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【34 2月2日 いなり寿司】
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・【34 2月2日 いなり寿司】
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今日は2月最初の午の日で、初午ということもあり、カフェのフェアとしてお稲荷様に合わせて、いなり寿司をたくさん作っている。
思ったよりも油揚げをたくさん用意してしまって、量がすごいことになっている。いなり寿司の平衡感覚無かった。いやいなり寿司の平衡感覚って何? 自分で思っててアレだな。
テイは徐々にいなり寿司を詰めていく作業に慣れていき、仕事のペースも上がっている。
これならカフェの開店には間に合いそうだけども、何かめちゃくちゃ集中して、ずっと黙っている。
まあたまにはこういうのもいいかと思っていると、クラがキッチンに駆け寄って来て、何だろうと思っていると、
「ちょっと味見!」
と言って作り終えた基本的ないなり寿司を一個、口の中に放り込んだ。
私は微笑みながら、
「美味しいでしょ」
と言うと、クラは嬉しそうな表情で、
「うん! 美味しい! もう一個!」
と言ってすぐにいなり寿司を食べた。
そんな、咀嚼間に合ってるかな、と心配になったけども、どうやら大丈夫そうで良かった。
「美味しい美味しい!」
そう言ってまた一個食べた時に私はちょっと『えっ?』となって、
「そんな食べちゃダメだよ! さすがにまだあるけども!」
「まだあるからいいじゃん! もう一個!」
と言ってまた食べたので、ちょ、ちょちょっと慌てながら、
「そんないなり寿司好きだったっけ? クラって!」
と言うと、一瞬何か上の空みたいにポーっと宙を見上げてから、急にハッとして、
「そうそう! 僕クラ! 僕クラだからいなり寿司好きだよ!」
何か変な感じだなぁ、と思いつつも、今は詰める作業をやらなきゃいけないので、私はまあいいかと思っていると、
「こっちも美味しそう!」
と言ってサッと手を伸ばして、五目いなりを口に入れた。
まあ食べるならいろんな味か、と思ったんだけども、何かまたすごい速度で五目いなりを食べ始めたので、
「ちょっとぉ! いくらたくさんあるからってさすがにどうかと思うよ!」
と強めに言うと、クラはてへへっと笑いながらも、また別の、今度はいなり蕎麦を口に投げ入れた。
「いやまあいろいろ食べたいのは分かるから! 一種類ずつにしなさい!」
と叱るように言ったんだけども、今日のクラは何か聞き分けが悪くて、またいなり蕎麦を食べた。
勿論まだまだ相当あるし、カフェでフェアをやっても普通に余りそうではあるんだけども、そんなに食べるのはさすがにクラの健康面が気になってきたので、
「いい加減やめなさい、いなり寿司ばっかり食べたらバランスが悪いでしょ?」
と諫めるように言うと、クラはう~んと唸ってから、
「でも五目もひじき入っていて磯の香りが美味しいし、いなり蕎麦には青ネギも入って爽やかな辛さもあるから健康に良いよ」
「あんまり甘じょっぱい油揚げばっかり食べちゃダメなの!」
「そんなぁ」
と大きく口を開いたところで、今度はいなりそうめんを一気に五個くらい口に入れたので、私は「わっ!」と声を出してしまってから、
「ちょっとぉ! いい加減!」
と言ったところでクラが逃げるように居間のほうへ走っていった。
ま、まあこれでやめるならギリギリ、まあギリギリアウト、いや本アウトだけどね、と思って、また作業し始めた。
するとまたクラがやって来て、
「味見させて! 何か疲れちゃったよ!」
と言ってきたので、私は、
「それは食べ疲れ! さっきも味見したでしょ!」
