6人の夫と巫女になった私が精霊作りにはげむ1年間の話【R18】

象の居る

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第二章 精霊産みといろいろ

67.優しいサミーとしがみつくリーリエ ※

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 盛大にベッドを汚して恥ずかしい目にあった。リーリエにはオネショだと思われて弁明のために潮吹きの説明をしなきゃいけなかった。汚したシーツは自分で洗ったけど精神がガリガリ削られた。

 サミーとリーリエの日はどうなるかと思ったらリーリエが一人でやってきた。交代制にするらしい。まあ、体を見られるの怖がってたしね。いつの間にか3Pに慣れてしまった自分が怖い。
 いつもより抱き付いてくるリーリエを抱きしめ返す。二回いたしてからパジャマを着てサミーを呼びに帰っていった。待つ間に体を軽く流して拭いてたらサミーが入ってきた。

「交代にしたんだね」
「本人がそうしてぇならこっちのほうがいいんだろ」
「昨日のヨアヒムも交代にしたんだけど、結局戻ってきてた」
「はははっ、神官も戻って来るかもな」

 2人でベッドに寝転んで話す。サミーはこうやって穏やかに話せるからいい。

「お疲れさん。2人ずつ相手にしてると気ぃつかうんじゃねぇか?」
「うーん、少しね」
「俺はそういうのが当たり前だから気にしねぇようにな」
「うん、ありがとう」
「なんせ、親父が8人だ」
「多いね! 大体それくらいなの? 兄妹は?」
「だいたい5~10人てとこか? 兄弟は男ばっかり13人。むさくるっしくて奉公出れる齢になったら喜んで家を出た」
「それはすごい」

 マジでスゴイ。13人産むって。寿命長いから出産可能年齢も長いのかも。なっとく。

 向かい合って寝てるサミーのゴツゴツした硬い手が私の頬を撫でる。サミーはこうやって確かめるみたいに優しく触ってくる。犬とか猫とかを撫でるときのようで、可愛がられてる気になれるから好きだ。

「何笑ってんだ?」
「なんか、撫でられるの嬉しくて」
「……あ、はは、そう言われると照れんな。良いならいいんだ」
「うん、いい。もっと撫でて」

 もう少し近づいて胸元に顔を寄せた。耳を軽く揉んで肩を撫で髪の毛を梳く、一連の動作が全部優しくて安心する。唇の端を撫でる指先にキスをしたら、太くて丸い指先が頬を包んで唇が重ねられた。柔らかさを味わうような唇の触れ合い。触れ合いそのものを確かめてるみたいに優しい、壊れそうな繊細さに胸が切なくなる。枕の下にしまってるもう片方の手をとって握り、頬の下へを引き寄せた。
 サミーが息を吐いて私の頬を両手で挟み唇を食む。柔らかく優しく。
 キスをし始めた当初は貪る感じだったけど、慣れたらだんだん優しくなった。触り方もそう。だから私も同じようにそっと触る。こういうのはくすぐったい。そしてたまに切ない。大事にされてるって思うからもっと雑なほうが良かった。でも嬉しいのは本当。嬉しいから切ないのかもしれないと、肌の上をすべる指先に感じながら思う。

「サミー、お願い、触って」
「……ここか?」
「うん」

 手の平で乳房を包んでフワフワと撫でてくれる。あったかい舌がヌルリと乳首を撫でる刺激に背中が捩れた。前よりもずっと丁寧でもどかしい愛撫に、体は容易く疼きをつのらせていく。
 私が腰を揺らしてサミーにこすりつけると体を下にずらして足のあいだに顔を埋める。優しく周りを舐めて焦らされたあとで、望みの場所に触れられると大きく声が出てしまう。舌先で掻きまわされたら、足が暴れてしまうけど押さえてくれているから安心して体を揺らす。
 クリトリスを小刻みに舐められるとすぐイってしまう。イクときはサミーの名前を呼んだ。音が可愛いし呼びやすいから。

 私の体が緩んだら抱きしめて挿入する。私の胸までしか身長がないから、抱き合えないかわりに手を繋ぐ。そうしてまたサミーを呼びながら揺れる。意識をどこかへやってしまいたい。出口を求めて体が暴れる。助けて。私は声を上げてイイところを伝えサミーはそれを分かってくれる。

「あっああぁ、ね、このまま、して、っああぁ、ああ、サミー」
「ああ、サヤカ」
「お願い、サミー、サミーっぁあーあっあ、ッアァあああーーー」
「っくっぐ、…………、っうぅーーうぁっ」

 私がイってサミーもイく。
 しばらくしたら、横に寝転んで私の髪をまた触る。頭を摺り寄せたら額にキスをくれた。
 サミーは穏やかで優しい。落ち着く。胸に顔を埋めて泣きたくなる。しないけど。甘えたい気持ちを誤魔化すためにサミーの頭を抱きしめる。抱きしめてるのに背中を撫でられるからやっぱりあやされてる気になった。

