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第一章 巫女ってなんなんですか
49.なんとなく羨ましい Side ラルフ ※
しおりを挟むSide ラルフ
サヤカも怪我しなかったし、ちょっと魔法を使うだけで済んで助かった。
獣化したゲルトに噛み付いたのは驚いた。あのデカい口に手を突っ込んで舌を嬲るなんて、とんでもねぇことするから笑いが込み上げた。しかしよくまあ、男のケツ穴に指を突っ込むもんだな。でもゲルトが体をくねらせて悶えてんの見たら、ちょっと好奇心がわいた。すげぇ良さそうだから。
同族同士なら獣化して寝ることはたまにあるけど、他種族とはほとんどない。獣化して寝ると簡単に理性が吹っ飛ぶから、同じくらいの身体能力がないと危ねぇ。オレは獣化しても吹っ飛んだことはねぇから、普通に寝るのが飽きた物好きに誘われて楽しんだこともある。けど、いつもとたいして変わんなかった。
でも今日はなんか良かった。獣化したヤツと絡んでる女って横から見るとかなりエロい。でも最後が一番イイな。終わったあとでゲルトに巻き付かれた体をゆっくり摺り寄せ合って口付けるの。甘くて優しい気怠さがそそった。なんだろうな、興奮してたのもイイけど、そうじゃねぇほうがそそるって。なんかこう、余計なものがねぇ愛しさだけってのがイイ。羨ましいのかも。オレってそういうのねぇから。
割り切った付き合いばっかだし、相手もオレもそんな気分になんねぇし。駆け出しのころは惚れたのなんだのやったけど、すっかりなくなったな。面倒になったってのもある。
この一年はサヤカしか抱けねぇって決まってるけど、決まってたら別にそれはそれでかまわねぇけど。うーん、どうでもいいんだ、とりあえず発散できればそれでいい。だから愛し合ってるみてぇなのがうらやましいのかも。
ゲルトがウトウトし始めたのを見て、サヤカを引っ張り出した。
「大丈夫なのに」
「次はオレの番だろ」
「またしたくなったの?」
「なった」
「手を洗ってくる」
そういや、ゲルトの穴をいじくったんだったな。
サヤカが神官に礼を言い、神官が部屋から出て行った。
疼く腰のままサヤカが戻るのをジリジリ待つ。戻って来たサヤカの顎を指ですくって見つめてみても、オレに向けられるものは何もなくて、少し寂しくなった。口を合わせて舌を入れれば応えてくれるけど、それだけ。無性に熱を帯びさせたくなり、抱きしめて耳を舐めながら話をする。
「ゲルトは良かったか?」
「良かったよ。見張り番ありがとう」
「ヘビ族に巻き付かれてるのイイな。そそる」
「うん、巻き付かれるのなかなか良かった」
「獣化して抱かれるの平気か?」
「うん」
「今度でいいから、オレも獣化していい? 吹っ飛んだことねぇからさ」
「いいよ、今日でも」
「平気か?」
「うん」
オレたちみたいなのがいない世界からきたのに平気なんだな。サヤカらしい気がしてちょっと笑った。
獣化の許しをもらって体が騒ぐ。首を舐めると喉をそらせて息を吐いた。腕を持ち上げて脇に舌を這わせると汗とサヤカの味がして興奮する。いつも恥ずかしそうに顔を逸らすのに、それでも感じてるから可愛い。
乳輪から膨らんだ丸い乳首を指で転がすと腰が揺れ、匂いが立ち昇った。サヤカとゲルトの精液の匂い。こういうのって刺激される。オレの匂いをつけたくて好戦的な気持ちになる。人族はオオカミ族より柔くてすぐ傷がつく。冒険者じゃねぇサヤカは全部が柔くて優しくしなきゃいけねぇのに、おっぱいを牙で甘噛みするのはゾクゾクする。柔くて傷つきやすいものが、俺の口に咥えられてるってのがたまんねぇ。
サヤカの手が乳首をしゃぶるオレの頭を撫で回す。やわやわと耳の付け根を揉まれると、首の後ろから尻尾までジンジンしてため息がでた。ここもオオカミ族の弱い部分。お互いに弱い部分を触り合ってるってイイよな。
片手で乳首を押し潰しながらクニクニ転がして、もう片方は舌で弾く。勃起した先っぽでクリトリスをヌルヌル擦り上げた。イかせたい。他の男の匂いがついてるサヤカをイかせてオレのものにしたい。サヤカの声が大きくなってオレを煽る。
叫んで硬直する体を抱きしめた。
体が緩むのを待って顔を舐めるとまぶたを開く。俺を見上げる目は潤んでた。やっと熱を持った目を見て嬉しくなる。
「獣化するから四つん這いになって」
そう言って獣化した。サヤカは驚いてから少し笑った。自分の鼻面を舐めるオレを見て笑い、四つん這いになってケツを向け匂いを振り撒いた。
もう我慢できない。獣化したデカい体でのしかかって突っ込んだ。グジュグジュ音を立ててる中をもっと掻き回す。熱い肉がオレにまとわりついて蠢いた。首に噛み付きたい衝動が湧き上がってくる。ダメだ、こっちに意識を。早々に吐き出しそうになる。腰が止まらない。もうオレの匂いだ。もっともっとつける。体も頭も熱くて舌が口からぶら下がる。
