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2章
アナザーゲートキーパーズ 『行動の選択』
しおりを挟む建設現場
少年C父の前に少年Cが立つ 少年C父が黙って見詰める 少年Cが表情を困らせ視線をめぐらせる ユウヤが横に立って言う
「捜索願の出されていた息子さんを保護して参りました どうか…」
少年C父が言う
「何処へ行ってた?」
ユウヤの後ろに居る少年Bと少女Aが驚き 少女Aが少年Bへ怯えて縋る 少年Cが言う
「…その …他の連中と一緒にアウターサイドの…」
少年C父が言う
「何でだ?」
少年Cが一瞬驚き 顔を上げて言う
「な、何でって…っ それは… 親父だって知ってんだろっ!?俺は…っ!」
少年C父が言う
「ヴァンパイアになったって?」
少年Cが一瞬反応してから視線を逸らして言う
「っ… そうだよっ だから…!」
少年C父が言う
「だから何だ?」
少年Cが驚いて言う
「な…!?何ってっ!?ヴァンパイアだぞ!?知らねぇのかよ!?人間の血を吸うんだぜ!?…そんな化け物に…っ」
少年C父が少年Cを殴る ユウヤと少年Bと少女Aが驚く 少年Cが地面に倒れ殴られた頬を押さえつつ言う
「何すん…」
少年C父が怒って言う
「馬鹿野郎っ!!誰が化け物だっ!?お前は俺と死んだ母ちゃんの息子だろうっ!?」
少年Cが驚いて目を見開く 少年C父が言う
「そのお前も他のガキ共も立派に育てると俺は母ちゃんに約束したんだ!それなのに勝手に家を出て行きやがってっ!そのまま何の役にも立たねぇ馬鹿警察どもに退治なんかされてみろっ!俺はあの世で母ちゃんに合わせる面がねえってもんだっ!」
ユウヤが苦笑して思う
(何の役にも立たねぇ馬鹿警察ども… 俺… その警察の制服を着て目の前に居るんだけど…)
少年Cが表情を困らせ視線を逸らして言う
「わ… 悪かったよ親父… けど俺だってどうしたら良いか分かんなくって それで… …っ!?」
少年Cが驚く 少年C父が少年Cを抱き締めている 少年Cが呆気に取られて言う
「お…」
少年C父が言う
「だからいつも言ってるだろっ お前は俺に似て馬鹿なんだ その頭で考えたって何の知恵も出やしねぇっ!…だったら素直に父ちゃんに頼れば良いんだっ この馬鹿息子が…っ」
少年C父が涙を堪える 少年Cが苦笑し目頭に涙をためつつ言う
「な… 何言ってんだよ… 親父だって馬鹿なんだろ?だったら… その親父に相談したってしょうがねぇじゃん?それより… 泣くなよ?それに …苦しいって」
少年C父が言う
「これ位で苦しいなんて言いやがるなっ こっちは今までずっと…っ もっともっと苦しい思いをしてたんだっ …また俺は助けられねぇのかってなっ!」
少年Cが目を見開く 少年C父が腕の力を抜いて 片手で流れる涙を抑える 少年Cが少年C父の残された腕を意識して疑問して思う
(あれ…?腕の力は入ってねぇのに…?何だ?何で… 俺はこんなに苦しいんだ?…息苦しい まだ胸が押さえつけられているみてぇに… さっきよりも… なんで…?)
少年C父が涙を抑えていた手で自分の胸を押さえて 顔を左右に振りながら言う
「まったく心配を掛けやがって この馬鹿ヴァンパイア息子がっ」
少年C父が少年Cの頭を小突く 少年Cが痛がって言う
「痛てっ!…う、うるせぇなっ こっちだって好きでヴァンパイアになった訳じゃねぇんだよ…っ むしろ… 俺は… 家族に迷惑を掛けたくねぇって… それで…」
少年C父が言う
「馬鹿言ってんじゃねぇっ 迷惑って言うのはなぁ!他人に掛けるものを言うんだっ!家族の間に迷惑なんて言葉はねぇっ!」
少年Cが驚いて少年C父を見上げる ユウヤが微笑して思う
(良かった… お父さんは彼を受け入れてくれた …いや、受け入れるも何も最初から彼らは家族なんだ これならもう…)
少年Cが苦笑して言う
「ああ… そうだな …悪かったよ …俺 自分だけが苦しいんだって思ってた… けど…」
少年C父が自分の作業着の首元を引いて言う
「ほらっ 吸いたきゃ さっさと吸えっ 人様の首になんざ吸い付くんじゃねぇぞっ このヴァンパイア息子がっ」
少年Cが衝撃を受け言う
「あっ い、いやっ それは い、良いよ…っ」
少年C父が衝撃を受け怒って言う
「ああっ!?何だとっ!?」
少年Cがハッとして言う
「あ、いや、その…っ」
少年C父が怒って言う
「父ちゃんの血が吸えねぇってぇのかっ!?それでもヴァンパイアかっ!?お前はっ!?」
少年Cが慌てて言う
「そりゃ…っ ヴァンパイアはヴァンパイアなんだけど…」
少年C父が言う
「だったら何で吸えねぇんだっ!?まさか美女が相手じゃないと吸えねぇとか言うのかっ!?父ちゃんはお前を そんな選り好みする様なヴァンパイアに育てた覚えはねぇっ!」
少年Cが慌てて言う
「いや、そう言う訳でも… ってぇかヴァンパイアに育てられた覚えもねぇけどさっ!?」
少年C父が凄んで言う
「だったらちゃんと吸わねぇかっ!?栄養不足で死なれたりしたら俺はあの世で母ちゃんになんて言い訳したら良いんだ!?俺はガキどもに満足な食事だけは欠かした事はねぇっ!」
少年Cが言う
「ああ それは分かってるし、知ってるよ… けど、そうじゃなくて …今やっと分かった …ヴァンパイアのセンパイに聞いたんだよ …ヴァンパイアは本当は人間の血なんか吸わなくても生きて行けるんだって」
少年C父が疑問して言う
「うん?ヴァンパイアが血を吸わねぇなんて聞いた事もねぇぞ?」
少年Cが言う
「ああ、俺だってそうだ …いや、そうだった けど、そうなんだって… 話を聞いた時は分からなかったけど今なら分かる …こうやって父ちゃんの傍に居ると… その… …癒されるっつうの?なんってぇか… 満腹になるよ?満足出来る… だから… これで良いのかも知れねぇ …喉も渇かねぇし?」
少年Cが少年C父を見上げる ユウヤが気付いて思う
(それは俺もヴィンから聞いた事だ… そうかこう言う事だったのか 俺もようやく…)
少年C父が呆気に取られた後気付いて言う
「…!…そうか、そう言やぁ俺も聞いた事があるな?」
少年Cが驚いて言う
「え?父ちゃんも?」
ユウヤが疑問して思う
(え?彼のお父さんが?だってお父さんは人間なのに…?一体誰からっ!?)
少年C父が言う
「死んだ母ちゃんが言ってたぜ?」
ユウヤが思う
(それも彼のお母さんが!?何故知って…っ!?)
少年C父が言う
「”子供は愛情で育てるんだ”ってな?」
少年Cとユウヤが衝撃を受け ユウヤが苦笑して思う
(え?い、いや?それとこれとは…?)
少年Cが呆気に取られたまま言う
「そ、そうなのか?それじゃ母ちゃんは知ってたのかよっ!?」
ユウヤが苦笑して思う
(いや、それは違うと思うんだけど…?)
