」
「クロエには聖女の魔力なんて最初から無い。マリアが言っていた。それにマリアのことを随分といじめて嫌がらせをしているようだな」
「心から誓ってそんなことはしておりません!」
「黙れ!偽聖女が!」
クロエは婚約破棄されて聖女の地位を剥奪されました。ところが二人に天罰が下る。デート中にガブリエルとマリアは事故死したと知らせを受けます。
信頼していた婚約者に裏切られ、涙を流し悲痛な思いで身体を震わせるクロエは、急に頭痛がして倒れてしまう。
――目覚めたら一年前に戻っていた――
とある侯爵令息の婚約と結婚
ふじよし
恋愛
ノーリッシュ侯爵の令息ダニエルはリグリー伯爵の令嬢アイリスと婚約していた。けれど彼は婚約から半年、アイリスの義妹カレンと婚約することに。社交界では格好の噂になっている。
今回のノーリッシュ侯爵とリグリー伯爵の縁を結ぶための結婚だった。政略としては婚約者が姉妹で入れ替わることに問題はないだろうけれど……
【完結】婚約相手は私を愛してくれてはいますが病弱の幼馴染を大事にするので、私も婚約者のことを改めて考えてみることにします
よどら文鳥
恋愛
私とバズドド様は政略結婚へ向けての婚約関係でありながら、恋愛結婚だとも思っています。それほどに愛し合っているのです。
このことは私たちが通う学園でも有名な話ではありますが、私に応援と同情をいただいてしまいます。この婚約を良く思ってはいないのでしょう。
ですが、バズドド様の幼馴染が遠くの地から王都へ帰ってきてからというもの、私たちの恋仲関係も変化してきました。
ある日、馬車内での出来事をきっかけに、私は本当にバズドド様のことを愛しているのか真剣に考えることになります。
その結果、私の考え方が大きく変わることになりました。
地味だからいらないと婚約者を捨てた友人。だけど私と付き合いだしてから素敵な男性になると今更返せと言ってきました。ええ、返すつもりはありません
亜綺羅もも
恋愛
エリーゼ・ルンフォルムにはカリーナ・エドレインという友人がいた。
そしてカリーナには、エリック・カーマインという婚約者がいた。
カリーナはエリックが地味で根暗なのが気に入らないらしく、愚痴をこぼす毎日。
そんなある日のこと、カリーナはセシル・ボルボックスという男性を連れて来て、エリックとの婚約を解消してしまう。
落ち込むエリックであったが、エリーゼの優しさに包まれ、そして彼女に好意を抱き素敵な男性に変身していく。
カリーナは変わったエリックを見て、よりを戻してあげるなどと言い出したのだが、エリックの答えはノーだった。
【完結】新たな恋愛をしたいそうで、婚約状態の幼馴染と組んだパーティーをクビの上、婚約破棄されました
よどら文鳥
恋愛
「ソフィアの魔法なんてもういらないわよ。離脱していただけないかしら?」
幼馴染で婚約者でもあるダルムと冒険者パーティーを組んでいたところにミーンとマインが加入した。
だが、彼女たちは私の魔法は不要だとクビにさせようとしてきた。
ダルムに助けを求めたが……。
「俺もいつかお前を解雇しようと思っていた」
どうやら彼は、両親同士で決めていた婚約よりも、同じパーティーのミーンとマインに夢中らしい。
更に、私の回復魔法はなくとも、ミーンの回復魔法があれば問題ないという。
だが、ミーンの魔法が使えるようになったのは、私が毎回魔力をミーンに与えているからである。
それが定番化したのでミーンも自分自身で発動できるようになったと思い込んでいるようだ。
ダルムとマインは魔法が使えないのでこのことを理解していない。
一方的にクビにされた上、婚約も勝手に破棄されたので、このパーティーがどうなろうと知りません。
一方、私は婚約者がいなくなったことで、新たな恋をしようかと思っていた。
──冒険者として活動しながら素敵な王子様を探したい。
だが、王子様を探そうとギルドへ行くと、地位的な王子様で尚且つ国の中では伝説の冒険者でもあるライムハルト第3王子殿下からのスカウトがあったのだ。
私は故郷を離れ、王都へと向かう。
そして、ここで人生が大きく変わる。
※当作品では、数字表記は漢数字ではなく半角入力(1234567890)で書いてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる