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第二章 精霊産みといろいろ
65.劣情 Side ヴェルナー ※
しおりを挟むSide ヴェルナー
手を洗って戻って来たサヤカの胴に、気怠そうなゲルトが尾をゆるく巻き付けて猫のようにあごを肩へ擦りつけている。
天窓から入る月明かりで暗闇に浮き上がった、サヤカが獣化したヘビ族を嬲る淫靡な光景。嫉妬は最初だけ。あとは艶めかしい雰囲気に飲まれてただ食い入るように見ていた。射精こそしなかったが、先走りでひどく湿った気持ち悪い下ばきを脱ぎ棄ててベッドの上に乗り、剣を下に置く。
ゲルトの胴体を枕にして横たわるサヤカの上に跨った。私の興奮がどう映っているのか、妖しい微笑みで見つめ返された。屈んで口付けをしながらヌルついた先端をクリトリスに擦り付ける。自分の息が熱い。頭に血がのぼってるのがわかる。
ゲルトを嬲るサヤカが、ヘビの体に巻き付かれて挿入されるところを見たいと思ってしまった自分はおかしい。でも想像からくる興奮を抑えられない。小ぶりな舌に絡みついて内側を蹂躙する感覚を味わう。さっきまでこの舌で嬲っていたのかと思うとますます血が沸き立った。
ゆるりと巻き付く焦げ茶のウロコ、それに乗る乳房の白が暗闇に浮かぶ。乳輪から膨らんでツンとたち上がる乳首を摘まんで転がした。硬くなった乳首を指先で弾くと頭を振り、乱れた黒髪がヘビの胴体に絡みつくように見えた。擦りつけてる私の先端に腰を振って応え、もどかし気に喘ぐ。乳首を押し込んで潰しながら揉む私の手にはふれず、ヘビの尾を握り締めて絶頂した。
まぶたを開けて潤んだ目で見上げるサヤカの足を持ち上げて開く。ゲルトの縦瞳孔が少し大きくなってサヤカの開いた足を見ている。気怠さから一変、爛々と底光りする緑の目に見せつけるように、濡れそぼった窪みに滾った雄を沈めた。ギリギリまで抜いて最奥まで捩じ込む動作をあえてゆっくり繰り返す。ジリジリ灼けるような欲望の目の前で、自身の雄を打ち込みサヤカを悶えさせる倒錯に眩暈がしそうなほど興奮する。
早々に訪れた射精は、抜いてから吐き出した。私の精液でサヤカの秘裂が白く汚れるさまに、痛いほどこめかみが脈打つ。出し終わってすぐにまた奥まで穿って掻きまわし、精液と蜜が混じった液体が溢れてくる光景を見せつけた。そうして二度目の射精はグリグリ押し付けながら最奥に注ぐ。
興奮に一息ついたところでサヤカと目が合った。おかしそうに笑う顔を見て、サヤカのことを考えてなかったと気付き焦りが湧いた。
「あ、すまない」
「いいよ。興奮した?」
「……とても」
からかわれて頬が熱くなる。罪悪感が湧いても私のよくわからない欲望は消え去らず、腹の奥に燻ぶったままだった。
「ゲルト、もっと腰を近くに寄せて」
サヤカの声でにじり寄ってきたヘビの胴体には、二又のペニスが膨らんで立ち上がっていた。サヤカが二又を手に収め、私に流し目を寄越してから顔を近付けてペロリと舌で舐めた。
心臓が大きく打つ音が聞こえる。
挑発する目つきでもう一度舐めた。私の興奮を見透かし、からかって挑発する。罪悪感は消し飛び高揚で硬さが増した。私の目の前でサヤカは他の男のペニスを舐め、巻き付かれ、そのヘビは快感に尾を震わせている。あまりの淫猥な光景に目の前がクラクラした。
サヤカの腹がわを力が入りすぎないように優しく、もどかしくなるように攻める。他の男を口に咥えているのに下腹で私に吸い付き、腰を揺らす。ゆっくり擦り上げるように動かすと、耐えられなくなったのか口を離して私の名を呼んだ。
「ああぅっ、あぁ、ヴィー、あっ、お願い、もっと、ヴィー、んあぁっ」
サヤカが体をくねらせて強請るのを聞くと、奪い取ったような満足感がこみ上げる。そのまま動きを緩めずに攻め続け、絶頂で引き絞る下腹の中に熱を吐き出した。
硬直と蠕動がおさまると息をととのえて、私の手を外した。
「休憩。お水とってヴィー」
「ああ」
まだ治まらないペニスを抜き、サヤカに口移しで水を飲ませた。
「もっと?」
「ごちそうさま。交代しようか。精霊が混じって産まれるか確認するんでしょ?」
「そういえばそうだった」
「ゲルト、獣化を解いてくれる?」
ゲルトはサヤカから体を離し人型に戻った。サヤカが腕を広げて見せると、おずおずと体を寄せて抱きしめられる。私の目の前で抱き合う2人を引き剥がしたいのに、それと同じくらい抱かれて悶えるサヤカを見たかった。私はどうかしてしまったらしい。自分の頭がおかしいと思うのに、腹の底で煮えたぎる薄暗い欲望に抗えない。
底光りした目のゲルトがサヤカを見下ろして腰をふる、肉のぶつかる音が響いた。サヤカの喘ぎ声が耳の中から脳を揺さぶる。
サヤカの上半身を持ち上げて胡坐をかいた太ももの上に頭を乗せ、他の男に抱かれて揺れる胸を鷲掴んだ。もみしだく指のあいだからのぞく乳首を挟んで潰すと、サヤカの声が大きくなり身を捩って悶える。ゲルトの目がギラギラとサヤカを凝視し、呻き声をあげて射精した。荒い息を吐く口から細い舌をぶら下げて、すぐに打ち付けを再開し卑猥な水音を絶え間なく響かせる。
「サヤカ、ずいぶんと濡れているな」
「っ、……ふたりが、出すからで、ッアァあぁ」
「……二人がかりは気持ち良い?」
「んっあ、ぁ、うん、っふぁ、んっ、いい、っあ、……っぅ、ふ」
乱れながら答える口に指を入れて舌を捕まえる。親指の腹で軽く揉んだら口の端から涎が垂れた。ああ、だらしなく涎を垂らすこの口にねじ込んでヌルついた舌に擦り付けたい。吸い付く喉の奥に欲望を吐き出したい。
勃起が治まらない私にかまわず、サヤカが腰を振りゲルトに擦り付けている。ゲルトの腰を足で締め付けて絶頂の声を上げ、ゲルトは無言のままサヤカの奥にまた射精をし体を小刻みに震わせた。
サヤカもゲルトも荒い息をしてぐったりしている。
唇を撫でていたらサヤカの手が私のペニスに触れた。
「……元気だね」
「サヤカが魅力的だから」
そう答えた私を見上げ口の端で笑った。上体を起こして舌でベロリと舐め上げる。下半身をゲルトに埋め込まれながら、私のペニスを口に含む。2人の男に種を注がれた体で、片方の男に貫かれながら、もう片方の男を口に咥える淫靡さに下腹が脈打った。
唾液でヌルついた舌に亀頭を舐めまわされて息が零れる。唇で竿を揉まれ、口の中を私の種で汚されたいと望まれているような気持になる。ゲルトに腰を打ち付けられている振動がサヤカを通して私にも伝わる。2人の男から精を注がれる姿を見せてほしい。私の愛しいサヤカ、私を滾らせる女。
自分で動けるよう足を組み替え、サヤカの頭を支えて腰を振る。私のために苦しくても舌を動かしているのだと思うと劣情と愛しさがないまぜになってますます興奮した。ときおり喘ぐせいで歯が微かにあたり、ゾクゾクする刺激が背中に走る。
頬を両手で挟み、指で目の下を撫でると潤んだ目が私を見つめ返した。
「汚しても?」
懇願する私を見つめたまま頬を上げ、答えるように強く吸い付いた。
「っぅ、く、ぁあ、サヤカ、サヤカ」
劣情を笑って受け入れられ体の奥に何かが湧き上がる。あなたを奪いたくて受け止めてほしくて吐き出したくて。どうしようもない衝動のまま腰を振った。すべてを飲み込む大きな波が押し寄せて砕け散る。熱い種を吐き出す快感に打ち震えてしばらく動けなかった。最後まで吸い付いたサヤカの口が外れてくたりと横たわる。
気づかないうちにゲルトも射精したようで、サヤカの上に状態を倒して息をついていた。
快感の余韻でぼんやりし、しばらくしてからサヤカが吐き出してないことに気付いた。急いで口元に手を寄せる。