少年C父が言う
「何てこったっ 愛情で育てると人間はヴァンパイアになっちまうのか…っ だがまぁそれで育っちまったならこれからもその愛情とやらで育ててやるから家にはちゃんと帰って来い兄弟たちも待ってるぞ?お前は姉ちゃんにも兄ちゃんにも弟にも妹にも好かれてやがるからな…?あぁそのせいか?ちっと愛情が多過ぎやがったな?…まぁしょうがねぇ」
少年Cが嬉しそうに苦笑して言う
「なら俺もう人の血なんか吸わなくて良いんだな?それに そういう事だったんなら家に帰ったら満腹で動けなくなっちまいそうだ」
少年C父が言う
「だったらさっさと手伝いやがれ!ヴァンパイア息子っ お前が家出なんかしやがったお陰でこっちは仕事が立て込んでるんだぞ!」
少年Cが言う
「え?だって… 兄貴は?」
少年Cが周囲を見る 少年C父が仕事へ戻りつつ言う
「あいつは先週から別の大工の頭領の所へ修行に行かせてる …だから こっちの人手が足りなくて参ってんだ作業工程も2日も3日も遅れちまって…」
少年Cが驚いて言う
「そ、そりゃ大変じゃないかっ 作業工程が3日以上遅れたら信用無くなっちまうよっ 建設業は納期が絶対だろ!?」
少年C父が言う
「だから手伝えって言ってんだろうっ?早くしろっ」
少年Cが言う
「ああ!分かったっ それじゃ…」
少年C父が言う
「…さっさと着替えて来い そのなりじゃ木材だって運べやしねぇ」
少年Cが自分の学生服を見てから言う
「え?…けど俺の」
少年C父が顔を向けないまま言う
「お前の作業着なら… いつも通り簡易休憩所のロッカーに入ってる」
少年Cが驚く 少年C父が言う
「…だからさっさと着替えて来い …忙しいって言ってるだろっ!?」
少年Cが苦笑してから言う
「ああっ 分かったよっ クソ親父っ!」
少年Cが事務所に向かおうとして ハッとして慌ててユウヤへ向き直って言う
「…あっ!て、てぇ~ 事だから?俺… その…」
ユウヤが微笑して頷いて言う
「うんっ お父さんを手伝ってあげないとだろ?」
少年Cが微笑して言う
「ああ!そうするよ!それでその… ユウヤさん?」
ユウヤが疑問して言う
「うん?」
少年Cがユウヤへ向いて照くさそうに言う
「…有難う」
ユウヤが呆気に取られた後微笑して言う
「どう致しまして!…さぁ早く着替えに行っておいで?」
少年Cが微笑して言う
「はいっ!」
少年Cが一度仲間たちを見てから 苦笑して言う
「またな!お前ら!」
少年Bが苦笑して言う
「ああ」
少女Aが言う
「頑張れ!ヴァンパイア息子!」
少年Cが苦笑して言う
「おうっ」
少年Cが走って行く ユウヤと少年Bと少女Aが微笑して ユウヤが向き直りながら言う
「それじゃ次は…」
少年C父が言う
「ユウヤさん …って言ったか?」
ユウヤが反応して向き直って言う
「あ、はい この度は捜索願を受理してからのご心配を長引かせてしまいまして…」
少年C父が言う
「アンタは警察の格好をしているが」
ユウヤが衝撃を受け 困り汗を掻きつつ言う
「は、はい… 見ての通り一応警察なもので…」
少年C父が言う
「ああ、だが そうであっても その警察とは違うみたいだな?」
ユウヤが一瞬驚いてから言う
「そう…ですね 自分は… 少々事情がありまして通常の警察業務からは若干逸脱している部分があります…」
少年C父が苦笑して言う
「俺は唯の大工でお偉いさん方の難しい事は分からねぇよ?けどな…?オカシイと思ってるよ 皆 今の警察はオカシイってな?」
ユウヤが反応して言う
「オカシイ?警察が…?」
少年C父が言う
「今の警察もそうだがもっと前の… あの頃も… もう10年以上昔だがゲートキーパーズとか言うのが巷で賑わって貴族が退治されたってぇ あの頃だ」
ユウヤが驚いて息を飲む
「っ!?」
少年C父が息を吐いて言う
「…とは言っても一般人の俺たちに出来る事なんて何も無ぇしオカシイと思ってもな?何でだって思ってもアンタら警察がやるって言うんじゃ はい、そうですか…ってな?だから今回もヴァンパイアになったのを理由にガキどもを全員退治しちまおうって?オカシイって思っても何も言えねぇし何も出来もしねぇ… だがアンタは違うんだろう?」
ユウヤが反応する 少年C父が笑んで言う
「俺らは何の力にもなれやしねぇ だからこいつは押し付けでしかねぇが… これからもどうか頑張ってくれや?ユウヤさん?」
ユウヤが呆気に取られていた状態から微笑して言う
「はいっ 有難う御座います!」
少年C父が苦笑して頷く 簡易休憩所から少年Cが出て来て言う
「おいっ 親父!?俺の作業着あったは良いけど なんか臭ぇんだけど!?」
少年C父が言う
「ああ、そりゃ臭ぇだろ?洗ってねぇんだからよ?」
少年Cが衝撃を受けて言う
「なぁあっ!?わ、わざわざ運んで置いてくれるなら洗っとくだろ普通っ!?」
車内
ユウヤが運転していて思い出す
少年C父が苦笑して言う
『俺は唯の大工でお偉いさん方の難しい事は分からねぇよ?けどな…?オカシイと思ってるよ 皆 今の警察はオカシイってな?』
ユウヤが思う
(オカシイ…)
少年C父が言う
『今の警察もそうだがもっと前の… あの頃も… もう10年以上昔だがゲートキーパーズとか言うのが巷で賑わって貴族が退治されたってぇ あの頃だ』
ユウヤが苦笑して言う
「今も あの頃も…」
ユウヤが思う
(そのどちらもヴァンパイアが関係していた時 つまり彼のお父さんが言っていたのは警察がヴァンパイアと関わる時で もっと言うなら俺は… 俺こそが その両方の首謀者とも言えるんだよな?)
ユウヤが言う
「違うといえば その俺がゲートキーパーズのメンバーか警察のメンバーか?って事だけど…」
ユウヤが思う
(そのどちらであっても首謀者的な立場に居たと言うのに 俺は… 結局 何も…)
少年C父が笑んで言う
『俺らは何の力にもなれやしねぇ だからこいつは押し付けでしかねぇが …これからもどうか頑張ってくれや?ユウヤさん?』
ユウヤが呆気に取られた後 微笑して言う
『はいっ 有難う御座います!』
少年C父が苦笑して頷く
ユウヤが苦笑して思う
(俺は… 本当はあんな言葉を掛けて貰える様な人間じゃないんだけどな?)