とキツめに言うと、クラは小首を傾げながら、
「僕何も食べてないよ」
「そんなわけないでしょ! いなり寿司各種めちゃくちゃ食べていたよ!」
「そんなぁ、僕はずっとこたつの上で座禅していたよぉ~」
「こたつの上で座禅って……何か魔法使っていたの?」
「何か急に口寄せがしたくなってぇ……たまにあるんだ、向こう側から口寄せを使わせられる時が……でもそれは勿論神様クラスの時だよ、その辺の味噌屋さんとかに口寄せさせられることはないから安心して!」
そうサムズアップしたクラ。
いやいや、じゃあ、
「誰に口寄せ使わされたの、神様クラスって……もしかするとお稲荷様?」
「お稲荷様って、もしかするとキツネ? キツネの気配はちょっとしたんだけども」
「お稲荷様だ! そうキツネの神様!」
そう言うと何だかクラはホッと胸をなで下ろすような顔をした。
いやまあ神様クラスと知って安心したんだろうなぁ。
でもそうか、お稲荷様が勝手に現世に降臨して、いなり寿司を食べて行ったのか……まあそれは光栄と言えばそうだけども。
クラは頭を下げながら、
「ゴメンね、寧。どうやら僕、向こうの世界で口寄せができる能力者として有名になってるかもしれない。今後もこういうことが起きるかも。でもきっと陰と陽なら陽の神様ばかりだと思おうから安心して! だって僕が今は陽の魔力しか持ってないから!」
「まあ陽の神様しか来ないんだったら別にいいけども。というかクラ、大変だったね。いなり寿司食べて体力回復して。他に何か作ろうか?」
「ありがとう! 寧! いなり寿司があれば十分だよ!」
そう言って私に抱きついてきたクラ。
まあお稲荷様はいなり寿司を食べに来ただけなら本当にそれでいいんだけども、と言うのが少し嫌になるくらい、今日は忙し過ぎた。
常連さんは全員顔を出し、初見さんもどんどんいなり寿司を買っていき。
いやまあ作った分、全部ハケたことは良いことだけどもね。
なんというか、さすがだね、お稲荷様。
商売繁盛をもたらす神様だけある。
・【34 2月2日 いなり寿司】
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今日は2月最初の午の日で、初午ということもあり、カフェのフェアとしてお稲荷様に合わせて、いなり寿司をたくさん作っている。
思ったよりも油揚げをたくさん用意してしまって、量がすごいことになっている。いなり寿司の平衡感覚無かった。いやいなり寿司の平衡感覚って何? 自分で思っててアレだな。
テイは徐々にいなり寿司を詰めていく作業に慣れていき、仕事のペースも上がっている。
これならカフェの開店には間に合いそうだけども、何かめちゃくちゃ集中して、ずっと黙っている。
まあたまにはこういうのもいいかと思っていると、クラがキッチンに駆け寄って来て、何だろうと思っていると、
「ちょっと味見!」
と言って作り終えた基本的ないなり寿司を一個、口の中に放り込んだ。
私は微笑みながら、
「美味しいでしょ」
と言うと、クラは嬉しそうな表情で、
「うん! 美味しい! もう一個!」
と言ってすぐにいなり寿司を食べた。
そんな、咀嚼間に合ってるかな、と心配になったけども、どうやら大丈夫そうで良かった。
「美味しい美味しい!」
そう言ってまた一個食べた時に私はちょっと『えっ?』となって、
「そんな食べちゃダメだよ! さすがにまだあるけども!」
「まだあるからいいじゃん! もう一個!」
と言ってまた食べたので、ちょ、ちょちょっと慌てながら、
「そんないなり寿司好きだったっけ? クラって!」
と言うと、一瞬何か上の空みたいにポーっと宙を見上げてから、急にハッとして、
「そうそう! 僕クラ! 僕クラだからいなり寿司好きだよ!」
何か変な感じだなぁ、と思いつつも、今は詰める作業をやらなきゃいけないので、私はまあいいかと思っていると、