「出して」
「飲んじゃった。うがいしたい」
「あ、ああ、すまない」
飲ませてしまった罪悪感と飲んでもらった嬉しさ半々だ。
ベッドから降りてサヤカを抱きかかえ洗面所まで行った。水を出してうがいするサヤカを見守る。
浴槽に入るかと聞いてきたゲルトに頷いて、温まったお湯に三人で浸かった。
膝の上のサヤカが怠そうに私に寄りかかったままゲルトに話しかける。
「獣化しなかったね。何か違った?」
「あ、目の前で、その、見せつけられると頭が冴えるというか、意識がはっきりして」
「冷めるってこと?」
「いえ、むしろ…………、いえ、冷めません」
「そっか、ラルフはそばで見張ってるだけだったから」
話を聞きながらお湯に揺れる乳房を手の中でもてあそんでいたら、サヤカの手に邪魔された。
「もう疲れたよ」
「サヤカ」
私の中でくすぶっている火はまだ消えそうになく、名残惜しくてサヤカの頭に頬ずりをする。
「もう眠りたい、ヴェルナー」
仕方がないので湯船からあがり、体を乾かしてベッドに寝かせた。
後ろから抱きしめて頭に口付けをする。静かだと思ったらサヤカは寝息を立て始め、ゲルトも眠ってしまった。
眠るサヤカの下生えを撫でて割れ目に指を這わせる。花芯を肉に挟んで揉むと、むず痒そうな吐息を漏らしたが起きはしなかった。足を開かせて花びらのあいだを舌で濡らし、魅惑的な窪みに唾液を垂らした。指で浅く掻きまわして潤ったのを確認してから、滾ってやまない雄を埋め込んだ。微かに呻くサヤカを起こさないようにゆっくり動かし、柔らかな膣壁に擦り付ける。吐く息が熱い。熱を吐き出せば治まると思って行為に及んだのに、何も知らず眠るサヤカを犯す下劣な振る舞いにますます興奮してしまう。自分のおかしさがわかっても自分を止められない。
ゲルトのギラついた目に見せつけながら自分の種を注ぐ優越感、征服欲が胸に蘇り、倒錯した劣情をサヤカの中に吐き出した。2人の静かな寝息と卑猥な水音が交差する。何度か吐き出して息をついた。
水を飲んで天窓を見上げると夜の色が薄くなっている。もてあます気持ちを抱えてサヤカの隣に寝転んだ。
サヤカに起こされて目を覚ます。
「おはよう。混じってる精霊がどれくらいか確認してくれる?」
「おはよう。わかった」
産まれだした精霊を見やすいようにベッドから少し離れて眺めた。紫と赤が混じる精霊。絶対に失敗すると思っていたのに、よくわからない劣情のせいかかなりの割合で混じり合った精霊が産まれた。ゲルトのほうでも私を排除する気はなかったようだ。どちらかというと同調していたらしい。ぐるぐると捩れて混じる色を見てそう確信する。
「ゲルト、火を起こしてみてくれ」
混じった精霊がどんな動きをするのか見て見たくなり頼んだ。ゲルトはベッドを降りてタイルの床の上に立ち手の平を上にした。ヒュっと近づいた精霊が勢いよく飛び上がってチカチカした火花を散らし、濃い紫の闇が火花をあっという間に飲み込む。
「なんて?」
「小さくてすぐ消える火花を頼みました。いつもは徐々に消えるんですけど、一瞬で消えましたね」
「おもしろいな。混じりだと動きが変わるのか」
サヤカから産まれた最後の精霊が天窓から消えた。
「どうだった? 半分以上混じってた?」
「ああ、三分の二は混じっていた」
「成功だね」
そう言ったサヤカの穏やかな笑顔に愛しさがこみ上げた。愛していると言って抱きしめたい衝動と、困った顔が一緒に思い浮かぶ。胸の痛みを抑えて笑い返し、あくびをしてすぐに眠ってしまったサヤカを眺める。
「片想いは辛いな」
ぽつりと口からもれた言葉にゲルトが小さな声で同意した。
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