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80.解呪のあと Side トビアス ※

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 Side トビアス

 浴室に入って服を脱ぎながらミリが話す。

「トビアスは解呪のあと、何したい?」
「考えてない」
「でも、ダンスはするんでしょ?」
「する」
「上手なんだよね? 見てみたい」
「踊る?」
「え、いいの? 嬉しい。滑らないように布敷くね」

 嬉しそうに笑って拍手をする。観客のつもりらしいけど俺は一人で踊らない。ミリの手を引いて向かい合わせに立たせた。

「私も? うーん、右足からだっけ?」
「そう」

 自分で手拍子しながら、足を動かすとミリも真似してたどたどしく動き始めた。鳥のヒナがよたよた歩くみたいで可笑しい。
 思わず笑ったらミリはムスッとして、そのあとで自分でも笑い出した。
 腕を組んでくるくる回るときは跳ねて歩いて楽しそう。ミリが足を間違えるたびに躱して捻りを入れるのも、良い練習になって面白い。

 久しぶりに踊ったら気分が晴れた。自分でもこんなに踊りたかったなんて知らなかった。
 汗だって気にしなかったら、これくらいの動きで大してかかないし、かいたとしてもミリをヌルつかせるのに丁度良いくらいだ。

 何回目かに腕を組まないで片手を握って上に上げ、腕の中を回るように体を回転して見せると、嬉しそうに自分も回転してよろけた。
 慌てて支えたら腕に重みがかかる。体の重みが肉感的で急に下腹が疼いた。

「ごめん、ありがとう」
「うん。休憩する」

 少し息切れをしてるミリを抱きしめて床に座った。
 解呪したらミリとまた踊ろう。よろよろ踊るのが面白い。

 ミリを抱きしめたまま座ってるとジワっと汗をかいてきた。
 ミリの下着を脱がせ、自分の下ばきも脱いで抱きしめて体を擦りつける。ミリの体をヌルつかせていく、この動作にいつも興奮する。
 ヌメヌメした体のあちこちを手で撫でて感触を楽しんだ。

 解呪は嬉しいけど元に戻ったら、こうやってミリの全身をヌルヌルにできない。潤滑液をかければいいけど金かかるし、ミリが嫌がるかもしれない。今は俺の体液でどうにもできないからそのままにしてるだけかも。
 石鹸なら金もあんまりかからないけど、先っぽに入ると痛いし。

 本当は潤滑液じゃなくて俺の体液が良い。でも、そんな大量に精子でないし、マルクに気持ち悪いとか言われた。
 俺は持ち物じゃなくて、ミリの体にかけるから気持ち悪くないはずだ。体の中に出してるんだから、外に出して体にかけても変わらないはず。

 ヌラヌラして動く尻が良いし、ヌルヌルする胸を揉むのも良い。潤滑液を胸と尻だけにかけるなら、そんな金かかんないか? でも、全身ヌルついてんのが良いんだけどな。

「ヌルつくのどう思う?」
「え? するときにヌルヌルするの? 気持ち良いよ。どうしたの?」
「解呪したら」
「ヌルヌルしなくても気持ち良いし大丈夫だよ?」
「いや、解呪のあとも、……ヌルついていい?」
「うん? ヌルヌルにしてするのが好きなの? いいよ。でも潤滑液って安くないでしょ?」
「……うん」

 ミリが俺の首に腕をまわして黒い目で覗き込む。潤むと艶が出て夜の水みたいだ。中になんか潜んでそう。覗き込んだら双頭ブラックスネークが涎垂らして跳びかかってきそう。あいつ幻覚毒持ってるから厄介なんだよな。
 なのに、なんでミリは美味しそうなんだろ。手を伸ばして触りたくなる。

「ヌルヌルするのが好きなの?」
「……うん」
「ふふっ。煮込むとお湯がドロッとする海藻があるでしょ? それはどうかな? 安く済みそうじゃない?」
「なんて海藻?」
「名前は分からないから、先生にあとで聞いてみようね」
「うん」

