6人の夫と巫女になった私が精霊作りにはげむ1年間の話【R18】

象の居る

文字の大きさ
101 / 119
第二章 精霊産みといろいろ

101.これからのこと ※

しおりを挟む
 
 ラルフが急にベタベタするようになり、ヴェルナーも対抗してくっついてくる。嬉しいけど面倒だからヨアヒムに隠れたりして遊ぶ。

 私はやっとみんなの気持ちを素直に受け入れられるようになった。愛されるのは嬉しい。
 精霊王も産めて肩の荷が降り、気が楽になった。

 リーリエのことは心配だけど、神殿を離れたくないらしいし、私がいなくても大丈夫みたいだ。
 リーリエはなんていうかとても不安定で、私が手を貸さなきゃいけないみたいに思ってたから結構なショックを受けたけど、それは私の傲慢なんだろう。今まできちんと生きてきた私より年上の人なんだから。
 リーリエと最後の日を過ごしてからほとんど話していない。ヴェルナーが率先してお世話をしてくれるからリーリエに頼み事はなく、婚約者たちの前でリーリエに親し気にするのもはばかられる。それに、リーリエに話しかけるのが少し怖い。終わってしまった関係で何をどうやって話したらいいのかわからない。

 それ以外は婚約者たちと穏やかに過ごしている。
 ヴェルナーの勤務先はここから3日ほど離れた場所にある、軍事的に重要な港町の騎兵団と聞いた。ラルフは冒険者を辞めてそこで働くらしい。私たちはその街に住み、サミーとヨアヒムはそこで仕事を探す。ゲルトの実家もそこにあり、大神殿のあるこの街にはお兄さんが任されている支店がある。サミーと私のアクセサリーを置いてもらったのも支店だ。
 ヴェルナーの勤務先は港町だけど、実家はもっと離れた伯爵領らしい。子爵家の3男だから貴族の結婚はどうなるのか聞いたら、私と結婚するから貴族籍を抜けると教えてくれた。

「素性が怪しいから?」
「……貴族ではないからだ。私は家を継がないし、貴族の中でサヤカの素性が知れると面倒だ。『異世界の巫女』という立場はサヤカが想像するより権威がある」
「ヴェルナーはそれでいいの?」
「いい。貴族の付き合いなどしてこなかったし、これからも私には意味のないものだ」
「そっか。でも、なんかゴメンね」
「謝るよりこちらへ」

 隣に座るヴェルナーが腰に腕を回してきたので、太腿の上に跨って抱き付いた。大きな手を私の頬に添えて唇を寄せる。柔らかな感触に啄まれ、熱い息と一緒に舌がヌラリと侵入する。クチュクチュ水音を立てて絡みつく舌で、体の奥がかすかに疼いた。
 ヴェルナーの首に腕を回して唇を深く合わせると、お尻を掴んだ手に引き寄せられて硬くなったモノを押し付けられた。

「……ん、ヴィー、あのね」
「なんだ?」
「好きでいてくれてありがとう」
「っ、……そんな、そんなこと当たり前だ」
「当たり前じゃないよ。……楽しいだけですまないし。ゴメンね、でもありがとう」

 ヴェルナーが力強く私を抱きしめる。それから横抱きにされベッドに寝かされた。自分のパジャマを乱暴に脱ぎ捨てて、私のパジャマを優しく脱がす。
 頬を撫でる大きな手に手を重ねて頬ずりした。紫色の目にキラキラ見つめられて、照れくさいような嬉しいような気持になる。

「……ああ。……サヤカ、ここにいる……、私を見て」

 顔を撫でるヴェルナーの手にキスをして見つめ返した。

「うん、ヴィー。これからもよろしく」
「サヤカサヤカサヤカっ」

 弾力のある筋肉質の体に抱きしめられ、熱い肌が密着する。唇と舌と手足に絡みつかれ、求められてると実感した。頭を抱き寄せて口の中を掻きまわす舌に応える。
 吸い付かれて唾液を啜られながら、腰が忙しく擦りつけられる。揉みしだかれて潰される乳首はジンジンと疼いた。
 強く吸い付かれる痛みが体に火を灯す。首へ何度も吸い付いては甘噛みし、舌で舐め上げる。指で潰されて甘く疼く乳首を舌で弾かれて体が跳ねた。ヴェルナーの頭を抱えて少し硬い癖毛をくしゃくしゃにかき回す。

「あぁ、ヴィー、っ、……あぁああ、ンぁっ」
「っは、サヤカ、サヤっ、もうっ、っくぅ」

 グニュリと押し込まれたモノはお互いのヌメリで簡単に奥まで届いた。下腹を満たす繋がりに喜びが湧く。

「ヴィー、ん、……嬉しい」
「……っ、ああっ、サヤカっ、愛している、愛している、サヤカ、離さないっ」
「うん、離さないで」

 ギュッと抱き合って、震えるヴェルナーの背中を撫でた。
 きつく抱き合ったまま、腰を押し付けて揺れる。少しも離れずに奥へ押し込むような動きだけで気持ち良い。
 ヴェルナーの荒い息と熱に浮かされた目が官能を押し上げる。首に吸い付かれて湿った呼吸音が愛しい気持ちにさせる。

 ずっと変わらずに私を求めてくれた人。いつも必死になってくれた。私を見てくれる、私のために一生懸命になってくれた人。

「ヴィー、嬉しい。……っぁあ、ヴィー、ぁぁあっぁ」
「はっ、ふっ、……ぅく、サヤカっ、あぁっうぅっ」

 ヴェルナーが叫んで硬直した。私を抱きしめる腕に力が入る。
 潤んでる紫色の目を覗き込む。

「気持ち良い?」
「良い、ああ、とても。サヤカ」

 頬ずりしてくる頭を撫でる。

「死ぬまでそばにいる。死んでからも。サヤカの石は私がもらう」
「あ」
「なんだ?」
「……うーん、精霊王が魔力を貯める石を用意したって言ってたけど、いつ貰えるのかな~と思って」
「え?」
「忘れてるのかな?」
「もしかして、それに貯めておけば誰かが死んだあとも使える?」
「うん、そうみたい。でも見当たらないし、期待しないほうがいいかも」
「精霊王がおっしゃったんだ。きっとくる」
「そうかな?」

 顔中にキスが降る。

「死ぬまで一緒だ」
「ふふ。あ、こど」

 いや、子供のことはまだいいかな。期待して実際できなかったら嫌だし。石が手元にきたら確実だろうから、そのときにしよう。

「なんだ? 子供のことか? それなら気にしなくていい。種族が違えばできないのだから承知の上だ」
「そうなんだ」
「サヤカの見た目は人族だが、異世界の種族なのだから出来なくて当然だとみな思っている。サヤカが欲しければ養子を迎えればいい」
「うん、ヴェルナーも」
「私はサヤカを抱きしめられたら充分だ」

 暖かく逞しい腕の中で安心する。知らない街の新しい生活は不安だけど、一人じゃないから大丈夫。


しおりを挟む
感想 101

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...