ユウヤが溜息を吐いて言う
「一応 頑張ってはいるんだけど…」
ユウヤがチラッと車内を見渡す 車内にはユウヤの他誰も居ない ユウヤが思う
(彼らだって…)
ユウヤの脳裏で少女Bと少年Cに続き 少年Bと少女Aが自分の母親と会っている様子が思い出される ユウヤが苦笑して思う
(何かあれば俺が… なんて思っていたけれど彼らはしっかりと自分の口から家族への説明をして… 謝って… …そもそも彼らが謝る必要は無い彼らは被害者だ それでも彼らは自分たちが家族へどれだけ心配を掛けたのか その重みを受け止めて謝罪をした そして家族たちも…)
ユウヤの脳裏に 少年少女たちの家族がヴァンパイアとなった彼らを受け入れている様子が思い出される ユウヤが苦笑して思う
(誰一人戻って来た彼らを受け入れないなんて言う家族は居なかった)
ユウヤが微笑して言う
「分かっていたんだけどな?」
ユウヤが思う
(それでもやっぱり心配だったから…)
パトカーが一軒の家の前に止まる ユウヤが車を降りて建物を見上げる ユウヤが言う
「よし、ここで最後だ…」
ユウヤが建物の玄関へ向かい 呼び鈴を鳴らす 家の中からリョウタ母の声が聞こえる
「どちら様でしょう?」
ユウヤが言う
「メルス街警察のユウヤ巡査です」
リョウタ母が驚く気配がして 続いて強い口調で声が聞こえる
「…っ 警察に御用は御座いませんわっ!帰って下さいっ!」
ユウヤが反応する 家の中からリョウタの声が聞こえる
「母さんユウヤさんなら大丈夫」
ユウヤが微笑する ドアが開きリョウタとリョウタ母が現れる ユウヤが微笑して言う
「他の皆も全員 御家族の元へ戻ったよリョウタ君も… 良かった」
リョウタが微笑して言う
「はい 有難う御座いますユウヤさん それに皆の事も」
ユウヤが苦笑して言う
「いや 結局俺にはこれくらいの事しか出来なかった… 本当に御免な?」
リョウタが微笑して顔を左右に振ってから言う
「いいえ、感謝しています俺も皆も… 本当にユウヤさんのお陰です有難う御座いました」
ユウヤが言う
「俺の方こそ有難う」
リョウタが微笑する リョウタ母が苦笑してからユウヤを見て言う
「警察は… この子たちの事を?」
ユウヤが言う
「まだ分かりません 自分の信用の置ける上司には理解をしてもらえましたが… 警察そのものが今後どの様に動くのかは… ですので、どうか彼らの事を守ってあげて下さい 今 彼らを守られるのは御家族の皆さんだけですっ」
リョウタ母がリョウタを後ろから両腕で抱き締めて言う
「もちろん守りますわ!何があっても必ずっ この子だけは…っ!」
リョウタが驚いてから言う
「母さん…」
リョウタがリョウタ母へ顔を向ける リョウタ母が微笑する リョウタが感情の流入に一瞬驚いてから苦笑して言う
「有難う… けど俺… 母さんの事も絶対守るよ?父さんに約束したから」
リョウタ母がリョウタ肩へ顔を埋めて抱き締める リョウタが苦笑してから ユウヤの存在にハッとして慌てて言う
「え、えっとっ その…っ」
リョウタが慌てて自身の目尻ににじむ涙を拭って言う
「すみません 母さんの感情が強過ぎて俺まで…っ」
ユウヤが一瞬呆気に取られてから苦笑して言う
「いや、良いよ それにその様子なら大丈夫そうだね?」
リョウタが言う
「はい 母さんと一緒に居ると久しぶりに食べ物の味も感じられたし… 心が落ち着いて凄く良く眠れて… 本当に帰って来て良かったです」
リョウタ母がリョウタの頭を撫でながら微笑して言う
「うふふ… こんなに大きくなったのに お昼寝をする顔は昔とちっとも変わらなくて…」
リョウタが赤面して言う
「か、母さんっ!?見てたの…っ?」
リョウタ母が微笑してリョウタの頭を撫でる リョウタが困る ユウヤが軽く笑って言う
「ふふ… あ!それじゃっ 俺?お昼寝の邪魔をしちゃったのかな?それは御免な?」
リョウタが慌てて言う
「あ!い、いえっ!良いですよっ!?それはっ!」
ユウヤとリョウタ母が笑う リョウタが赤面して言う
「か、母さんもっ ユウヤさんまでっ か、からかわないで下さいっ!?」
中学校
生徒たちが教室から出て行く 少女3が溜息を吐く 少女2がやって来て疑問して言う
「あれ?どうかした?」
少女3が言う
「…声 …掛けれなかった…」
少女1がやって来て言う
「え?声って?」
少女3が視線を向けている先に セイヤの席がある 少女3が息を吐いてから席を立つ 少女2と少女1が顔を見合わせてから 少女3が見ていた方へ顔を向ける 少女3が言う
「…帰ろ?」
少女3が立ち去る 少女2と少女1が顔を見合わせ 少女2が言う
「…もしかして?」
少女1が言う
「あの席って… あっ!そう言えば体育の授業の時もっ!」
少女2が気付いて言う
「あーっ!」
少女2と少女1が慌てて 少女3を追う
車内
ユウヤが運転していて思う
(これで彼らは大丈夫だ 少なくともしばらくの間は…)
ユウヤがホッと息を吐く 空腹を知らせる腹が鳴る ユウヤが衝撃を受けてから苦笑して言う
「一段落したし署へ戻って昼にするか」
ユウヤが苦笑して思う
(俺たち人間はヴァンパイアと違ってちゃんと食事を食べないと… それに)
ユウヤが言う
「昼の弁当の時間こそ活力の源だ しっかり食べて …それで?」
ユウヤが思う
(午後は… どうしよう?警察はA校のヴァンパイアたちを…)
ユウヤが息を吐いて顔を左右に振ってから言う
「いや、もう少しだけ」
ユウヤが思う
(今日の昼はAJも居ないし1人でデスクで食べるか?最近は あのAJのヴァンパイア君も居て ちょっと賑やかで楽しかったんだけど…)
ユウヤの脳裏にAJとヴァンパイアAとユウヤの昼食風景が思い出される ユウヤが軽く息を吐いて言う
「まぁ しょうがないよな?今日は1人で…」
ユウヤが間を置いて疑問してから 思い出して叫ぶ
「あぁあーっ!?」
ユウヤが車を急停車させ 困惑した表情で言う
「わ… 忘れた…っ?」
ユウヤが頭を抑えて思う
(そうだ… 今朝は俺ユーノス警視に伝える事に気を取られていて…っ リマの手作り弁当テーブルに置かれていたのを うっかりそのまま持たずに家を…っ!)
ユウヤがガッカリと息を吐いてから 車を再発進させながら言う
「あぁ~… …仕方が無い」
ユウヤが思う
(署へ戻る道すがら何処かの店で買って行こう …残念だったなぁ …それに早起きして作ってくれたリマにも申し訳ない…)
ユウヤが周囲を見渡して言う
「何にしよう…?」
ユウヤが思う
(最初から外食のつもりなら兎も角リマの弁当を食べるつもりになってたから… 気が乗らない… けど食べない訳にも行かないし…)
ユウヤが軽く息を吐いて周囲を見渡していて気付いて言う
「…ん?…って、ここなら?」
ユウヤが表情を明るめて道を曲がる
ユウヤの家
ドアのノックの音が響く リマがドアへ向かいながら言う
「はーい?どちら様?」
ドアの外からユウヤの声が聞こえる
「リマ 俺だよ」
リマが一瞬呆気に取られてから微笑してドアを開ける ユウヤがドアの外に立っていて苦笑して言う
「御免 リマ、今朝 俺 弁当を持って行くのを忘れちゃって」
リマが微笑して言う
「それで わざわざ短いお昼時間に取りに戻って来たの?」
ユウヤが言う
「うん… まぁ、たまたま近くの現場へ行っていたから その道すがらって言うのも有るんだけど… 折角リマに作って貰った弁当も勿体ないしさ?それに何より… リマの作ってくれた弁当より美味しい物なんて俺には無いからな?」
リマが微笑して言う
「うふっ 嬉しい!ありがとっ 貴方!」
ユウヤが微笑して言う
「こちらこそ」
リマが言う
「それじゃ 今持って来るから…」
ユウヤが言う
「うん、頼むよ」
リマがキッチンへ向かおうとして気付いて言う
「…あ?ねぇ ユウヤ?」
ユウヤが言う
「うん?」
リマがユウヤへ向き直って言う
「お昼のお弁当って やっぱり署内で食べないといけないものなの?」
ユウヤが疑問して言う
「え?いや?特にそんな決まりは無いよ?出先で食べたって良いし それに弁当持参じゃない署員は外食するのも普通だから?」
リマが微笑して言う
「だったらユウヤも ここで食べて行っちゃったら?」
ユウヤが気付いて言う
「あ、そっか そうだな?弁当と言うと署のデスクで食べるのが日常だったから つい…」
リマが軽く笑って言う
「うふふっ それじゃ入って?まだお仕事が終わった訳じゃないから着替えはしなくても手は洗って来てね?」
ユウヤが家へ入ってドアを閉めながら言う
「そうだな?分かった洗って来る」
リマが言う
「あ、折角だからセイヤにも声を掛けて来てもらえないかしら?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え?セイヤは帰って来ているのか?だって まだ…?」
ユウヤが時計を見て思う
(まだ昼過ぎだし… そもそもセイヤだって弁当を持って学校に行っているんだから…?)
