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第一章 変わる関係
2話 通学路
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家族での朝食を終えたら由衣と一緒に学校へ向かう。
うちの家族は朝食をみんなで食べるので、家を出る時間も自然と同じになる。
そして同じ学校に行くのだからと、一緒に登校するようになった。
まあ、わざわざ別々に登校する理由も無いしな。
通学時間は徒歩で30分くらい。
自転車で行けばもっと早く着くのだが、朝はゆっくり歩いて行くのが性に合ってる。
由衣と会話しながら歩くのも気に入ってるしな。
「なあ、由衣」
隣を歩いている由衣に話しかける。
「お前さ、部活とか入るつもりないのか?」
こいつは今まで部活というものに入ったことが無い。
小学校、中学校とずっと帰宅部である。
最近は新入生向けに各部活の勧誘も盛んに行われている事だし、興味のある部活とかは無いのかどうなのか気になるところだ。
「んー、特にないかなあ……」
「そうか、じゃあ高校でも何もやらないのか」
「うん……勉強もついていけるか不安だし……」
由衣は少し俯きながらそう言った。
勉強には自信が無いらしい。
思えば高校の受験勉強も俺が付きっ切りで教えたもんだ。
由衣は一人ではなかなか勉強をしようとしないからな。
「よく言うよ。ゲームばっかりやってるくせに」
「そ、そんなことないよ!」
「どうだかな」
由衣はゲーム好きだ。
だいたい空いている時間はゲームをやっていることが多い。
リビングのTVラックにある据え置きゲーム機がお気に入りだ。協力プレイや対戦プレイが出来るやつを好んでやっていて、俺もよく付き合わされる。
まあゲームは嫌いじゃないし楽しいからそれは良いのだが……
「家でゲームも悪くないけどさ、部活とかで青春を感じるのも良いんじゃないか?」
兄としてはさ、もっと活動的に学生生活を満喫して欲しいわけで……
「部活は大変そうだし……」
「その大変なのが良いんじゃないか」
「お兄ちゃんだって部活入ったこと無いくせに……」
確かにその通りだ。俺もずっと帰宅部であった。
しかし今の俺は少し違う。
「俺は生徒会に入ってるし」
そう生徒会である。
しかも副会長だ。
……とは言っても生徒会なんて特にすることも無いんだがな!
名前だけのお飾りだ。
「……どうして急に生徒会なんて……」
何やらブツブツと由衣がつぶやいている。
「部活やってないならさ、放課後とか友達に遊び誘われたりしないのか?」
どっかにスイーツ食いに行ったりとかさ、カラオケ行ったりとか、そのへん女子の交流とか色々あるでしょ。
「家に籠ってゲームしてたって友達出来ないぞ?」
「友達ならいるよ!……もう、失礼な……」
由衣にムッとした表情で返される。
確かに中学校でも友達は多かったな、こいつ。結構すぐに人と打ち解けるタイプだし……
しかしだ、高校でもそう上手くいくとも限らない。人間関係は水物だ。
「本当か?俺は心配だぞ?お前放課後はすぐ家に帰ってくるし、友達付き合いが上手くいって無いんじゃないのか?」
「お兄ちゃんだってすぐ帰ってくるじゃん!」
鋭い突っ込みだ。
まあ生徒会なんて毎日あるわけじゃないしな。確かに俺も学校が終わったら直帰するタイプである。
「俺は男だから大丈夫なんだよ」
「……意味わかんない」
由衣は不満そうに唇を尖らせる。
「ほら女子はそこらへん厳しそうじゃん?帰宅部のくせに付き合いの悪い奴とか思われたら大変じゃないか?」
「……そんなことないよ」
「ハブられるかもしれないだろ?」
俺があーだこーだ言うたびに、由衣の表情が険しくなる。
いかんな、怒らせてしまっているぞ、これは。
「もう、お兄ちゃん過保護すぎ!」
すっかり機嫌を損ねてしまったらしく、由衣はスタスタと歩を早めて行ってしまう。
そして慌ててそれを追いかける俺。
由衣を怒らせたままにしとくと後が怖い。家庭内での居心地が凄く悪くなるんだよ……
「ごめん由衣、言い過ぎた許してくれ、俺が悪かった」
