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第二章 精霊産みといろいろ
101.これからのこと ※
しおりを挟むラルフが急にベタベタするようになり、ヴェルナーも対抗してくっついてくる。嬉しいけど面倒だからヨアヒムに隠れたりして遊ぶ。
私はやっとみんなの気持ちを素直に受け入れられるようになった。愛されるのは嬉しい。
精霊王も産めて肩の荷が降り、気が楽になった。
リーリエのことは心配だけど、神殿を離れたくないらしいし、私がいなくても大丈夫みたいだ。
リーリエはなんていうかとても不安定で、私が手を貸さなきゃいけないみたいに思ってたから結構なショックを受けたけど、それは私の傲慢なんだろう。今まできちんと生きてきた私より年上の人なんだから。
リーリエと最後の日を過ごしてからほとんど話していない。ヴェルナーが率先してお世話をしてくれるからリーリエに頼み事はなく、婚約者たちの前でリーリエに親し気にするのもはばかられる。それに、リーリエに話しかけるのが少し怖い。終わってしまった関係で何をどうやって話したらいいのかわからない。
それ以外は婚約者たちと穏やかに過ごしている。
ヴェルナーの勤務先はここから3日ほど離れた場所にある、軍事的に重要な港町の騎兵団と聞いた。ラルフは冒険者を辞めてそこで働くらしい。私たちはその街に住み、サミーとヨアヒムはそこで仕事を探す。ゲルトの実家もそこにあり、大神殿のあるこの街にはお兄さんが任されている支店がある。サミーと私のアクセサリーを置いてもらったのも支店だ。
ヴェルナーの勤務先は港町だけど、実家はもっと離れた伯爵領らしい。子爵家の3男だから貴族の結婚はどうなるのか聞いたら、私と結婚するから貴族籍を抜けると教えてくれた。
「素性が怪しいから?」
「……貴族ではないからだ。私は家を継がないし、貴族の中でサヤカの素性が知れると面倒だ。『異世界の巫女』という立場はサヤカが想像するより権威がある」
「ヴェルナーはそれでいいの?」
「いい。貴族の付き合いなどしてこなかったし、これからも私には意味のないものだ」
「そっか。でも、なんかゴメンね」
「謝るよりこちらへ」
隣に座るヴェルナーが腰に腕を回してきたので、太腿の上に跨って抱き付いた。大きな手を私の頬に添えて唇を寄せる。柔らかな感触に啄まれ、熱い息と一緒に舌がヌラリと侵入する。クチュクチュ水音を立てて絡みつく舌で、体の奥がかすかに疼いた。
ヴェルナーの首に腕を回して唇を深く合わせると、お尻を掴んだ手に引き寄せられて硬くなったモノを押し付けられた。
「……ん、ヴィー、あのね」
「なんだ?」
「好きでいてくれてありがとう」
「っ、……そんな、そんなこと当たり前だ」
「当たり前じゃないよ。……楽しいだけですまないし。ゴメンね、でもありがとう」
ヴェルナーが力強く私を抱きしめる。それから横抱きにされベッドに寝かされた。自分のパジャマを乱暴に脱ぎ捨てて、私のパジャマを優しく脱がす。
頬を撫でる大きな手に手を重ねて頬ずりした。紫色の目にキラキラ見つめられて、照れくさいような嬉しいような気持になる。
「……ああ。……サヤカ、ここにいる……、私を見て」
顔を撫でるヴェルナーの手にキスをして見つめ返した。
「うん、ヴィー。これからもよろしく」
「サヤカサヤカサヤカっ」
弾力のある筋肉質の体に抱きしめられ、熱い肌が密着する。唇と舌と手足に絡みつかれ、求められてると実感した。頭を抱き寄せて口の中を掻きまわす舌に応える。
吸い付かれて唾液を啜られながら、腰が忙しく擦りつけられる。揉みしだかれて潰される乳首はジンジンと疼いた。
強く吸い付かれる痛みが体に火を灯す。首へ何度も吸い付いては甘噛みし、舌で舐め上げる。指で潰されて甘く疼く乳首を舌で弾かれて体が跳ねた。ヴェルナーの頭を抱えて少し硬い癖毛をくしゃくしゃにかき回す。
「あぁ、ヴィー、っ、……あぁああ、ンぁっ」
「っは、サヤカ、サヤっ、もうっ、っくぅ」
グニュリと押し込まれたモノはお互いのヌメリで簡単に奥まで届いた。下腹を満たす繋がりに喜びが湧く。
「ヴィー、ん、……嬉しい」
「……っ、ああっ、サヤカっ、愛している、愛している、サヤカ、離さないっ」
「うん、離さないで」
ギュッと抱き合って、震えるヴェルナーの背中を撫でた。
きつく抱き合ったまま、腰を押し付けて揺れる。少しも離れずに奥へ押し込むような動きだけで気持ち良い。
ヴェルナーの荒い息と熱に浮かされた目が官能を押し上げる。首に吸い付かれて湿った呼吸音が愛しい気持ちにさせる。
ずっと変わらずに私を求めてくれた人。いつも必死になってくれた。私を見てくれる、私のために一生懸命になってくれた人。
「ヴィー、嬉しい。……っぁあ、ヴィー、ぁぁあっぁ」
「はっ、ふっ、……ぅく、サヤカっ、あぁっうぅっ」
ヴェルナーが叫んで硬直した。私を抱きしめる腕に力が入る。
潤んでる紫色の目を覗き込む。
「気持ち良い?」
「良い、ああ、とても。サヤカ」
頬ずりしてくる頭を撫でる。
「死ぬまでそばにいる。死んでからも。サヤカの石は私がもらう」
「あ」
「なんだ?」
「……うーん、精霊王が魔力を貯める石を用意したって言ってたけど、いつ貰えるのかな~と思って」
「え?」
「忘れてるのかな?」
「もしかして、それに貯めておけば誰かが死んだあとも使える?」
「うん、そうみたい。でも見当たらないし、期待しないほうがいいかも」
「精霊王がおっしゃったんだ。きっとくる」
「そうかな?」
顔中にキスが降る。
「死ぬまで一緒だ」
「ふふ。あ、こど」
いや、子供のことはまだいいかな。期待して実際できなかったら嫌だし。石が手元にきたら確実だろうから、そのときにしよう。
「なんだ? 子供のことか? それなら気にしなくていい。種族が違えばできないのだから承知の上だ」
「そうなんだ」
「サヤカの見た目は人族だが、異世界の種族なのだから出来なくて当然だとみな思っている。サヤカが欲しければ養子を迎えればいい」
「うん、ヴェルナーも」
「私はサヤカを抱きしめられたら充分だ」
暖かく逞しい腕の中で安心する。知らない街の新しい生活は不安だけど、一人じゃないから大丈夫。
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