ユウヤの脳裏にテーブルに置かれていた2つの弁当が思い出される リマが言う
「今日は突然 午後の授業が中止になって午前中の授業が終わり次第すぐに帰る様に言われたらしいの それでお弁当も持って帰って来たから… 折角だもの?家族3人でお昼にしましょう?」
ユウヤが言う
「そうだったのか… うん、分かった声を掛けて来るよ」
リマが言う
「ええ、お願い」
ユウヤが頷いてから部屋のドアへ向かう
ユウヤが通路を歩きながら思う
(…そうか、もしかしたらセイヤの学校が午前授業だけになったって言うのは これから午後に行われるA校のヴァンパイアたちの一斉検挙の為かも知れない …セイヤのA中はA校のすぐ近くだ… A校のヴァンパイアたちはアウターサイドのアジトに居るからセイヤのA中へは直接の影響は無いと思うけど それでももしもと言う事もあるもんな?それで…)
ユウヤがセイヤの部屋のドアの前に立ち 声を掛けようと息を吸ってから閃いて思う
(あっ そうだ!)
ユウヤが微笑して声を掛けるのを止め 替わりにドアをノックする手を準備して思う
(俺はセイヤが居たと言う事に驚いたけど むしろセイヤの方が この時間に俺が居ると言う事に驚く筈だ… それならちょっと脅かしてやるか?)
ユウヤが笑んで ドアを軽くノックする ドアの中からセイヤの声が聞こえる
「母さん?何ー?」
ユウヤが口角を上げてからドアノブを掴み ドアを開ける
セイヤの部屋
ドアを開けたユウヤが微笑して言う
「セイヤ 一緒に!…っ!?」
ユウヤが言いかけていた言葉を止めて驚く セイヤが反応して疑問しながら振り返りつつ言う
「…あれ?親父?何で…?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「な、何で…っ?」
ヴィンが振り返って言う
「お帰りユウヤ 一足先に戻らせて頂いていたよ?フフフ…」
ユウヤが表情を引きつらせて言う
「は、はい…?」
ユウヤが思う
(何で… ヴィンが居るんだ?それに… 一足先にって…?)
セイヤが疑問して言う
「っつーかさ?もしかして親父まで今日は午前授業… じゃねぇや?午前までの仕事で終わりだったとか?」
ユウヤが苦笑して言う
「あ、いや… 俺はその… 弁当を持って行くのを忘れたから… 近くを通ったついでに取りに寄ったんだけど?」
セイヤが言う
「ああ、そういや忘れてたもんな?」
ユウヤが言う
「う、うん… それで…」
ユウヤが思う
(えっと… それで… 何だったっけ?余りにも…)
ヴィンがセイヤに絡みながら言う
「そうか 丁度セイヤも空腹感を覚え始めた所だ ユウヤも戻ったと言うのであれば尚一層… こちらの続きは後にしてセイヤも昼食にしては如何だろうか?」
セイヤが反応して腹を触りながら言う
「ん?あ… そうかも?時間も昼過ぎてるし持って帰って来た弁当食おっかな?」
セイヤがかばんから弁当を出す ユウヤが気付いて言う
「ああっ そうだった!セイヤ?」
セイヤが机に弁当を置いて言う
「ん?何?」
ユウヤが微笑して言う
「折角だから家族3人で昼食を食べないかって… 誘いに来たんだけど?」
ユウヤが気付く セイヤが言う
「ああ そう?別にどっちでも良いけど じゃぁリビングに…」
セイヤが広げようとしていた弁当を持って立ち上がる ユウヤが思う
(あぁ どうしよう?今は昼だしワインを飲む時間でも無いよな?けど…)
セイヤがヴィンへ向いて言う
「アンタも来るんだろ?」
ヴィンが微笑して言う
「そちらはもちろん セイヤからのお誘とあれば」
ヴィンがセイヤの頬に触れる セイヤが言う
「誘ってるって言うか… けど飯食ってる時は顔に触るなよ マジで食い辛いんだから」
ヴィンが苦笑して言う
「それは失敬… それに加え御婦人の前では所作を慎むのがマナーと言うもの それが例え 家族であろうとも」
ユウヤが表情を落として思う
(…いや?良く考えたら同じヴァンパイアのリックは朝も昼も関係なくワインを飲んでたっけ?だったらここで俺が誘わない訳にも行かないよな…?)