「どうした?」
「ううん」
「……サヤカの体は柔くて気持ち良いな」
「太ってるってことでしょ」
「太ってねぇよ。太ってもいいけど。柔いと可愛いだろ」
「じゃあ可愛いの?」
「ああ、可愛い。一番だ」
「産屋棟の中で一番?」
「男連中と比べんなよ。あいつらなんざ、むさくるしいだけだろ」

 笑ってたら部屋のドアが開く音がした。振り向いたらリーリエが途方にくれたような顔をしているので、サミーに目で合図をしてからリーリエを呼んだ。腕を開くとギュッと抱き付いてくる。

「ずいぶん懐いてんなぁ」
「そうだよ。リーリエは可愛いの。どうしたの?」
「……一緒に眠ってもいいでしょうか」
「いいよ」

 リーリエの頭を撫でてそう答えると、ますますしがみついてきた。

「初めての女に嵌まんのは良く聞くけど、」
「巫女だから、巫女だからです」
「あ、ああ、わりぃ、そういう意味で言ったんじゃねぇが。……神官て結婚できんのか?」
「できます。でもほぼいませんね。そういった関係を望まないから神殿に入るので」

 私にしがみ付きながら真面目な話をしてるの、なんていうかギャップがすごい。

「じゃあ神官も結婚したくねぇのか。今は?」
「私は結婚などしません。精霊のお役目が終わったら認められるのですから。役目が終われば不必要になった欲も落ち着くはずです。ゲルトが満足したら落ち着くなら、その頃には私も落ち着いて本来の妖精族になれるはずです」

 リーリエの考えに驚いた。いろいろ飛躍してると思うけど本人は気づいてないらしい。願望はわかるけど昔から性欲あるなら消えなさそう。セフレかパートナー作るほうがいいと思うけど、頭から否定はしないでおく。本人はそれに希望を見出してるわけだし。

「……そうだといいね」
「はい。だから今は満足することが必要なのです」
「ふふ、こうしたら満足する?」

 戻ってきた言い訳か? なんだかずいぶんと可愛い屁理屈に笑ってしまった。
 リーリエをギュッと抱きしめて髪を撫でたら、しがみついたまま胸に頬ずりをする。
 それを見たサミーが眉を上げてしかたなさそうな顔をした。

「傷痕を見たって聞いただろ? 気にしねぇから好きにしたらどうだ?」
「…………はい」

 小さく返事をして動かなくなった。
 それなら、と思ってリーリエの頭まですっぽり掛布をかける。

「こうしたら見えないよ」
「……はい」

 ごそごそ寝間着を脱いで私にくっつき、掛布を被ったままキスをしてきた。
 リーリエはすぐに硬くなり巫女の私を求める。巫女と呼んで縋り付くリーリエを、サミーのように優しく触った。

 リーリエを撫でてるうちに眠ったらしい。
 精霊の産まれる気配を感じて目が覚めた。急いでリーリエを起こして混じってるか確認してもらう。リーリエも慌ててベッドから出て良く見える位置に立った。

 白と黄色が混じって色んな模様になっているのが見えた。マーブル模様、陰陽図みたいなの、水玉。二つとも穏やかで優しい光。リーリエとサミーの周りをほわほわ飛んでから天窓に消えた。

「どうだった?」
「……はい、大丈夫でした。成功です」
「よかったね」

 リーリエは目くらましを忘れているらしく火傷痕がはっきり見える。夜明けの薄い青に染まった傷痕のある体は、いっそ神話のように幻想的だった。

「全身か。よく助かったな」
「あ」

 サミーの声にリーリエが驚き、目くらましで隠されてしまった。固まってるリーリエを見てサミーが頭を掻く。

「気付いてなかったのか、わりぃ。でも緑妖精族じゃなかったら、傷痕は珍しくねぇぞ」
「そうなの?」
「光属性は緑妖精しかいないからな。神殿のある大きい町以外は薬草で終わりだ。俺のやってる焼き物もそうだけど、鍛冶屋とか火を使う商売は火傷持ちがゴロゴロいるし。ラルフのやってる冒険者も、傷痕ない奴なんていねぇんじゃねぇか?」

 異世界にも無医村問題があるわけね。まあ、そうだよね。

「まあ、神官みてぇに全身はあんまいねぇけどな。痕が残る前に死んじまうから」
「そっか、薬草じゃ間に合わないんだ」
「ああ。だからよ、助かって良かったな、神官」
「…………はい」

 驚いた顔でサミーに返事をしたリーリエは、ベッドに戻ってきて私に抱き付いた。

「俺は見ちまったし他の奴らもなんともねぇと思けど、無理する必要もねぇからな。好きにすりゃ良いんじゃねぇか」
「私は隠してないのも好きだよ。神話に出てきそう」

 頭を撫でて欠伸をする。

「一緒に寝る?」
「……はい」
「サミーは?」
「俺は部屋に戻るからゆっくり寝てくれ。お疲れさん」
「うん、おやすみ」

 リーリエと抱き合って目を閉じたらすぐに眠りが訪れた。夢の中ではフワフワした精霊とリーリエが楽しそうに笑っていた。


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