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後宮
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「で?なにをすればいいの?」
「そうだな、後宮に相応しい格好をしてもらおうか」
王が呼び鈴を鳴らすと女性が2人現れた。
「そこの娘を今日から後宮に入れたい」
侍女達はマリアを見るなりざわめいた。
「俺の新しいコレクションだ。丁重に扱うように」
そう言われ、むっとしたが自分が後宮にはいれば母は助かる。
「私はコレクションじゃない!人間よ」
「ではそれらしい扱いをしてやろう」
意地の悪い笑みをにっと浮かべマリアを見た。
その瞳はぞくりとするものがあった。
「こんな娘が後宮に入るなんて・・・」
「見てあの白い髪・・・赤い瞳。同じ人間なんて思えないわ」
ひそひそと話す侍女の声はしっかりマリアに届いていた。
(悪かったわね。こんな容姿で。好き好んで後宮に入るわけじゃないわ)
侍女の声を無視し心の中で悪態をついた。
だって・・・それしか方法がなかったんですもの。
マリアはまっすぐ前を見て手をぐっと握り締めた。
他の部屋からも美女達がマリアを見て薄気味悪がっていた。
マリアはそんな事でめげるような娘じゃなかった。
幼い頃はもっとひどい虐めにあったものだ。
多少の悪口位慣れている。
侍女に連れて来られた先は大浴場だった。
そこで今着ている服を脱がされた。
体を洗われそうになった時さすがに抵抗感があったので侍女たちに訴えた。
「体くらい自分で洗えます」
「いいえ、規則ですから」
そう言われ体の隅々まで洗われてしまった。
そして、綺麗なドレスに着替えさせられた。
ドレスの裾が足首を覆っているので歩きにくい。
慣れないヒールも嫌いだ。
正直家に帰りたくなったマリアだった。
何とか侍女の手を借り、用意されたであろう部屋まで辿り着いた。
そこはとても広い部屋だった。
周りを見渡せば嫌でも誰の部屋か分かった。
「この部屋ってもしかして・・・」
「王のお部屋でございます」
(やっぱりか・・・)
どう足掻いたところで結局あの変人王の思い通りになってしまう。
とりあえず、侍女には下がってもらった。
1人になりたかった。
部屋いっぱいに珍しいものが溢れている。
(嫌だな・・・私もこの中の一つなのか)
そう思うとグレン王を殺したくなった。
「私は人間なのよ!それをコレクション扱いするなんて許せない」
今頃両親は驚いて倒れていないといいけれど・・・。
「あの王の事だから家へはもう連絡が入っているんだろうな」
小さく古い家ではあったが自分の家が懐かしく思う。
(ほんの数時間前までは野菜を売っていたのに・・・)
「今じゃ、後宮にいるなんて・・・」
頬をつねって確認してみる。
(うん、痛いわ。夢じゃない)
入浴も恥ずかしいものだった。
マリアはヒールを脱ぎ捨てベッドへ横たわった。
そしてじんわり流れそうになる涙を止めた。
「絶対になくものか・・・」
そう思いながら部屋の主の帰りを待つことにした。
「そうだな、後宮に相応しい格好をしてもらおうか」
王が呼び鈴を鳴らすと女性が2人現れた。
「そこの娘を今日から後宮に入れたい」
侍女達はマリアを見るなりざわめいた。
「俺の新しいコレクションだ。丁重に扱うように」
そう言われ、むっとしたが自分が後宮にはいれば母は助かる。
「私はコレクションじゃない!人間よ」
「ではそれらしい扱いをしてやろう」
意地の悪い笑みをにっと浮かべマリアを見た。
その瞳はぞくりとするものがあった。
「こんな娘が後宮に入るなんて・・・」
「見てあの白い髪・・・赤い瞳。同じ人間なんて思えないわ」
ひそひそと話す侍女の声はしっかりマリアに届いていた。
(悪かったわね。こんな容姿で。好き好んで後宮に入るわけじゃないわ)
侍女の声を無視し心の中で悪態をついた。
だって・・・それしか方法がなかったんですもの。
マリアはまっすぐ前を見て手をぐっと握り締めた。
他の部屋からも美女達がマリアを見て薄気味悪がっていた。
マリアはそんな事でめげるような娘じゃなかった。
幼い頃はもっとひどい虐めにあったものだ。
多少の悪口位慣れている。
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そこで今着ている服を脱がされた。
体を洗われそうになった時さすがに抵抗感があったので侍女たちに訴えた。
「体くらい自分で洗えます」
「いいえ、規則ですから」
そう言われ体の隅々まで洗われてしまった。
そして、綺麗なドレスに着替えさせられた。
ドレスの裾が足首を覆っているので歩きにくい。
慣れないヒールも嫌いだ。
正直家に帰りたくなったマリアだった。
何とか侍女の手を借り、用意されたであろう部屋まで辿り着いた。
そこはとても広い部屋だった。
周りを見渡せば嫌でも誰の部屋か分かった。
「この部屋ってもしかして・・・」
「王のお部屋でございます」
(やっぱりか・・・)
どう足掻いたところで結局あの変人王の思い通りになってしまう。
とりあえず、侍女には下がってもらった。
1人になりたかった。
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そう思うとグレン王を殺したくなった。
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今頃両親は驚いて倒れていないといいけれど・・・。
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「今じゃ、後宮にいるなんて・・・」
頬をつねって確認してみる。
(うん、痛いわ。夢じゃない)
入浴も恥ずかしいものだった。
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そしてじんわり流れそうになる涙を止めた。
「絶対になくものか・・・」
そう思いながら部屋の主の帰りを待つことにした。
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