セイヤが言う
「昨日は その母さんの前でベタベタしてたくせに何がマナーだよ?」
ヴィンが軽く笑って言う
「ああ… 私も久方ぶりの食事とあったもので つい… とは言え次からは気を付けると約束しよう」
ユウヤが苦笑して言う
「それじゃヴィンも一緒にワインでも…?」
ユウヤが思う
(リマには悪い気もするけど…)
ユウヤの脳裏に先ほどまでのリマの嬉しそうな表情が思い出される セイヤが言う
「そうだよ アンタも何か飲むなりしてれば俺に絡んで来る事もなくて丁度良いじゃん?”感覚”は隣の席でも伝わるんだろ?」
セイヤが席を立ち弁当を持って出口へ向かう ヴィンがセイヤに続きながら苦笑して言う
「そちらは確かに しかし感覚の伝達と言うものは先ほどの電流密度の算出にて例えた様に 単位面積はもちろんだが その距離も近ければ近いほどに伝達量が増える 即ち 伝わる感覚の精度もより高まると言う事 従って近くよりもより近くへ… 触れられる程にまで近まれば その感覚は…」
セイヤに続きヴィンがユウヤのすぐ近くを通る ユウヤが視線を落としたまま思う
(ごめんな リマ…)
ヴィンが僅かに反応して言う
「…と、私とした事が」
ユウヤが反応してヴィンを見上げる セイヤが疑問して言う
「ん?どうかした?」
ヴィンが苦笑して言う
「折角セイヤとユウヤの2人から昼食へのお誘いを頂けた所ではあるのだが 私は大切な実験の装置をセットしていた事を忘れていた様だ そうとあれば私は直ちにそちらの様子を伺いに行かなければならない… 従って残念ではあるが今回の昼食へのお誘いは辞退させて頂こう」
ユウヤが呆気に取られて言う
「…え?あ… あぁ、そうなんですか?それは… 大変ですね?」
ユウヤが思う
(そうだったのか でも、良かった これで…)
セイヤが言う
「え?…じゃぁ …しょうがないか?」
ヴィンが苦笑して セイヤに絡んで言う
「では 美味しい昼食をたっぷりと味わって来給えセイヤ そしてそちらの快楽の程は後ほど… 私もその余韻を頂かせてもらおう」
セイヤが苦笑して言う
「それってつまり?”あー 昼飯美味かったー!”って思って待ってれば良いって事?」
ヴィンが軽く笑って言う
「フフフ…っ そうだな?そちらであれば満足感は十分に心地良いものとなるだろう存分に…」
ヴィンがセイヤの首筋へ牙を近付ける ユウヤが驚く ヴィンがそのまま言う
「味合わせて頂けたら光栄だ…」
ヴィンがセイヤの首にキスをする ユウヤが呆気に取られる セイヤが言う
「あっ!またっ!…この変態科学者!男同士なんだからキスなんかするなよっ 気持ち悪いだろ!?」
ヴィンが微笑して言う
「そちらは失敬 では…」
ヴィンが消える ユウヤが驚き辺りを見渡す セイヤが開け放たれている窓を見てから ユウヤへ向き直って言う
「んじゃ、さっさと飯食って… ん?どうかした?親父?」
ユウヤがハッとして言う
「あ…っ いや、何でも… えっと… それじゃ俺は手を洗って来るから先にリビングへ行ってくれ…」
セイヤが言う
「ん 分かった」
セイヤが部屋を出て行く ユウヤが顔を向ける 勉強机の上には教材が開かれている
リビング
室内へ戻ってきたユウヤが視線を向けた先で セイヤがテーブルに弁当を広げている セイヤがユウヤの視線に気付き疑問して言う
「何?」
ユウヤがハッとして言う
「あ、いや…っ その… やっぱりいつもと違ってちょっと違和感あるよな?平日の昼食の時間に…?こうして家でって言うのは…」
ユウヤが言いながら席へ向かう セイヤが言う
「それを言うなら そもそも家ん中で弁当食うって事自体 違和感じゃねぇ?」
ユウヤが椅子へ座りながら言う
「ああ、言われてみれば確かに?…あれ?」
ユウヤが疑問する リマが自分の席に弁当を置いて微笑して言う
「うふふっ 折角だから!私も自分のお昼 お弁当箱に詰めてみたの!」
セイヤが呆れて言う
「はぁ?最初から家で食うつもりなのに弁当箱に入れるって… それこそ意味無くねぇ?」
リマが言う
「良いのよ?こう言うのは気分の問題なんだから!」
セイヤが言う
「だったら尚更…」
ユウヤが苦笑して言う
「良いじゃないか?こうして家族3人で弁当を食べるなんて面白いよ?いつもと違って… 新鮮でさ?」
セイヤが呆れつつ箸を用意して言う
「あっそ?俺は そもそも制服姿の親父と一緒に飯食うってだけで十分いつもと違うって感じてるけど?…いただきまーす!」
ユウヤが苦笑して言う
「ああ、言われてみれば それもそうだな?それじゃ頂きます」
リマが微笑して言う
「平日に皆でお昼を食べるって それだけで何だか嬉しいわ」
セイヤが言う
「確かに何でか知らねぇけど急に午後の授業が無くなって… お陰で気になってた所を早くアイツに確認出来たし今日はラッキーだったよ」
ユウヤが衝撃を受ける リマが疑問して言う
「アイツって?」
ユウヤが慌てて飲み込んで喉に詰まらせて咽る リマが驚き慌てて言う
「だ、大丈夫っ!?ユウヤっ!?」
ユウヤがお茶を飲んで落ち着かせてから言う
「う、うん…っ だ、大丈夫…」
セイヤが言う
「それに今日ってすげぇ寒いからさ…?もしかして雪でも降るんじゃね?うちの中学 暖房器具無いから マジ寒いんだよ」
リマが自分の後方にある暖炉を見て言う
「あら そうね?この気温で雨が降ったら雪になるかもしれないわね?それなら暖炉のお掃除をして すぐに使えるようにして置いた方が良いかしら?」
ユウヤが言う
「ああ、薪なら外の倉庫にあるから後で持って来て置こうか?」
リマが苦笑して言う
「ユウヤは お仕事に戻らないと でしょ?」
ユウヤが気付いて言う
「あ… そうだった つい…」
ユウヤが苦笑する リマが軽く笑ってから セイヤへ言う
「セイヤ?お父さんの代わりに後で…」
セイヤが言う
「分かった 後で運んどく…」
リマが微笑する セイヤが言う
「そもそも古臭い暖炉なんか使わないでさぁ?ここも他の部屋みたいにストーブにすれば良いのに… 何でわざわざ暖炉な訳?」
ユウヤが言う
「うん?そう言えば…?」
リマが微笑して言う
「でも、良いじゃない?暖炉の方が雰囲気もあって何だか暖かく感じるもの」
ユウヤが反応して言う
「ああ、そうだね 暖炉の方が暖かい様な感じがするよ そっか… やっぱり気分の問題かな?」
セイヤが言う
「それって非科学的じゃねぇ?」
ユウヤが衝撃を受ける セイヤが言う
「こんな時アイツが居てくれればさ?それは人の感覚中枢にあるナントカが理由でナンタラカンタラって…」
リマが言う
「アイツって…?」
ユウヤが慌てて言う
「ああっ いやっ!それよりもさっ!?…弁当っ!美味しいなっ!?やっぱり!リマの手作り弁当は最高だよっ!?」
リマが一瞬呆気に取られた後 苦笑して言う
「あら、そう?有難う貴方 …けど、実は今朝はちょっと寝坊しちゃって大急ぎで作ったんだけど そう言ってもらえると安心」
リマの後方から 僅かに笑い声が聞こえる
『クックック…』
リマが疑問して振り返るが そこには暖炉があるだけで誰も居ない リマが隣のセイヤを見てから疑問して言う
「…空耳かしら?」
セイヤが言う
「母さんの料理が上手い事は認めるけどさ?やっぱ家族揃って家の中で弁当って変だよ …まぁ 今日は親父が弁当を忘れたって言うのがあったからしょうがねぇけど 俺はまたこんな事があったら… その時は部屋で食って… アイツに味合わせてやりたいかな?えっと… 何だっけ?マナーだとかなんだとかで?”御婦人の前”では控えるとか言うからさ?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「セイヤ…」
リマが疑問してから言う
「セイヤ?さっきから言っている”アイツ”っていうのは もしかして…」
ユウヤが反応して言う
「あっ それは…!」
ユウヤが思う
(…いや、もう これ以上は誤魔化せ…)
リマが言う
「お部屋に犬か猫でも連れ込んだんでしょっ!?」
ユウヤとセイヤが衝撃を受けて言う
「「えっ!?」」
リマが言う
「今日は帰って来るなり お部屋に入って全く出て来なくて!そう言う事だったのね!?」
セイヤが言う
「あ… いや… それは… 学校でずっと気になってたから… 急いでて」
リマが言う
「それじゃ拾ったのは今朝?それとも…?」
セイヤが言う
「いやだから… そもそも拾ってねぇし?」
ユウヤが苦笑して思う
(リ、リマ… 本当に気付いてなかったのか?)
リマが言う
「あら違うの?近頃はすっかり野良犬や野良猫が居なくなったから お母さんももし犬や猫を見付けたなら飼いたいな~ なんて思ってて… だから もしそうなら隠さなくて良いのよ?って言おうと思ったのだけど?」
セイヤが言う
「そうなんだ?…あぁ、それじゃさ?犬や猫じゃないけど俺 一匹飼おうかと思ってるんだよ?ヴァンパ…」
ユウヤが慌てて叫ぶ
「ああぁーーっとっ!!」
リマが一瞬驚いた後言う
「え!?…え~っと ごめんなさい セイヤ?今 何を飼いたいって…?」
ユウヤが慌てて言う
「それは駄目だからっ!セイヤ!」
セイヤが言う
「あぁ… やっぱ駄目?自分で餌やれる様にならないと?」
ユウヤが言う
「って言うよりっ そもそも それは飼う者じゃないからっ!」
ユウヤが思う
(ヴァンパイアを飼うって…っ)
セイヤが言う
「まぁ そうだけどさ?何か最近 飼えそうな気がして来て」
ユウヤが思う
(しかも そのヴァンパイアって もしかしてだけど…っ!?)
