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第二章 精霊産みといろいろ
96.再挑戦の精霊王産み 1 ※
しおりを挟む肌寒い日が続きたまにおりる霜を踏んでたら、冬になりましたねとリーリエが言って、朝晩寒がる私に羽毛布団と毛糸のカーディガンを用意してくれた。寒がってるのは私とゲルトだけなので、筋肉量の違いを見せつけられてる気分だ。実際、ヴェルナーやヨアヒムは体温が高くて温かい。ラルフは冬毛になってフワフワしてるので、よく触らせてもらってる。妖精族は気温にあまり左右されない。
産屋棟には暖炉はなく火鉢を置いている。風の精霊が動き回ってるのか、空気の循環がいいみたいでどこもほんわり温かい。ヴェルナーも産屋棟は温かいと言っていた。
外の警備の人に熱いお茶を差し入れたり、リザに結婚後の心得(主に夜)を説かれたり、掃除が済んだシリルとニコルとお菓子を食べたり、なんだかんだと周りの人とも親しくなったなと思う。
襲撃と結婚騒動からしばらく経って穏やかな日々を取り戻していたある日、そろそろ精霊王産みを再開しようとリーリエから声が掛かった。
私が生きていくために6人の魔力が必要だとわかり、結婚も決まってヴェルナー、ヨアヒムは落ち着いたみたい。サミーとゲルトとラルフは元々あまり気にしてない。リーリエも柔らかく穏やかになった。私もラルフに気持ちを打ち明けて区切りがつき、結婚後の話なんかしてたらこだわりがなくなったというか考えなくなった。
今度は成功するんじゃないかなと思う。
「また昼と夜にわけるか。休憩できるからそっちのがいいだろ?」
「うん」
「じゃあ、オレとゲルトとヴェルナーが夜な」
「俺は暗くねぇとダメなんだって」
「あー、布団被ってくれよ。今回だけ」
「まあいいけどよ。なにこだわってんだ?」
「久々に楽しもうと思ってな」
「なに企んでるの?」
ラルフのニヤニヤ顔に警戒心が湧き上がる。私が告白してから遠慮がなくなったのは気のせいじゃないと思うな。ラルフもあの日からサッパリした感じで楽しんでる。
「そりゃあ、お楽しみってヤツだ」
なんだろうなぁ。まあ、たぶんお尻を洗われるのは確定だろうな。
ヨアヒムはパン焼きのお休みを伝えなきゃいけないので決行は後日になった。
その日、サミー、ヨアヒム、リーリエの3人が部屋に集まり、それぞれ体を洗ってベッドに座った。
「サミーは暗くないとダメでしょ? 目隠ししたら気にならないんじゃない」
「俺だけ目隠しでサヤカが見えねぇんじゃつまんねぇよ」
「じゃあみんなで目隠ししたら? サミーだけじゃなくなるし」
「サヤカの周りに目隠しした俺たちが並ぶのか? すげぇ状況だな」
「面白そうだからやってみる!」
想像したら笑えたので俄然やる気になった。手ぬぐいを3人の目に巻いて後頭部で結んだ。
「どうかな? 見えない? サミーは大丈夫そう?」
「まあ、暗いからいいけど変な気分だな」
目隠しした大中小の3人がおとなしく並んでるのはすごく変な光景で笑いが込み上げた。
「楽しそうだな」
「っふふふ、うん。なんか変な光景」
笑ってばっかりじゃ悪いので体勢を整える。ヨアヒムの背中に枕と布団を積み上げ、足を伸ばして座ってもらった。私はヨアヒムの足のあいだに寄っかかって座り、リーリエを横に、サミーは向かいに誘導した。
私の向かいで膝立ちしてるサミーを抱き寄せてキスをする。優しく啄むとサミーの手が探るように私の頬を撫でた。
「……見えねぇから、変な感じだな」
「いや?」
「嫌じゃねぇ。どこ触られるかわかんなくてちょっと緊張するくらいだな」
「こことか?」
「っうぉっ」
脇腹をくすぐったら、かなりビクッとして驚いた声を出したので笑った。
「ははっ、いたずら好きか? 可愛いことして、まったく」
サミーの手が優しく首を撫でる。柔らかく動く重なった唇は私の体に小さな火を灯した。ヨアヒムの手はうしろから胸を包んでゆっくり乳首を擦り、リーリエの足に伸ばした手は両手で受け取られて頬ずりされている。
目隠しをしてるせいでどこをさわるにも必ず肌の上を辿っていくから、こそばゆさを始終感じて鳥肌が治まらない。
静かな部屋に舌の絡まる水音と私の荒い呼吸音が響く。
「サヤカのほうが気に入ってるみてぇだな」
指先が首からお腹を通り、足のあいだの窪みに辿りついてゆっくり沈んだ。
「っぁあ、ん、……ああっあぁ」
サミーの指に浅く掻きまわされて捩れる体はヨアヒムの腕の中、大きな手に乳房から乳首までしごかれて背中が仰け反った。
「見えねぇと感触が生々しいな」
そう言って指を曲げ、クリトリスを裏側から押し撫でる。ビリビリした刺激が流れて腰が揺れた。手を伸ばしてサミーの腰から太腿を辿り、ペニスを軽く掴んで上下に擦った。指で亀頭を包み親指ですべすべした表面を優しく撫でる。
「……ふ、ぁあ、なんか、たまんねぇ」
片手が足からお腹を通って首から耳にたどり着き、指で頬を確かめてから唇が触れた。舌が口の中に入り込んでムニュムニュと舐めまわす。サミーの吐息が吹き込まれて熱い。広げられた足の付け根に亀頭が擦りつけられた。ヌメリを残しながら膣口に当てられ、ゆっくりと中に侵入してくる。
「っあぁ、ふぁっ、ああ、……んっあ、あぁ」
「うぅっ、はっ、……ぅ、ふ、いい、すげぇ、サヤカ」
じわじわと熱いかたまりが下腹に広がって、力が入らなくなる。ヨアヒムの指が乳首をキュッと掴んで背中が跳ねた。私の片手を握って指に吸い付いてるリーリエを引き寄せ、柔らかなペニスを撫でて忘れていないアピールをした。
「ふっ、うぅっは、ぁ……、っぅ」
サミーがズルズル膣壁を擦り上げて根元まで埋め込むと、奥を抉るように動かしてからギリギリまで抜き、また緩慢に擦り上げる。
緩やかに、でもしっかりと与えられる痺れる快感に、おかしくなりそうなほど体が悶える。
「っあぁ、あ、サミー、あぁ、お願い、ねぇ、サミーサミー」
「ああ、はぁっ、サヤカ、可愛い声出して、っふ、……ぅ、俺も、もう」
私の両足をしっかり押さえつけたサミーの動きが早くなる。欲しかった刺激が何度も背骨を駆け上がった。片手はヨアヒムの手に、もう片手でリーリエの足に掴まって、悶えて暴れそうな体を支える。
捕まえた快感が膨らんでせり上がり、頂に昇りつめる。絶頂の痺れに貫かれて声を上げた。力強く押し付けられた腰を、足で挟んで縋り付く。
「――――――、ッアアああーーーーー」
「っうぅぅっ、…………ぐっぅう、……っあぁ」
力が入り過ぎて震える体を背中から前から抱きしめられ、力任せに握った手は同じように握り返された。
大きく脈打った心臓が静まり蠕動も落ち着くと体から力が抜ける。私の中から出てしまった感触にフルリと震えた。
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