【完】クールな貴方がくれたのは、サディスティックな溺愛でして

唯月漣

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5)だって好きだから!

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 ひやりと陰部に冷たさを感じて、すぐにローションを垂らされたのだと気が付いた。
 先生の手で塗り込められててらりと光る冷たいその液体は、情欲で熱くなった皮膚に浮かされてすぐに体温に染まる。

 蕾の周りを捏ね回すようにしてなぞっていた先生の指先が、ローションのぬめりを借りてツプリと中心に埋め込まれた。


「痛いようなら教えて下さい」


 そんな優しい言葉とは裏腹に、先生の指は大胆に奥深くへと侵入してくる。
 根本まで深々と突き刺さったそれは、狭く締まる小径をかき分けるようにくにくにと内部でうごめく。


「あっ、せんせ……こわ、いっ」
「痛いですか?」
「痛く、ないっ……けど、なんか変……っ」


 自分の体の中で先生の指が、ゆっくりと円を描くように粘膜をなぞる。一度抜かれた指がローションを絡め取って再びぬぷりとナカに入り込んで、僕の内部を探った。


「ひ、ぁ……っ」
「いい子ですね。ニ本目を入れますから、前の快楽に集中していて下さいね」


 違和感に眉根を寄せる僕にそう囁いた先生は、性器に巻きつけられたローターを"中"に強めた。
 ぶぅん、という電子音が僕の耳に届くと当時に、落ち着きを取り戻しかけていた性器へ強烈な快楽が走る。


「あっ、あっ、無理……気持ちい、い……」


 無機質な機械から与えられる、クラクラする程の快楽。それは僕の思考を一気に麻痺させて、叶わぬ射精への欲求を一層強くする。
 いやらしく腰を揺らす僕を、先生は楽しげに見つめている。鈴付きのクリップからはみ出した乳首の先端を舌先でくすぐって、脇からへそにかけての薄い皮膚を舌の腹で舐め上げる。唾液に濡れた皮膚にかかる先生の吐息すら、僕は敏感に感じて高ぶってしまう。


「ああ、後ろが弛んで来ましたね。いい子です」


 先生は、まるで授業の時のように優しくそう言って、二本目の指を滑り込ませた。それを難なく受け入れてしまう自分に驚きつつも、僕は声が抑えられず喘ぐ。


「ひ、ぁあ……ッ」


 二本の指が別々の動きで蕾を解すように内部で蠢くのが分かったけれど、もはや僕の頭は射精への欲求でいっぱいだった。
 双玉の根本をベルトで締められて、前に突き出る形でひしゃげ、限界を超えて勃ちあがったモノにベルトが食い込み、痛む。けれどそれすらも、今の僕にはたまらない。
 何より、そんな恥ずかしい僕の姿を、大好きな先生が見ている。そう思うだけで、思考や理性が身体の中で固形を保てなくなるほど熱く蕩けて、与えられる快楽と溶け合って興奮に変わった。


「シン君の中、ぬるぬると締まってとてもいやらしいですよ」
「んん、せんせ……ぃ、っ。も……っ」
「もっと欲しいんですか? シン君は積極的なんですね」
「ちっ、ちが……ぁっ、はぁっ……」


 息も絶え絶えに答えた僕は、自分の中に先生の指がいやらしく出入りする度に浅ましく腰を揺らして更なる快楽をねだる。
 二本の指が左右に何度か大きく広げられるような感覚があったので、いよいよ三本目の指が来るかと僕は期待していた。
 けれど先生はあっさりと僕の期待を裏切って、二本の指をそこから抜いてしまった。


「えっ……なん、で……っ」
「ここから先は現国のお仕置きだからです。今からこれを使いますが、どうしても耐えられないほど苦しかったら教えて下さい」


 先生はそう言って、数あるおもちゃの中からワインオープナーのようなT字の器具を取り出した。
 鈍い銀色に光るその器具は、ワインオープナーならば螺旋状のスクリューになっているであろう部分が、銀色の球が五つ連なったものになっている。連なるそれの先端の球は小ぶりの飴玉ほどだが、持ち手に近づくに従ってそれは徐々に大きくなっている。根本の球はゴルフボール程もあって、僕は慌てて足を閉じた。


「そんなの、挿入らない……っ。怖い……っ」
「やめますか? これでも私のモノよりは大分小ぶりなんですけどね」
「あ……」


 先生の言葉に、僕は初めて先生の股間に目をやった。裸になるどころかしっかり服を着込んだままの先生のその股間には、大きな膨らみが出来ていた。
 その膨らみを僕のむき出しの太ももに軽く押し当てるようにした先生は、その硬さや大きさを僕に示すように擦り付ける。
 明らかに硬い芯を持つ熱棒の感覚が布越しに伝わって、先生が僕の痴態に興奮してくれているのが分かる。
 好きとすら言ってくれない先生が、自分に興奮してくれている……。そう思ったら、心臓が嬉しさにきゅんきゅんと騒ぎ出した。


「やっ、やります。怖いけど、先生にならされても良いです……だって、先生が大好きだから」
「シン君……」


 僕の答えに少し驚いたような表情を見せた先生だったけれど、すぐにクールないつもの表情に戻った先生は、その器具にローションをたっぷりと絡めた。
 不安な顔でそれを見つめていた僕に気が付いたらしい先生が、フッと僕に向かって僅かに微笑んだ。


「シン君は本当に良い子ですね。キチンと慣らせば痛みはありませんから、力を抜いていて下さいね」


 僕がコクリと頷くと同時に、体内に小さな異物がゆっくりと侵入してきた。先生の言葉通り痛みはなく、窄まりをゆっくりと器具で押し広げられる感覚と、徐々に増す異物感がある。


「ん……、せんせ……っ」
「今半分程挿入っていますよ。苦しくないですか?」
「へい、き」


 異物感を無視して、僕は微笑みを浮かべてそう答えた。先程までのようにお仕置きにただ耐えているならば、無理に微笑んだりしない。
 ココを慣らすのは、いずれ先生のものを受け入れるため。大好きな先生と、繋がるため。
 そう思ったら、先生に与えられた玩具の異物感すら愛おしく思えてしまう。


「ああ……シン君は本当に可愛いですね……」
「えっ……?」
「ああ。すみません、なんでも」


 先生が小さな声で何か呟いたようだったけれど、その声は他ならぬ僕の喘ぎ声で掻き消された。
 だって先生が再び僕のペニスを握って、ローターごとゆるゆると扱いたから。


「あっ、あっ……ダメぇっ、だめ、……ぇっ」


 既に先端から漏れ出した透明なぬめりで、僕の性器は濡れていた。手のひらで包まれて先走りごと擦られると、ぞわりと鋭い興奮が先端から心臓までを駆け抜けて、その先端からさらなる蜜をこぼす。
 本来ならばもうとっくに達しているであろう猛った熱は、痛いほどにじんじんと疼く。


「おねが、い……っ、イキたい……っ、これっ、も、取っ……て」


 恥じらいすら投げうって僕がそう懇願すると、先生はペニスの根本に巻きつけていたベルトをようやく弛めてくれた。堰き止められていたらしい濁りかけの先走りがトロトロと溢れて、先端からこぼれ落ちて流れた。
 僕が前に気を取られていた隙に、先生はお尻に入れていた玩具にグッと力を込めた。
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