ユウヤが言う
「駄目 駄目!絶対に駄目だ!」
セイヤが言う
「あっそ… …やっぱ親父のだから?」
ユウヤが思う
(やっぱりかっ!!)
ユウヤが言う
「俺のだとか そう言うのは関係なくてもっ!」
セイヤが言う
「けどさ?親父ちゃんと餌やらないし」
ユウヤが驚いてから困って言う
「それは… 今は まだ少し貧血で…」
セイヤが言う
「さっきだって…」
ユウヤが疑問して言う
「さ、さっき…?」
ユウヤが思う
(さっきは… 確かヴィンが何かを忘れたって… だから… それが俺にとっては丁度 良かったけど…)
ユウヤがハッとして ヴィンがユウヤの近くを通った時を思い出す ユウヤが呆気に取られて言う
「言われてみれば… 俺の近くを通った時に…」
セイヤが弁当を食べながら言う
「親父ってアイツに冷たいよな?何で?」
ユウヤが言う
「それは…」
セイヤが言う
「嫌いなの?」
ユウヤがハッとして言う
「え!?いや…っ そ、そんな事は無いよっ!?」
セイヤが言う
「あっそ…?なら良いけど」
セイヤが弁当を食べ終える ユウヤが間を置いて言う
「…セイヤは?」
セイヤが弁当を片付けながら言う
「御馳走様~ …え?」
セイヤが立ち上がってユウヤを見る ユウヤがセイヤを見て苦笑して言う
「セイヤは好きなのか?ヴァンパイアを…?」
ユウヤが思う
(そんな訳無いよな?だってヴィンは… ヴァンパイアで人間はヴァンパイアを…)
ユウヤが言う
「恐れるのが普通で…」
セイヤが言う
「ああ、怖いと思う」
ユウヤがセイヤを見る セイヤが言う
「ヴァンパイアは怖いと思うよ?けどアイツが居れば平気だろ?」
ユウヤが呆気に取られる セイヤが苦笑して言う
「親父が言ったじゃんか?アイツは親父の仲間なんだって …だったらアイツは怖く無い むしろ怖い方のヴァンパイアから守ってくれるって言うんだし?それに科学の事すげぇ分かりやすく教えてくれるからさ?今 俺 本当に楽しいんだ… 勉強が楽しいなんて思ったの初めてだよ」
ユウヤが呆気にとられたまま言う
「あ、ああ… それは良かったけど…」
セイヤが言う
「まぁ それ以外は変態だけど」
ユウヤが衝撃を受ける 暖炉の中から衝撃が伝わる リマが疑問して暖炉を見る セイヤが微笑して言う
「けどさ?俺は親父と違って素直に好きだと思うアイツの事」
ユウヤが驚いてセイヤを見る セイヤがハッとして言う
「…あっ!好きって言ってもっ!そういうのじゃないからなっ!?何て言うかっ その…?つ、つまり えっとぉ…!?」
リマが苦笑して言う
「尊敬しているって事ね?」
セイヤが言う
「そ、そうっ!それ!それだからっ!?」
ユウヤが苦笑して言う
「あ、ああ… 尊敬か… なるほど?それなら… 俺もそれはしているんだけど…」
ユウヤが思う
(それでも俺は… セイヤの様に“好き”だとは…)
セイヤが言う
「まぁそう言う事… あっ!本人には言うなよな?アイツ絶対調子に乗るし!これ以上好き勝手されたら俺の貞操が危険に晒されるから」
ユウヤが噴き出す リマが怒って言う
「それは お母さんが許さないわっ 絶対!」
リマが気合を入れる ユウヤが呆れつつ思う
(いつも思うけど何でこういう時の女性は強いんだろう?相手がヴァンパイアでも…?)
ユウヤの脳裏に 出刃包丁を持ったユキの姿が思い出され ユウヤが苦笑する ドアの前に居るセイヤが振り返って言う
「母さんのそれアイツに言っとく それじゃ… あ、後 仕事遅れるなよ?親父?」
ユウヤがハッとして言う
「あ、ああ… そうだった 有難うセイヤ 気を付けるよ」
セイヤが立ち去る
セイヤの部屋
セイヤが部屋に入り 開けられたままの窓を見て向かいながら言う
「さ~て また…」
セイヤが窓の前で思う
(ここでアイツを呼べば…)
ヴィンが飛び込んで来てセイヤに抱き付いて言う
「セイヤーッ!」
セイヤが驚き困りながら言う
「うおっ!?ちょ、ちょっと まだ呼んでねぇんだけどっ!?」
ヴィンが喜んで言う
「セイヤッ!私もセイヤの事が大好きだとも!それに今までもセイヤの気持ちはダイレクトカレント(直流)の如く受容体に伝わってはいたが やはり声と名付けられた周波数にて直接の耳という名の受容装置を振動させての心地よさは この上ない快感と至福をこの身に伝えてくれたっ!」
セイヤがヴィンを引き剥がそうとしながら言う
「分かったっ 分かったから離れろってっ!?」
ヴィンがセイヤを抱き締めて言う
「今日のこの日の喜びは私の生ある限り2番目に永遠だっ」
ヴィンが感慨に浸る セイヤが気付いて言う
「2番目…?」
ヴィンが言う
「ああ、2番目と言う事は1番目が存在すると言う事なのだが そちらは…」
セイヤが言う
「いや、それよかさ?この冷たさ… アンタもしかしてずっと外で待ってた?」
ヴィンが気付き苦笑してセイヤから身を離して言う
「そうだった… 失敬 この体に纏った外気のせいでセイヤの身体まで冷やしてしまってはいけない…」
セイヤが言う
「俺よりアンタの体を冷やすことの方が悪いんじゃなかったのかよ?ヴァンパイアの体温は人間より2度低くて平時でも低体温なんだから寒い所に居ちゃ駄目なんだろ?」
ヴィンが苦笑して言う
「確かにその通りではあるが そのヴァンパイアであっても一応の体温維持の自律神経は活動している従って… そうだな?例えるのなら雨に濡れたり 直接 真水を浴びる様な事でも無い限りは意識の喪失なども まず起こり得ない」
セイヤが言う
「けど体が冷えたら寒いだろ?無理に外で待ってたりなんかしないでストーブ付けて部屋で待ってれば良かったのに」
セイヤがストーブのスイッチを付けながら言う
「それに このストーブ暖まるまで時間掛かるからさ…」
セイヤがヴィンへ向き直って言う
「だからそれまでだけ… しょうがないから いつもみたいに引っ付いてて良いよ?俺は今 飯食ってきたばっかりだから体温まってるし?」
セイヤがヴィンへ手を向ける ヴィンが呆気に取られたまま言う
「セイヤ… それほどまでに私を…?」
セイヤがハッとして言う
「あ…っ いや…っ だ、だから そのっ 変な意味じゃなくて…」
ヴィンがセイヤへ抱きついて言う
「有難うセイヤ!まさかセイヤの腕に包まれて このヴァンパイアの冷たい体を温められる日が来ようとはっ しかし、そうと言って頂けるのであれば遠慮なく… そしてセイヤ?相手の肉体を暖めるのに有効な手段は やはり直接その人肌で…」
ヴィンがセイヤの衣服の中へ手を忍ばせて来る セイヤが衝撃を受け怒って言う
「あっ!何調子に乗ってんだよっ!?この変態ヴァンパイアっ!!」
リビング
ユウヤが言う
「御馳走様 …さて?セイヤに言われた通り遅れないように そろそろ行かないと」
リマが苦笑して言う
「ええ、今度は忘れ物は無いでしょうけど気を付けてね?貴方?」
ユウヤが微笑して言う
「うん 有難うリマ」
ユウヤがドアへ向きながら言う
「それじゃ行って…」
リマが言う
「貴方?忘れ物よ?」
ユウヤが疑問して振り返りながら言う
「え?けどもう忘れる物なんて…?」
リマが可愛くキスのおねだりをする ユウヤが一瞬呆気に取られた後 苦笑して僅かに頬を染めながら リマへ近付き言う
「うん、忘れてた… 行ってきます リマ」
ユウヤがリマへキスをする リマが微笑して 言う
「行ってらっしゃい!アナタ!」
リマがユウヤの頬へキスをする ユウヤが照れくさそうに微笑してから家を出て行く
外
ユウヤが一度苦笑してからパトカーを見て言う
「…よしっ ここからは…」
ユウヤが思う
(気持ちを切り替えて行かないとな?)
