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92)錯覚
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「ここ?」
「あっ、あっ……そこは……!」
舌先でくすぐられると、ささやかすぎるその快楽にピクピクと雄芯が震える。
そのままチロチロと先端ばかりを舐められて、溢れ出る先走りを鈴口の真ん中に擦り付けるように塗り拡げられた。
「ココ、敏感だね」
そう囁かれた直後に雁首のあたりまでを軽く口に含まれて、その温もりと柔らかさに蕩ける。
詩月様の時のような強烈な快楽とは真逆の、くすぐるような繊細な愛撫。
快楽を与えるため――というよりは、大切なものを優しく包み込んでいるかのような心地よさだった。
けれどもその舌は次第に私の熱茎に絡み付いて、喉の奥で先端の鈴を揺らすように上下し始めると、私はその甘く濃厚な気持ちよさに酔う。
律火様の行為は一つ一つが優しく、そして柔らかく甘い。
だから、『あるはずがない』とわかっていても、まるでそこに愛があるかのように……私は錯覚してしまいそうだった。
「んっ……ふ、っ」
下半身にジン……と熱が集まっていく。
けれどそれと同時に、胸のあたりにも熱が集まるのが自分でも分かった。
もっともっと――気持ち良くなりたい。
けれど……それ以上に私が欲しいと思ってしまったもの。
それは、律火様に愛されているような――その甘い錯覚だった。
そして同じように――律火様に、私の好意を知って頂きたい……。
そう思った私は、律火様の柔らかな髪に指を伸ばして、やんわりと撫でる。
「りっ、か……様……ぁっ」
こんな時、どうしたら私の想いは律火様に伝わるのだろう……。
考えたいのに、気持ち良くなるほどに思考に霞がかかるから困る……。
結局たっぷり時間をかけて、その部分を口と舌で優しく愛撫され――けれどもイかせてはもらえなくて。
流石に辛くなってきた私は、勇気をだして口を開く。
「あ、あの……律火様っ。も、イキ……たい……です」
今までも、律火様には散々焦らされてきた。
いつもの自分ならば『自分だけ気持ちよくしてもらおうだなんて』という気持ちで、抑えていたと思う。
けれども今日は、それを口にしても許される気がした。だから――。
「その言葉を、ずっと待ってた」
「――――!」
律火様は嬉しそうにそうお答えになられて、私のその部分を深く口に含まれる。
口腔内で一定のリズムで抜き差しされると、先の口淫で敏感になりきった熱茎がジンジンと疼いて限界を訴えた。
「あっ、あっ。も、ダメです……すぐに……出ちゃ……っ」
『もう出てしまいそうだから、口を離して欲しい』。
そう訴えたつもりだったのに、律火様には上手く伝わらなかったようだ。
「――ッ、ぁ!」
突然全体をちゅぅっと吸われて、私は咄嗟に自分の太ももをつねった。
いくらなんでも、律火様の口の中に出す訳にはいかない。
すると律火様は太ももをつねる私の手を掴み封じると、なおもいやらしい舌使いで私のそれを刺激する。
「やっ、待っ……律火さ、ダメです……ほんとにっ、も……っ」
頭を左右に振って気を散らそうとしてみたり、唇を噛んでみたけれど、絶頂に上り詰める自分を止めることは出来ない。
「だめ、だめです……っ、も、離してくださ……、出ちゃ……ぁぁっ、い、イッ……っ、イ……ぃっ」
下顎と太ももが小さく震え、腰が浮いて勝手に浮きあがる。
今にも達する……と思ったその瞬間。
そそり勃つ根元を軽く指の輪で締めるようにしながら、律火様がようやくその部分を解放してくださった。
「あ、あ……。りっ、り……ッ」
「ふふ、ごめんごめん。日和さんがあまりに可愛いから、本来の目的を忘れてやりすぎちゃった。イカせてあげたかったけど、今日はまだイッちゃダメ」
「……?」
「だって……するんでしょう? 宿題」
「――!」
――恥ずかしながら……あまりの心地良さにすっかり忘れるところだった。
律火様が根元を締めたのは、恐らく私が勝手に果ててしまわないように、ということなのだろう。
「しょう……ち、しま……た」
「いい子だね。ごめん、辛いよね……。深呼吸して、力を抜いてみて」
「はい……」
「うん、上手」
律火様の口の中に出してしまわずに済んだ事にはホッとしたけれど、直前でイキ損ねた性器はやはり辛い。
そんな私の頭を優しく撫でて下さった律火様は、ご自身が着ていたシャツの首元を優雅な仕草でお緩めになった。
