元・愛玩奴隷は愛されとろけて甘く鳴き~二代目ご主人様は三兄弟~

唯月漣

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93)教えてあげる(律火視点)

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 ぼんやりと僕の方を見ている日和さんを尻目に、僕はワイシャツのボタンを緩めて少し腕まくりをする。

 今すぐにだってイキたいはずなのに、自分で続きをすることもせずジッと僕を待つ日和さんは、本当に可愛い。

 彼は素直で、世間知らずで……純粋すぎる。
 契約社員の期間である一年を経てここを出た後の彼の人生が、心配になるほどに。

 僕は立ち上がって、机の傍に置き去りにしていた鞄を開ける。
 そこにいつも入れていたものを掴むと、不安げにこちらを見る日和さんにふわりと微笑みかけた。

 百戦錬磨の詩月との行為の後だから……もしかしたら日和さんは、僕が怖い大人の玩具でも出してくると思っているかもしれない。
 笑顔を作ったのは、そんな日和さんを無為に怖がらせないようにするためだ。


「それは……?」
「折り畳みの手鏡だよ。今後日和さん一人でも宿題が出来るように、これから僕がするをよーく見ていてね」


 そう言って、僕は日和さんの両足の間に折り畳みの鏡を立てて置いた。


「……!」
「この角度で見えてる?」
「は、はい……」


 日和さんはそう返事をし、恥ずかしいのか少しだけ鏡面から視線を逸らす。
 僕は日和さんの背後に回り込んで、日和さんの肩越しに鏡の中を確認する。
 
 鏡面には、固くそそり立つ日和さんの欲望の印と――その下に息づく、ピンク色の蕾が映し出されていた。

 
「色素が薄いとは思っていたけど、日和さんはこんな所までピンク色なんだね」
「すみません……」
「どうして謝るの? 可愛いよ」
 

 恥ずかしさが極まって、日和さんが息を飲むのが分かる。けれども、やめてあげる気なんて勿論ない。


「んー、ちょっと体の角度が悪いね。もっとよく見えるように、今日はお尻の下に枕を挟もうか。日和さん、お尻を上げて」
「――っ、はい……」


 僕のこんな恥ずかしい欲求にも素直に従う所が、また可愛い。
 
 きっと真面目な日和さんの事だから、『律火様は自分の為を思ってして下さっている』とでも思っていそうだ。

 お尻の下に枕を挟むと、必然的に後ろに座る僕の体に日和さんがもたれる形になる。
 
 慌てて起き上がろうとする日和さんを抱き寄せて、彼の弱点である耳元にキスを落とした。


「いい? 始めるよ。力を抜いて……。なるべく優しくするけど、痛みがあったら教えてね」
「は、はい……」


 日和さんが頷くのを確かめてから、僕はローションのチューブを掴んで、日和さんのへその辺にたっぷりとその中身を垂らした。
 その冷たさにピクンと反応する感度の良さもまた、愛らしい。

 その粘りを右手の指に絡め取ると、そっと薄い下生えをかき分けて探った。


「ココを拓く時はね。まずは体をリラックスさせて……さっきみたいに前を少し触って。それからゆっくり後ろを探る」
「ん……はい」
「焦って、いきなり指を挿れようとしてはダメ。まずは周りのヒダにローションを馴染ませて――見えてる?」


 そう言いながら、僕は日和さんの窄りを作るヒダに丁寧にローションを塗り込んでいく。

 にちゅにちゅと卑猥な音が立つように捏ねているのは、わざとだ。
 
 くすぐるように指の先で中心部をいやらしく撫でたり、親指と中指で蕾を揉むようにしてマッサージをしてみたり。

 純粋な日和さんは、痛みを軽減するためのマッサージだからと耐えているようだれど――。
 首元まで真っ赤になって恥ずかしがっている所がたまらなくて、ついついもてあそんでしまう。


「あっ……はぁっ、りっ……んっ」
「ローションが馴染んできたね。感じてくると、ココが緩むんだ。そのタイミングで真ん中に指を軽くつき立てると…………ほら」


 ――つぷん……と日和さんの中に侵入する僕の中指。けれども横目で日和さんを見ると、彼は恥ずかしさのあまり目を瞑ってしまっていた。


「ダメだよ、日和さん。目を開けて、ちゃんと見ていないと」
「……あ、すみませ……」
「うん。もう一回やるから、ちゃんと見てて」


 僕はきっと、日和さんが思うよりもずっと……意地悪な人間だ。

 お尻の穴は出入口が一番神経が集まっていて、敏感に出来ている。

 それを知っていて、指の先数センチを蕾に潜り込ませ、くにくにと動かしては抜き。
 敢えてごく浅く出し入れして、日和さんの反応を楽しんでいるのだから。


「あっ、あっ……」
「痛い?」
「くすぐった……ぃ、ような……変な感じ、です」
「そう、良かった。見て? こうして出し入れしても、全然抵抗がなくなったでしょう?」
「んっ……」
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