ユウヤが頷き パトカーへ向かう
リビング
リマが閉まったドアを見て微笑してから軽く息を吐いて気を取り直す そのまま振り返って驚いて言う
「きゃっ!?セ、セイヤ?いつから そこに?」
セイヤがリビングの入り口で 溜息を吐いてから言う
「…飲み物忘れたから 取りに来たんだけど… 何かすげぇ 通り辛かったから」
リマが頬を赤らめてから言う
「それじゃ… 見てたのね?」
セイヤがキッチンへ向かいながら言う
「見たくて見た訳じゃないんだけど… さっさと通って戻りたくて…」
セイヤがキッチンで飲み物を用意している リマが苦笑して言う
「…ま、良いよね?」
リマが3人の空いた弁当箱を運びながら言う
「セイヤもいつか可愛いお嫁さんに してもらったら良いわ?うふふっ」
セイヤが呆れて言う
「その前にもう変態ヴァンパイアにされてるけど」
リマが衝撃を受け 頬を膨らませて言う
「もうっ お母さんが駄目って言ってあげようかしら?…あ、それよりも?お父さんに言って貰った方が効果が有るのかもしれないわね?」
セイヤが言う
「つーかさ…?キスって… されるとゾワッとしねぇ?全身鳥肌立つみたいに… 皆あんなのが良いのかよ?母さんや父さんも?」
リマが呆気に取られてから笑い出す セイヤが疑問して言う
「え?何…?」
リマが苦笑して言う
「セイヤ?それはね?本当のキスじゃないからよ?」
セイヤが疑問して言う
「本当の… じゃないって…?」
リマが言う
「本当のキスはそんなゾワッとなんてしないわ?そうね…?ちょっと緊張して… でもとっても嬉しくて暖かい感じで?」
セイヤが疑問して言う
「ちょっと緊張して嬉しくて暖かい…?…分かんねぇ」
セイヤが首を傾げる リマが微笑して言う
「うふふっ それなら…?」
リマがセイヤの頬にキスをする セイヤが驚き慌ててリマへ向いて言う
「な…っ!?」
リマが微笑して言う
「どお?変態ヴァンパイアさんにされるより お母さんにされた方が嬉しいでしょ?」
セイヤが赤面して顔を逸らして言う
「う、嬉しいって言うか…っ!は、恥ずかしいってっ!?普通自分の子供になんかしないだろっ!?」
リマが微笑して言う
「あら?セイヤが小さい頃はお母さんだけじゃなくてお父さんだってしてたわよ?セイヤの可愛いほっぺにチュッってね!?」
セイヤが衝撃を受け青ざめて言う
「お、俺の貞操が…っ」
リマが含み笑いをする
「うふふっ…」
セイヤが怒って言う
「わ、笑い事じゃねぇってーのっ!?」
警察署
パトカーが到着し ユウヤが降りる
警察署 内
ユウヤが入り口を入って言う
「ただ今戻りまし… …あ、あれ?」
ユウヤが空のフロアを見渡して呆気に取られて思う
(おかしいな?ちゃんと午後の時間に間に合うように余裕を持って戻って来たのに…?)
フロア内から ハーレーがやって来て言う
「どうした?何かあったのか?」
ユウヤがハッとして声の方を向き驚いて思う
(あれ?誰だろう…?)
ハーレーがユウヤの前に来て疑問する ユウヤがハーレーの制服を見て思う
(深緑色の制服… この制服は確かヨルス街警察の…?それに胸にある階級章は …警視長っ!)
ハーレーが言う
「何かあったのか?と聞いているが?」
ユウヤが衝撃を受け慌てて言う
「は、はいっ!あっ!いえっ!?特に何も…っ!」
ユウヤが思う
(むしろヨルス街警察の警視長が このメルス街に居ると言う事の方が… 何でだ?)
ハーレーが言う
「そうか ではどうした?メルス街警察は総員ヴァンパイア退治へ出動している時間だろう?私はその留守を預かる形で こちらへ着たが君は…?君もその制服はメルス街警察だろう?既に集合時間を1時間経過しているが」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「えっ!?1時間っ!?」
ユウヤが思う
(そうだったのか…っ てっきり今日の午後と言う事だったから通常時間で午後の勤務が開始される13時からかと思って居たけど …1時間早かったのかっ)
ユウヤが言う
「す、すみませんっ 自分はてっきり13時からであるかと思い込み… 遅れましたっ」
ハーレーが言う
「そうか では直ちに向かい給え 現地の集合時間は13時だが これから向かっても開始時刻には まだ間に合う現地にて君の班員と合流し職務を全うしろ」
ユウヤが言う
「はいっ では失礼しますっ!」
ユウヤが敬礼して立ち去ろうと歩きながら思う
(参ったな…っ 現地と言うのは多分A校の彼らのアジトの事だと思うけど班員?…つまり班割りをされているって事だよな?討伐作戦なんだから当然と言えば当然だろうけど… けど?そうなると俺は…?)
ハーレーが声を掛ける
「待ち給え」
ユウヤがハッとして立ち止まる ハーレーが不審そうに言う
「君は何処へ向かうつもりだ?」
ハーレーがユウヤの近くへ来る ユウヤが向き直り言う
「え?あ、はいっ えっと…?現地… へと向かうつもりですが?」
ユウヤが思う
(何所の班に割り当てられているのかは分からないけど取り合えずはそれで良いよな?その後は …やっぱり分からないけど)
ハーレーがユウヤの姿を一瞥してから言う
「その姿のままでか?」
ユウヤがハッとして思う
(あ… そうか!?討伐作戦… ヴァンパイア退治ともなれば)
ハーレーが言う
「相手は若いヴァンパイアとは言え我々人間の力を遥かにしのぐ化け物だ それを退治するからには相応の装備が必要だ装備室はあちらだろう?」
ハーレーがユウヤの向かっていた通路の逆側にある扉を示す ユウヤが言う
「は、はいっ そうでしたっ …すみません すぐに」
ハーレーが言う
「ああ、急ぐだけでなく しっかりと装備を整えた上で向かえ」
ユウヤが言う
「はい有難う御座います では失礼します」
ユウヤがハーレーの横を抜けて装備室へ向かう ハーレーが不満そうに溜息をひとつ吐いてから ユーノスのデスクへ向かう
装備室
ユウヤがロッカーを開け防弾チョッキを着ながら思う
(最初は驚いたけど流石は警視長… 別の署の署員へ対しても気を配ってくれるんだな?)
