隣の美少女は隠れ厨二病

入学と出会い

日常とあの子の本性

　入学式が終わり、学校での授業が始まる。そして今、俺はこの教室で初めての授業を受けている。
　
　そしてオレはあることに気づく。ん？あれ、何か足りないような、、、。

「あっ教科書だ！」

「どうした星野。気が狂ったか？」

「いえ、textbookの意味がわからず、考えていて思い出したので思わず。」

「まあいい。高校生にもなってそんな単語もわからんのかと言いたくなるところだが、次からは気をつけるように」

「はい、はい、わかりました。」

「はいは一回！」

「はい、承知いたしました！」

　コントのような掛け合いに教室全体から笑いが起きる。

「星野君は面白い人ですね。」

　嬉しいような悲しいような。しあし、嬉しい気持ちが勝る。

「あの、七沢さん、教科書見せてくれない？」

「ああ何かおかしいと思いました。もちろんいいですよ。」

　ああオレはやはり中学校からのバカキャラから脱却できないのかと感じながらも、七沢さんと距離を縮められたことは嬉しい。

　あと入学式の時に話せていなかった、周りの人とも仲良くなっておきたい。この一番端の席は雑談をするのにうってつけだ。

「あのみんな、入学式の時に出来なかった自己紹介をやらない？」

「いいね、じゃあまずわたしから。わたしは神崎花乃。好きなことはアニメのグッズを買い漁ること。よろしくお願いします。」

　クラスでも人気になりそうな容姿と会話力だな。

「じゃあ次にオレが。俺は原相馬。趣味は読書をすることだ。よろしく。」
　
　物静かなイケメンって感じか。

　その後オレと七沢さんが自己紹介を行う。
　
「この四人で仲良くしていきたいけどいいかな。」

 「もちろんです。」

　七沢さんが言う。
　
　こんな話をしながらこの学校初めての授業を終える。すると、茜が近づいてきた。

「良かったね、周りの人と仲良くなれてて。」

「俺のこと見てたのかよ、まったく。それよりお前の方はどうなんだ？」


「もーすぐ話題変えちゃって～。まあ私の方はぼちぼちって感じかな？」

「それは良かったな。」

　若干めんどくさく感じつつも、何気ない会話をして、席へ戻る。

　そんなこんなで全ての授業を受け終え、1日が終わろうとしていた。まあ授業1日目としては、周りの人とも関係をつくれて、いいスタートかな。

　こんなふうに思いつつ、オレはある事実に気づく。そう、オレは今週教室の掃除当番だったのだ。

　仕方なく教室に戻ると、あの頼りない先生と共に掃除しているクラスメイトがいた。そしてオレも掃除を開始すると、ある男子から話しかけられる。

「ちょっとあの子を呼んできてくれない？ほら君の隣の。掃除に来てないんだよ君、あの子と仲いいでしょ。」
　
　掃除をサボれるので普通に嬉しかったが、あえてめんどくさそうな返事をする。

「仕方ない、まあ探してくる。」

「ありがとう。」

　そしてオレが七沢さんを探すと言う名目でうろついていると、何にも使われていない古びた教室の中で彼女の姿を認める。

「何してるんだあれ？」

そして俺がしばらくのぞいていると、中から声が。


「光を拒みし者、深淵の監視者とは我がことだ。」　

　ん？

「闇の炎に抱かれて消えろ…！」

　俺は見てはいけないものを見てしまったようだ。まさかあのかわいい七沢さんが厨二病だったなんて。