その仕草があまりにも色っぽくて、私はドキドキしながらそのさまに見とれていた。
「あっ、あっ……そこは……!」
舌先でくすぐられると、ささやかすぎるその快楽にピクピクと雄芯が震える。
そのままチロチロと先端ばかりを舐められて、溢れ出る先走りを鈴口の真ん中に擦り付けるように塗り拡げられた。
「ココ、敏感だね」
そう囁かれた直後に雁首のあたりまでを軽く口に含まれて、その温もりと柔らかさに蕩ける。
詩月様の時のような強烈な快楽とは真逆の、くすぐるような繊細な愛撫。
快楽を与えるため――というよりは、大切なものを優しく包み込んでいるかのような心地よさだった。
けれどもその舌は次第に私の熱茎に絡み付いて、喉の奥で先端の鈴を揺らすように上下し始めると、私はその甘く濃厚な気持ちよさに酔う。
律火様の行為は一つ一つが優しく、そして柔らかく甘い。
だから、『あるはずがない』とわかっていても、まるでそこに愛があるかのように……私は錯覚してしまいそうだった。
「んっ……ふ、っ」
下半身にジン……と熱が集まっていく。
けれどそれと同時に、胸のあたりにも熱が集まるのが自分でも分かった。
もっともっと――気持ち良くなりたい。
けれど……それ以上に私が欲しいと思ってしまったもの。
それは、律火様に愛されているような――その甘い錯覚だった。
そして同じように――律火様に、私の好意を知って頂きたい……。
そう思った私は、律火様の柔らかな髪に指を伸ばして、やんわりと撫でる。
「りっ、か……様……ぁっ」
こんな時、どうしたら私の想いは律火様に伝わるのだろう……。
考えたいのに、気持ち良くなるほどに思考に霞がかかるから困る……。
結局たっぷり時間をかけて、その部分を口と舌で優しく愛撫され――けれどもイかせてはもらえなくて。
流石に辛くなってきた私は、勇気をだして口を開く。
「あ、あの……律火様っ。も、イキ……たい……です」
今までも、律火様には散々焦らされてきた。
いつもの自分ならば『自分だけ気持ちよくしてもらおうだなんて』という気持ちで、抑えていたと思う。
けれども今日は、それを口にしても許される気がした。だから――。
「その言葉を、ずっと待ってた」
「――――!」
律火様は嬉しそうにそうお答えになられて、私のその部分を深く口に含まれる。
口腔内で一定のリズムで抜き差しされると、先の口淫で敏感になりきった熱茎がジンジンと疼いて限界を訴えた。
「あっ、あっ。も、ダメです……すぐに……出ちゃ……っ」
『もう出てしまいそうだから、口を離して欲しい』。
そう訴えたつもりだったのに、律火様には上手く伝わらなかったようだ。
「――ッ、ぁ!」
突然全体をちゅぅっと吸われて、私は咄嗟に自分の太ももをつねった。
いくらなんでも、律火様の口の中に出す訳にはいかない。
すると律火様は太ももをつねる私の手を掴み封じると、なおもいやらしい舌使いで私のそれを刺激する。
「やっ、待っ……律火さ、ダメです……ほんとにっ、も……っ」
頭を左右に振って気を散らそうとしてみたり、唇を噛んでみたけれど、絶頂に上り詰める自分を止めることは出来ない。
「だめ、だめです……っ、も、離してくださ……、出ちゃ……ぁぁっ、い、イッ……っ、イ……ぃっ」
下顎と太ももが小さく震え、腰が浮いて勝手に浮きあがる。
今にも達する……と思ったその瞬間。
そそり勃つ根元を軽く指の輪で締めるようにしながら、律火様がようやくその部分を解放してくださった。
「あ、あ……。りっ、り……ッ」
「ふふ、ごめんごめん。日和さんがあまりに可愛いから、本来の目的を忘れてやりすぎちゃった。イカせてあげたかったけど、今日はまだイッちゃダメ」
「……?」
「だって……するんでしょう? 宿題」
「――!」
――恥ずかしながら……あまりの心地良さにすっかり忘れるところだった。
律火様が根元を締めたのは、恐らく私が勝手に果ててしまわないように、ということなのだろう。
「しょう……ち、しま……た」
「いい子だね。ごめん、辛いよね……。深呼吸して、力を抜いてみて」
「はい……」
「うん、上手」
律火様の口の中に出してしまわずに済んだ事にはホッとしたけれど、直前でイキ損ねた性器はやはり辛い。
そんな私の頭を優しく撫でて下さった律火様は、ご自身が着ていたシャツの首元を優雅な仕草でお緩めになった。
その仕草があまりにも色っぽくて、私はドキドキしながらそのさまに見とれていた。
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