俺が必死に謝ると由衣はピタリと止まり、俺の顔をジトっと見つめて……
「わかればよろしい」
そう言って満面の笑みを返してくれる。
うちの家族は朝食をみんなで食べるので、家を出る時間も自然と同じになる。
そして同じ学校に行くのだからと、一緒に登校するようになった。
まあ、わざわざ別々に登校する理由も無いしな。
通学時間は徒歩で30分くらい。
自転車で行けばもっと早く着くのだが、朝はゆっくり歩いて行くのが性に合ってる。
由衣と会話しながら歩くのも気に入ってるしな。
「なあ、由衣」
隣を歩いている由衣に話しかける。
「お前さ、部活とか入るつもりないのか?」
こいつは今まで部活というものに入ったことが無い。
小学校、中学校とずっと帰宅部である。
最近は新入生向けに各部活の勧誘も盛んに行われている事だし、興味のある部活とかは無いのかどうなのか気になるところだ。
「んー、特にないかなあ……」
「そうか、じゃあ高校でも何もやらないのか」
「うん……勉強もついていけるか不安だし……」
由衣は少し俯きながらそう言った。
勉強には自信が無いらしい。
思えば高校の受験勉強も俺が付きっ切りで教えたもんだ。
由衣は一人ではなかなか勉強をしようとしないからな。
「よく言うよ。ゲームばっかりやってるくせに」
「そ、そんなことないよ!」
「どうだかな」
由衣はゲーム好きだ。
だいたい空いている時間はゲームをやっていることが多い。
リビングのTVラックにある据え置きゲーム機がお気に入りだ。協力プレイや対戦プレイが出来るやつを好んでやっていて、俺もよく付き合わされる。
まあゲームは嫌いじゃないし楽しいからそれは良いのだが……
「家でゲームも悪くないけどさ、部活とかで青春を感じるのも良いんじゃないか?」
兄としてはさ、もっと活動的に学生生活を満喫して欲しいわけで……
「部活は大変そうだし……」
「その大変なのが良いんじゃないか」
「お兄ちゃんだって部活入ったこと無いくせに……」
確かにその通りだ。俺もずっと帰宅部であった。
しかし今の俺は少し違う。
「俺は生徒会に入ってるし」
そう生徒会である。
しかも副会長だ。
……とは言っても生徒会なんて特にすることも無いんだがな!
名前だけのお飾りだ。
「……どうして急に生徒会なんて……」
何やらブツブツと由衣がつぶやいている。
「部活やってないならさ、放課後とか友達に遊び誘われたりしないのか?」
どっかにスイーツ食いに行ったりとかさ、カラオケ行ったりとか、そのへん女子の交流とか色々あるでしょ。
「家に籠ってゲームしてたって友達出来ないぞ?」
「友達ならいるよ!……もう、失礼な……」
由衣にムッとした表情で返される。
確かに中学校でも友達は多かったな、こいつ。結構すぐに人と打ち解けるタイプだし……
しかしだ、高校でもそう上手くいくとも限らない。人間関係は水物だ。
「本当か?俺は心配だぞ?お前放課後はすぐ家に帰ってくるし、友達付き合いが上手くいって無いんじゃないのか?」
「お兄ちゃんだってすぐ帰ってくるじゃん!」
鋭い突っ込みだ。
まあ生徒会なんて毎日あるわけじゃないしな。確かに俺も学校が終わったら直帰するタイプである。
「俺は男だから大丈夫なんだよ」
「……意味わかんない」
由衣は不満そうに唇を尖らせる。
「ほら女子はそこらへん厳しそうじゃん?帰宅部のくせに付き合いの悪い奴とか思われたら大変じゃないか?」
「……そんなことないよ」
「ハブられるかもしれないだろ?」
俺があーだこーだ言うたびに、由衣の表情が険しくなる。
いかんな、怒らせてしまっているぞ、これは。
「もう、お兄ちゃん過保護すぎ!」
すっかり機嫌を損ねてしまったらしく、由衣はスタスタと歩を早めて行ってしまう。
そして慌ててそれを追いかける俺。
由衣を怒らせたままにしとくと後が怖い。家庭内での居心地が凄く悪くなるんだよ……
「ごめん由衣、言い過ぎた許してくれ、俺が悪かった」
俺が必死に謝ると由衣はピタリと止まり、俺の顔をジトっと見つめて……
「わかればよろしい」
そう言って満面の笑みを返してくれる。
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