「こっちも美味しそう!」
と言ってサッと手を伸ばして、五目いなりを口に入れた。
まあ食べるならいろんな味か、と思ったんだけども、何かまたすごい速度で五目いなりを食べ始めたので、
「ちょっとぉ! いくらたくさんあるからってさすがにどうかと思うよ!」
と強めに言うと、クラはてへへっと笑いながらも、また別の、今度はいなり蕎麦を口に投げ入れた。
「いやまあいろいろ食べたいのは分かるから! 一種類ずつにしなさい!」
と叱るように言ったんだけども、今日のクラは何か聞き分けが悪くて、またいなり蕎麦を食べた。
勿論まだまだ相当あるし、カフェでフェアをやっても普通に余りそうではあるんだけども、そんなに食べるのはさすがにクラの健康面が気になってきたので、
「いい加減やめなさい、いなり寿司ばっかり食べたらバランスが悪いでしょ?」
と諫めるように言うと、クラはう~んと唸ってから、
「でも五目もひじき入っていて磯の香りが美味しいし、いなり蕎麦には青ネギも入って爽やかな辛さもあるから健康に良いよ」
「あんまり甘じょっぱい油揚げばっかり食べちゃダメなの!」
「そんなぁ」
と大きく口を開いたところで、今度はいなりそうめんを一気に五個くらい口に入れたので、私は「わっ!」と声を出してしまってから、
「ちょっとぉ! いい加減!」
と言ったところでクラが逃げるように居間のほうへ走っていった。
ま、まあこれでやめるならギリギリ、まあギリギリアウト、いや本アウトだけどね、と思って、また作業し始めた。
するとまたクラがやって来て、
「味見させて! 何か疲れちゃったよ!」
と言ってきたので、私は、
「それは食べ疲れ! さっきも味見したでしょ!」
とキツめに言うと、クラは小首を傾げながら、
「僕何も食べてないよ」
「そんなわけないでしょ! いなり寿司各種めちゃくちゃ食べていたよ!」
「そんなぁ、僕はずっとこたつの上で座禅していたよぉ~」
「こたつの上で座禅って……何か魔法使っていたの?」
「何か急に口寄せがしたくなってぇ……たまにあるんだ、向こう側から口寄せを使わせられる時が……でもそれは勿論神様クラスの時だよ、その辺の味噌屋さんとかに口寄せさせられることはないから安心して!」
そうサムズアップしたクラ。
いやいや、じゃあ、
「誰に口寄せ使わされたの、神様クラスって……もしかするとお稲荷様?」
「お稲荷様って、もしかするとキツネ? キツネの気配はちょっとしたんだけども」
「お稲荷様だ! そうキツネの神様!」
そう言うと何だかクラはホッと胸をなで下ろすような顔をした。
いやまあ神様クラスと知って安心したんだろうなぁ。
でもそうか、お稲荷様が勝手に現世に降臨して、いなり寿司を食べて行ったのか……まあそれは光栄と言えばそうだけども。
クラは頭を下げながら、
「ゴメンね、寧。どうやら僕、向こうの世界で口寄せができる能力者として有名になってるかもしれない。今後もこういうことが起きるかも。でもきっと陰と陽なら陽の神様ばかりだと思おうから安心して! だって僕が今は陽の魔力しか持ってないから!」
「まあ陽の神様しか来ないんだったら別にいいけども。というかクラ、大変だったね。いなり寿司食べて体力回復して。他に何か作ろうか?」
「ありがとう! 寧! いなり寿司があれば十分だよ!」
そう言って私に抱きついてきたクラ。
まあお稲荷様はいなり寿司を食べに来ただけなら本当にそれでいいんだけども、と言うのが少し嫌になるくらい、今日は忙し過ぎた。
常連さんは全員顔を出し、初見さんもどんどんいなり寿司を買っていき。
いやまあ作った分、全部ハケたことは良いことだけどもね。
なんというか、さすがだね、お稲荷様。
商売繁盛をもたらす神様だけある。
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