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グレン王との一夜
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いつの間にかマリアは眠りに落ちていた。
気が付くと人の気配を感じた。
「おとーさん?」
目をこすりながら起き上がるとここがどこで自分がどういう理由で連れて来られたのか思い出した。
「はははは、まさか父親と間違われるとわな」
そう言いグレン王は盛大に笑った。
なんて失礼な王なのだろうとキッと睨んだ。
「そのドレスなかなか似合っているじゃないか」
「・・・後宮はみんなこんな格好をしているの?」
「ああ、そうだが?」
それが何か問題でも?みたいに聞き返されイラっとした。
「私には動きにくい」
(こんなふりふりふわふわした服なんて着たこと無いもの)
「そうか。だが決まりだ。大人しくその手の服を着てもらう」
笑いを堪えながらグレン王は言った。
(~っ!本当に腹立つ!)
「そういえばちゃんと母の治療はしてくれているんでしょうね!?」
「俺は約束は守る」
それを聞き、マリアは安心した。
「そしてどうして同室なの?」
「お前を個室に入れたらあの女狐たちに何をされるかわからん」
「女狐?」
(・・・何の事だろう?)
「・・・後宮にいる他の女共だ」
(後宮のシステムがよくわからないが一応皆、妃や正妃候補のはず)
「皆、グレン王の妃と正妃候補じゃないの?」
「まさか!冗談じゃない」
「グレン王は女嫌いなの?」
一番疑問に思ったことをぶつけてみた。
「違う、そういう話じゃない」
「?」
「皆、お偉い方々が押し付けてきた娘たちだ」
(でも、美女ばかりだった)
「でも、その気があるから本人たちも後宮にいるんでしょう?」
「俺は好きな女くらい、自分で探す」
それはそうだろう。
自分が庶民だからグレン王の言っていることに納得いく。
「じゃあ、後宮にいる美女をコレクションにしたら良かったのに」
「美しいだけの娘なんて何の価値もない」
(じゃあ、グレン王は何故私をこの後宮へ連れてきたのだろう)
「私にも何の価値もないわよ」
グレン王はマリアの髪を一房とって口づけした。
「わぁ!何をするの!!」
「色気のない叫び声だな。さっき言っただろう俺が欲しいのは価値のある女だ」
よく分からないことをグレン王は言う。
「ぬくぬく温室で育った女からは魅力を感じん」
「グレン王って変な王様ね」
「・・・グレンでいい」
その言葉を一瞬聞き間違えたのかと思ったマリアだった。
「好きな女にまで王として見て欲しくない」
「好きな・・・女・・・?」
(?何を言っているのかやっぱりわからない)
「ここまで言っても分からないのか?」
そう言いいきり、いきなり唇を奪われた。
「んっはっ、んん!?」
マリアは怖くなりドンっとグレンを突き飛ばした。
「俺が好きなのはお前のような自立して家族を守ろうとする奴だ」
力ではグレンに敵わなかったがグレンが退いてくれた。
マリアのファーストキスはグレンに強引に奪われてしまった。
「・・・グレンの好きな相手は・・・私?」
「まだ分からないのか?」
そう言いながらグレンの手が伸びてきた。
怖くてマリアはベッドの端へ這って逃げた。
「そう怯えるな。これ以上何もしない」
「え?大事なコレクションだから?」
グレンはがっくりと項垂れた。
「もういいから、今日は休め。俺は嫌がる女を組み敷く趣味は無い」
そう言いながらグレンはベッドに入って枕に頭を乗せた。
暫くすると寝息が聞こえてきた。
「安心していいのかな・・・」
最初は疑っていたがグレンが嘘をつかないというのは本当らしい。
そうして気が付くとマリアはベッドボードに寄りかかりいつの間にか眠っていた。
気が付くと人の気配を感じた。
「おとーさん?」
目をこすりながら起き上がるとここがどこで自分がどういう理由で連れて来られたのか思い出した。
「はははは、まさか父親と間違われるとわな」
そう言いグレン王は盛大に笑った。
なんて失礼な王なのだろうとキッと睨んだ。
「そのドレスなかなか似合っているじゃないか」
「・・・後宮はみんなこんな格好をしているの?」
「ああ、そうだが?」
それが何か問題でも?みたいに聞き返されイラっとした。
「私には動きにくい」
(こんなふりふりふわふわした服なんて着たこと無いもの)
「そうか。だが決まりだ。大人しくその手の服を着てもらう」
笑いを堪えながらグレン王は言った。
(~っ!本当に腹立つ!)
「そういえばちゃんと母の治療はしてくれているんでしょうね!?」
「俺は約束は守る」
それを聞き、マリアは安心した。
「そしてどうして同室なの?」
「お前を個室に入れたらあの女狐たちに何をされるかわからん」
「女狐?」
(・・・何の事だろう?)
「・・・後宮にいる他の女共だ」
(後宮のシステムがよくわからないが一応皆、妃や正妃候補のはず)
「皆、グレン王の妃と正妃候補じゃないの?」
「まさか!冗談じゃない」
「グレン王は女嫌いなの?」
一番疑問に思ったことをぶつけてみた。
「違う、そういう話じゃない」
「?」
「皆、お偉い方々が押し付けてきた娘たちだ」
(でも、美女ばかりだった)
「でも、その気があるから本人たちも後宮にいるんでしょう?」
「俺は好きな女くらい、自分で探す」
それはそうだろう。
自分が庶民だからグレン王の言っていることに納得いく。
「じゃあ、後宮にいる美女をコレクションにしたら良かったのに」
「美しいだけの娘なんて何の価値もない」
(じゃあ、グレン王は何故私をこの後宮へ連れてきたのだろう)
「私にも何の価値もないわよ」
グレン王はマリアの髪を一房とって口づけした。
「わぁ!何をするの!!」
「色気のない叫び声だな。さっき言っただろう俺が欲しいのは価値のある女だ」
よく分からないことをグレン王は言う。
「ぬくぬく温室で育った女からは魅力を感じん」
「グレン王って変な王様ね」
「・・・グレンでいい」
その言葉を一瞬聞き間違えたのかと思ったマリアだった。
「好きな女にまで王として見て欲しくない」
「好きな・・・女・・・?」
(?何を言っているのかやっぱりわからない)
「ここまで言っても分からないのか?」
そう言いいきり、いきなり唇を奪われた。
「んっはっ、んん!?」
マリアは怖くなりドンっとグレンを突き飛ばした。
「俺が好きなのはお前のような自立して家族を守ろうとする奴だ」
力ではグレンに敵わなかったがグレンが退いてくれた。
マリアのファーストキスはグレンに強引に奪われてしまった。
「・・・グレンの好きな相手は・・・私?」
「まだ分からないのか?」
そう言いながらグレンの手が伸びてきた。
怖くてマリアはベッドの端へ這って逃げた。
「そう怯えるな。これ以上何もしない」
「え?大事なコレクションだから?」
グレンはがっくりと項垂れた。
「もういいから、今日は休め。俺は嫌がる女を組み敷く趣味は無い」
そう言いながらグレンはベッドに入って枕に頭を乗せた。
暫くすると寝息が聞こえてきた。
「安心していいのかな・・・」
最初は疑っていたがグレンが嘘をつかないというのは本当らしい。
そうして気が付くとマリアはベッドボードに寄りかかりいつの間にか眠っていた。
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