興奮のまま突きまくるオレのよだれがサヤカの背中を汚して、それも妙に興奮した。サヤカの高い声が聞こえて背中の毛が逆立つ。獣化したヘビ族とヤったあとでオオカミ族に突っ込まれて声上げてんだぜ。やらしくて興奮する。オレに無茶苦茶突っ込まれてんのに吸い付いてきてる。こんなに汚されてんのに、よがって締め付けてる。たまんねぇ。もうイキそう。そんな締めたらイク。サヤカの後頭部を甘噛みで咥え、逃さないように押さえつけた。
「ウウウゥ、グゥーーーーーッゥ」
「ああっぁ、あアアっあぁーーーーー」
ペニスの根元の膨らみで蓋して獣化時の長い射精をする。サヤカの中がヒクついて、オレが出したもの全部飲み込んでるように思えた。
射精が終わると血がのぼって熱くなってた頭が少し冷め、サヤカの荒い呼吸音が聞こえてきた。
ペニスを抜くと精子も一緒に溢れ出る。獣化すると出過ぎるんだよ。体を横たえて獣化をといた。サヤカも横たわって呼吸をしてる。うつ伏せてオレを見ないサヤカを抱き寄せた。さっきのゲルトとのやり取りが頭に残ってて、オレもしたくなったから。口をつけて唇を舐める。少し開いた隙間から差し入れた舌でゆっくり動かして絡めた。
口を離して見つめたら、微笑んだけど遠かった。オレは違うんだなと思うと胸が少し痛む。
甘えてみたくなって頬ずりをした。何回かすると背中を撫でてくれる。
甘えたら甘やかしてくれるのか。嬉しくなったのに顔は見れなかった。ゲルトのときとは違うだろうから。なんとなく羨ましいだけだ。
「体洗ってくるね」
「オレも」
あっさり離れて歩くサヤカの後ろについていく。今までだって他の女だってこんな感じだから、別に気にすることないのになんでモヤつくんだ? さっきのゲルトが羨ましいのはホントだけど。
冷めたお湯をあっためて体を流し、ベッドに戻った。
いつの間にか獣化がとけて眠ってるゲルトを撫でてる。空っぽな自分の隣がガラにもなく寂しくてサヤカを呼んだ。
「こっちにこいよ」
ゲルトをまたいでこっちにきたサヤカを抱きしめる。こりゃあホントにガラにもねぇな。
「どうしたの?」
「たまにはいいだろ」
「いいけど」
「ゲルトのこと気に入った?」
「うん」
「誰が一番気に入ってんだ?」
「みんな」
オレじゃないのはわかってるけどさ、その他大勢かよ。ちょっとおもしろくなくて耳たぶを指で撫でた。
「平等だってか。良い子ちゃんだな」
「全員に気があるのは良い子って言わないんじゃない?」
「クッ、そうか。土妖精族と一緒だな」
「そうなの?」
「女が強くて少ないから女一人に男がいっぱいくっついてる。そこの土地いったら見れるぞ」
「へー。オオカミ族は?」
「一対一で一途な奴が多いけど、オレはなんか違うんだよな。あんま想い込めないっつーか。どうでもいいけど」
「ふーん。じゃあ、精霊産みのお役目はラルフにピッタリだね。誰と寝ても気にしないから」
「そうだな」
オレも他人のこと言えないか。そうだな。
「でも、一年はサヤカとしか寝れないんだぜ。仲良くしてくれよ」
「そうだったね」
「そうなんだよ」
目をつぶったままのサヤカが口を閉じた。オレの腕の中で眠るけど、それ以上の意味はない。
ごそごそ動く気配で目が覚めた。オレの腕の中から出たサヤカがジッとしている。そこからフワリフワリ産まれる精霊をゲルトが体を起こして見ていた。赤い光、強かったり弱かったり、赤の洪水だ。こんな量は初めて見て驚く。緑の光もあるけど、赤にのまれてあまり見えない。赤と緑が渦巻くように混じった光もあった。
属性が混じる精霊も産まれるんだな。
ゲルトは口を半開きにして天窓を眺めてた。
「……驚いた。こんなに、たくさん」
「こんなに産まれたの初めてか?」
「ああ」
オレも抱いたのに全然だな。オレに気は無いって言われてるようなもんだろ、これ。なんとなく悔しい。仲が良くても好かれるとは違うから。でもゲルトに惚れてるわけでもねぇし。何が違うんだ?
唖然としてるゲルトを見てサヤカが笑う。
「……体は」
「大丈夫。ラルフのお陰だね、ありがとう」
「ありがとうございます」
「いや」
ゲルトがオレに礼を言ってから、モジモジとサヤカを見てる。なんだこの初々しい雰囲気は。見てるこっちが恥ずかしくなる。さっさと口付けでもすりゃあいいのに。
「もう少し一緒に寝る?」
「……はい」
優しいサヤカの声に頷いたゲルトがまた横たわった。サヤカがゲルトの手を握って手の甲に口付けをした。そしてすぐ寝息を立て始める。オレのことはなにも見てないのな。
ため息が出て、どうしようもない気持ちで起き上がる。
「オレは部屋に戻るわ」
「はい。ありがとうございました」
「ごゆっくり」
強がりか嫌味かわかんないことを言って部屋を出た。
なんだろな。まあ、別にいいんだけどよ。一年後には終わる関係なんだから。
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