 ミリはヌルついて良いらしい。教えてくれるってことは乗り気ってことか。堪んない。自分で作ったら中に精子混ぜてもいいな。俺の体液が混じった潤滑液で全身ヌルヌルにできる。……興奮してきた。

 ミリの口に舌を入れて掻き回す。
 歯茎は濡れてツルツルしてるし、頬の肉は柔らかい。俺に湿った舌が絡みついてくるのが堪らない。俺の涎まみれの舌と絡め合わせて、ピチャピチャ混ざる音がすると勃起してパンパンに膨らむ。

 もう凄く、ミリの中に出したい。ミリの穴、全部に出したい。
 ミリを抱きしめて体を絡ませると、ヌルヌルと擦れる感触に体が熱くなった。頭を撫でて髪も体液まみれにする。
 体中を俺の体液に犯されてるミリは堪らなくそそる。
 胸を口に咥えて涎まみれにして、乳首にも塗り込むように揉んだらミリが腰を振ってよがった。

 ミリから溢れた体液が下に座ってる俺にかかる。
 ミリも俺に擦り付けてるんだと思うと堪んなくて、ミリの腰を持ち上げて突っ込んだ。グジュッと濡れた音がして奥まで簡単に届く。

 俺のこと待ってたんだ。ミリも中に出してほしいんだ。だって、こんなに吸い付くし、ヌルついた体を揺らして喘いでる。
 ああ、本当にやらしくて堪んない。滅茶苦茶に掻き回したい。ヌラヌラと揺れる胸が俺の頭を痺れさせて、もう中に出すことしか考えられない。

「……はっ、……ミリ、……ふっぅ、あぁ…………っぅ」

 射精した。ブルブル震えて全部吐き出す。もっと、もっと出したい。ミリ、ああ、まだ、ミリ、もっとぐちゃぐちゃにしたい。
 ミリを四つん這いにして腰を振る。ひたすら打ち込んだ。鳥肌が立ってゾクゾクが止まらない。ミリの柔い肉が俺を包んで絡まる。

 ミリがヌラヌラした尻を俺に突き出して声を上げてる。尻の穴がピクピク動いてる。
 俺にペニスが二本あればいいのに。そうしたらいつも、両方の穴を掻き回して味わえる。ダニエルが突っ込んで悶えてた穴。俺も味わいたい。目の前でピクピクしてんのに。

 ミリの中がグニュグニュと締め付けてきた。はっ、堪んない。俺に掻き回されてミリも感じてる。締め付けられ、絞られて射精する。ミリの声が上がり、俺も声を上げた。
 興奮で目がチカチカして、しばらく動けなかった。

 力が抜けたミリの尻を撫で尻の穴に体液をなすりつけて揉む。尻が揺れてミリが小さく喘ぐ。
 少し柔らかくなった尻の穴に指を差し込むとクニュと飲み込まれた。体液を穴にすりこむようにゆっくりと指で撫でていく。
 指を中に引き込むように尻の中が動く。興奮で体の中がブルリと震えて、ミリに入ったままのペニスの硬さが増した。はっ、あ、入れたい。でも、まだ柔くしないと。

 指をもう一本増やしてゆっくり動かす。じりじりとした焦燥を、ペニスを動かして耐えた。指を動かすとミリの腹の中も尻の中も俺を飲み込むように吸い付く。
 もう、我慢できない。

「ミリ、入れる、から」
「ゆっくり、して」

 ミリが息を切らして答える声に煽られる。
 これでゆっくりとか、気持ち良い拷問だ。
 ゆっくり入れる。少しずつ入れれば、尻の中が招き入れるように俺を飲み込んでいく。襞に絡まれながら根元まで差し込むとため息が出た。やっと入れた。やっとこの中にも出せる。
 もっと体を絡ませたくて体勢を変えた。横向きに寝かせて体を丸めたミリの片足を抱え上げ、俺の足を割り込ませた。ずれないようにミリの肩を抑えて腰をゆっくり振る。

