元・愛玩奴隷は愛されとろけて甘く鳴き~二代目ご主人様は三兄弟~

唯月漣

文字の大きさ
93 / 108

93)教えてあげる(律火視点)

しおりを挟む
 ぼんやりと僕の方を見ている日和さんを尻目に、僕はワイシャツのボタンを緩めて少し腕まくりをする。

 今すぐにだってイキたいはずなのに、自分で続きをすることもせずジッと僕を待つ日和さんは、本当に可愛い。

 彼は素直で、世間知らずで……純粋すぎる。
 契約社員の期間である一年を経てここを出た後の彼の人生が、心配になるほどに。

 僕は立ち上がって、机の傍に置き去りにしていた鞄を開ける。
 そこにいつも入れていたものを掴むと、不安げにこちらを見る日和さんにふわりと微笑みかけた。

 百戦錬磨の詩月との行為の後だから……もしかしたら日和さんは、僕が怖い大人の玩具でも出してくると思っているかもしれない。
 笑顔を作ったのは、そんな日和さんを無為に怖がらせないようにするためだ。


「それは……?」
「折り畳みの手鏡だよ。今後日和さん一人でも宿題が出来るように、これから僕がするをよーく見ていてね」


 そう言って、僕は日和さんの両足の間に折り畳みの鏡を立てて置いた。


「……!」
「この角度で見えてる?」
「は、はい……」


 日和さんはそう返事をし、恥ずかしいのか少しだけ鏡面から視線を逸らす。
 僕は日和さんの背後に回り込んで、日和さんの肩越しに鏡の中を確認する。
 
 鏡面には、固くそそり立つ日和さんの欲望の印と――その下に息づく、ピンク色の蕾が映し出されていた。

 
「色素が薄いとは思っていたけど、日和さんはこんな所までピンク色なんだね」
「すみません……」
「どうして謝るの? 可愛いよ」
 

 恥ずかしさが極まって、日和さんが息を飲むのが分かる。けれども、やめてあげる気なんて勿論ない。


「んー、ちょっと体の角度が悪いね。もっとよく見えるように、今日はお尻の下に枕を挟もうか。日和さん、お尻を上げて」
「――っ、はい……」


 僕のこんな恥ずかしい欲求にも素直に従う所が、また可愛い。
 
 きっと真面目な日和さんの事だから、『律火様は自分の為を思ってして下さっている』とでも思っていそうだ。

 お尻の下に枕を挟むと、必然的に後ろに座る僕の体に日和さんがもたれる形になる。
 
 慌てて起き上がろうとする日和さんを抱き寄せて、彼の弱点である耳元にキスを落とした。


「いい? 始めるよ。力を抜いて……。なるべく優しくするけど、痛みがあったら教えてね」
「は、はい……」


 日和さんが頷くのを確かめてから、僕はローションのチューブを掴んで、日和さんのへその辺にたっぷりとその中身を垂らした。
 その冷たさにピクンと反応する感度の良さもまた、愛らしい。

 その粘りを右手の指に絡め取ると、そっと薄い下生えをかき分けて探った。


「ココを拓く時はね。まずは体をリラックスさせて……さっきみたいに前を少し触って。それからゆっくり後ろを探る」
「ん……はい」
「焦って、いきなり指を挿れようとしてはダメ。まずは周りのヒダにローションを馴染ませて――見えてる?」


 そう言いながら、僕は日和さんの窄りを作るヒダに丁寧にローションを塗り込んでいく。

 にちゅにちゅと卑猥な音が立つように捏ねているのは、わざとだ。
 
 くすぐるように指の先で中心部をいやらしく撫でたり、親指と中指で蕾を揉むようにしてマッサージをしてみたり。

 純粋な日和さんは、痛みを軽減するためのマッサージだからと耐えているようだれど――。
 首元まで真っ赤になって恥ずかしがっている所がたまらなくて、ついついもてあそんでしまう。


「あっ……はぁっ、りっ……んっ」
「ローションが馴染んできたね。感じてくると、ココが緩むんだ。そのタイミングで真ん中に指を軽くつき立てると…………ほら」


 ――つぷん……と日和さんの中に侵入する僕の中指。けれども横目で日和さんを見ると、彼は恥ずかしさのあまり目を瞑ってしまっていた。


「ダメだよ、日和さん。目を開けて、ちゃんと見ていないと」
「……あ、すみませ……」
「うん。もう一回やるから、ちゃんと見てて」


 僕はきっと、日和さんが思うよりもずっと……意地悪な人間だ。

 お尻の穴は出入口が一番神経が集まっていて、敏感に出来ている。

 それを知っていて、指の先数センチを蕾に潜り込ませ、くにくにと動かしては抜き。
 敢えてごく浅く出し入れして、日和さんの反応を楽しんでいるのだから。


「あっ、あっ……」
「痛い?」
「くすぐった……ぃ、ような……変な感じ、です」
「そう、良かった。見て? こうして出し入れしても、全然抵抗がなくなったでしょう?」
「んっ……」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

処理中です...