ユウヤが微笑してロッカーを閉めて思う
(…それって何か少し嬉しいよな?まぁ部下たちの上に立つ上司の立場からしては当然なのかもしれないけど… 少なくとも以前居た貴族なんかとは違って…)
ユウヤが一瞬反応してから苦笑して言う
「いや… 過ぎた事はもう…」
ユウヤが移動しながら思う
(そうだ… もしゲートキーパーズが… 俺たちが貴族を退治していなければ現代の少年少女たちはヴァンパイアになる事はなかった… それか俺たちがヴァンパイア退治をしていなければ その少年少女たちを助けられたかもしれなかった …でも今はもう そのどちらも居ない どちらも退治してしまった そして今度は…)
ユウヤが一度視線を落としてから思う
(俺に出来る事はやった… A校のヴァンパイアたちとも話をしたけど… 彼らとは上手く行かなくて… だから今回も助けられないけど これ以上彼らへ俺が出来る事は…)
ユウヤが1つ息を吐いてから気を取り直して言う
「…後は やるしかない」
ユウヤが顔を上げて思う
(また… 俺はヴァンパイアを退治するのか… それも今回は俺たち人間が人間の撃つ銃でも 退治が出来る生まれたばかりの彼ら 少年少女のヴァンパイアたちを… …と?ん?)
ユウヤが顔を向けた先の異変に表情を驚かせて言う
「あ、あれ…?」
フロア
ハーレーが名簿を見ながら言う
「今日はメルス街高校Aブロック地域の討伐… 明日は同じくBブロック地域の討伐か… やはり時間は不定期にして置いた方が良いものだろうか…?いや、開始された以上はもはや時間など…」
ハーレーが名簿の1つに目を留めて言う
「…うん?これは先ほどの…?…っ!」
ハーレーがユウヤの名簿に目を細める
装備室
ユウヤが壁に設置されている武器保管ロッカーを前に呆気に取られて言う
「…何時の間に?」
ユウヤが思う
(俺が知らない間に武器保管ロッカーが変わってたのか… えっと… 参ったな?俺の銃は 何処へ移動されたんだろう?)
ユウヤがロッカーの番号を指で追いながら言う
「各自の割り当て番号は変わっていないのか?26、26~ あ、あった…」
ユウヤが鍵を差込み暗証ボタンを押しながら思う
(鍵やロック番号が変わってないと良いんだけど… まぁ、もし開かなかったら 俺には一応… あのヴァンパイア退治のリボルバーが…)
ロックが解除される音が響く ユウヤが反応して言う
「あ、開いた?」
ユウヤが苦笑して思う
(良かった…)
ユウヤがロッカーを開けようとする ハーレーの声が響く
「ユウヤ巡査」
ユウヤが驚き 慌てて向き直って思う
(何で俺の名前を…っ!?)
ユウヤが言う
「は、はいっ!?」
ハーレーがやって来て言う
「そうか君がユウヤ巡査だったか… なるほど?」
ハーレーが改めてユウヤを見る ユウヤが言う
「あ、あの… 何故 自分の名前を御存知で?」
ハーレーが苦笑して言う
「いや、たった今 署員名簿にて見付けただけだ他の署から応援に来ていたとは言え留守を預かる以上は 万が一にも君がメルス街警察の制服を着ているだけの部外者であっては困るだろう?」
ユウヤがホッとして思う
(ああ… 何だそう言う事か…)
ユウヤが言う
「そうですね?それで…」
ハーレーが言う
「とは言え名前だけなら私も知っていた者だ 元ゲートキーパーズのメンバーでありながらも 14年前のヴァンパイア殲滅作戦においてはリーダー的な立場を勤め その後も我々警察へ協力を行い予てより こちらのメルス街警察署長であったユーノス警視の知り合いと言う事もありメルス街警察 警察官候補生として入署 その後の働きを評価され異例ながら警察官候補生から巡査の階級へと昇格」
ユウヤが呆気に取られつつ言う
「は、はい… 余す事無くその通りです…」
ハーレーが微笑して言う
「驚く事は無い君はそれだけ我々警察の中では有名人だと言う事だ 最も その君自身は… どうやら自覚がなかったようだな?」
ユウヤが苦笑して言う
「はい驚きました…」
ハーレーが軽く笑って言う
「とは言えその経歴は」
ユウヤが思う
(そっかそんなに有名だったのか俺…?まぁ確かに今改めて聞いただけでも異例だよな…?それにまるで…)
ハーレーが言う
「まるで彼らヴァンパイアが送り込んだ スパイか何かの様でもあるが?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「うっ…」
ユウヤが思う
(そう…だよな?元ゲートキーパーズ… ヴァンパイアの仲間であった俺が人間たちの警察署にとなれば 増して他の署の人から見れば尚更に… それも警視長ともなれば)
ハーレーが言う
「しかし、その君を擁護したのが何を隠そうこのメルス街警察の署長ユーノス警視だ その彼が 自分のこれまでの警察官として培った全てを持って信頼すると言うのだから」
ユウヤが一瞬驚いてから表情を和らげて思う
(ユーノス警視が…っ?そうかそうだったのか…)
ユウヤが微笑して言う
「はい、ユーノス警視の期待にも答えたいと思います!」
ユウヤが思う
(そうだ俺は1人じゃないユーノス警視も居る それにヴィンはもちろん仲間のヴァンパイアたちも… 色々な問題はあるけど俺は諦めてはいけないっ)
ハーレーが苦笑して言う
「ふむ… なるほど?不思議と君には人を引き付ける力が有るようだ」
ユウヤが一瞬呆気に取られて言う
「え?…あ、そうでしょうか えっと… あ、有難う御座います」
ハーレーが軽く笑ってから言う
「それで?準備は済んだのかね?」
ユウヤが衝撃を受け 慌てて言う
「ああっ!は、はいっ!大体は… でもその…っ 自分が知らない間に武器保管ロッカーが変わっていて… しかしロックは開いたので これで大丈夫で…」
ユウヤがロッカーを開けて驚いて言う
「こ… これは…っ!?」
ユウヤがロッカーからサブマシンガンを取り出し 弾倉を見て思う
(それに装填されている この銃弾は…っ)
ユウヤの背にゾクッと悪寒が走る ユウヤが言う
「銀の銃弾…っ」
ハーレーが言う
「どうだ?名案だろう?」
ユウヤが驚いてハーレーを見る ハーレーが言う
「自動式短銃や増しては過去に使われていたと言うリボルバーの装填数では足りない 銀の銃弾を それであるならば人間が1人で いくらでも放つ事が出来る それこそ被弾したヴァンパイアのその息の根が途絶えるまで …いくらでもな?」
ユウヤが一度身震いしてから頭を振って意識を取り戻す ハーレーがユウヤの様子に目を細めて言う
「さあ?それを持ってヴァンパイアたちを始末して来るんだ …もちろん出来るな?ユウヤ巡査?」
ユウヤがサブマシンガンに弾倉をセットして言う
「…はい」
警察署 外
パトカーが1台出て行く ハーレーが署の窓からその様子を見ていて 鼻で笑ってから室内へ戻って行く
車内
助手席にサブマシンガンが置かれている ユウヤが運転しながら思う
(もう… やるしかない 他に方法なんて…っ)
ユウヤがハンドルを握り締める パトカーが街中を走って行く
続く
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命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
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――結婚しています!
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ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
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