 やっと入れれた興奮が酷くて頭が熱い。奥がジュブジュブと先っぽに吸い付いて堪らない。ダニエルが呻いてたのはこれだと分かった。
 俺に尻の穴を掻き回されてミリが呻く。なんて、やらしいんだ。こんなことされてるのに感じて、もっと俺を欲しがってる。ほら、吸い付いて俺の射精を待ってる。
 俺も、もうもたない。だって、こんなに気持ち良い。ああ、もう。

「ミリ、も、もう、出る」
「トビアス、うん……あぁ」

 ミリ、出る、ミリ、尻の中も俺の体液まみれだ、ミリ。
 グリグリと押し付けて射精した。痺れが腰から背骨を通って頭に抜けて、たまらず長い声が出た。

 頭が白くなってぼんやりしてたら、ミリの体が動いて気が付く。
 俺が体をどけたらミリはぐったりと床に突っ伏した。

「大丈夫?」
「うん、ちょっと休憩」

 動かないミリの髪と体を洗い流して湯船に入れると、ミリが力の抜けた顔で笑いお礼を言った。なんか可愛いな。こんな顔もする。
 自分の体は水で洗った。

 いつも通り先にあがる。
 付いてきてたマルクが入れ替わりに浴室に入ってミリと話してる。
 自分の番でもないのについてきてミリと話すとか図々しい。話がやけに長いから覗くと、ミリの頭を抱きしめて口付けてたから引き剥がした。面の皮が厚すぎる。

 ミリに挨拶して帰る。マルクはケロッとした顔で話しかけてきた。俺が苛ついて話したくないのを分かっててやるから質が悪い。

「トビアスはさー、解呪されたらどうする? ミリに求婚したままだけど、そのまま?」
「そのまま」
「なんだ。トビアスはイーヴォよりは女の子と縁あるんだから、他に行けば?」
「なんで」
「競争相手は少ない方がいいし」

 勝手なことばっかり言う奴だな。前からだけど。お前のほうが邪魔なんだよ。

「お前が他いけ」
「なんで僕が諦めるのさ。ミリは僕の前で照れるくらい僕のこと気に入ってるのに」
「照れる?」
「トビアスは知らないの? ふふふ、僕の勝ちかも。僕しか知らないミリかー。教えないけど可愛いんだよ」

 なんだそれ。気に入られてるとか思い込みだろ。それに照れるって、何を照れることがある?
 あ、ダニエルと3人でしたとき、ダニエルに変な恰好させるって照れてたな。こいつ、人のやること気持ち悪いとか言っといて自分はどんなことしてんだよ。ろくでもないな。

「解呪が終わったら、あらためて求婚しようっと」
「……俺も」
「真似しないでよ。そういえば、解呪のあとでミリを売るか先生に聞いたら、売らないって言われた。イーヴォも売らないってさ」
「……なんで」
「イーヴォは惚れてるって言ってたけど、先生は何も言わないんだよねー。先生もミリのコト好きだったりして」

 好きなのに娼婦させるとか、マルクぐらい頭おかしい。いや、マルクは頭じゃなくて性格が悪いのか。……どっちもだな。

「それよりさ、僕ら解呪されたらもうミリを抱けないって」
「えっ!?」
「呪い付きじゃなくなれば他の娼婦と寝れるんだから他に行けだって。他のみんなは主だからさー。僕達だけ除け者だよ」
「……嫌だ」
「うん、だから求婚を受けてもらわないと」

 ああ、嫌だ。もう抱けないなんて嫌だ。胸が痛くて苦しい。吐きそう。
 ミリは? ミリはどう思ってる?
 今日、解呪のあとの話をした。ミリは俺と寝てくれるつもりだった。ミリはまだ知らないんだ。ミリに頼まないと。


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