コレクター王と白髪娘

えりー

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後宮2

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気が付くといつの間にかベッドで眠っていた。
(あれ?昨日はベッドに入った記憶はないのに・・・)
不思議に思いながら辺りを見渡すとやはりたくさんのコレクションに囲まれていた。
そのコレクションを集めているのはこの国を統治しているグレン王。
貧乏な生活を送ってきたマリアにはコレクションをする余裕なんてなかったので理解できない。
国は今、安定している。
グレンが王になってからはますます栄えてきた。
色々な国々と貿易を盛んにしている。
その事も影響しているのかもしれない。
「実はグレンは凄い王様なんじゃ・・・」
「俺が何だって?」
後ろから声がしたので振り返ってみるとグレン本人が立っていた。
(びっくりした・・・!!)
「マリア、言い忘れたが絶対にこの部屋から出るなよ?」
「え?何で?」
マリアは昨日の話をあまり理解していなかった。
「今、後宮内ではお前が俺の寵妃という事になっている」
「ちょうひ?」
マリアは小首をかしげて見せた。
そんなマリアの様子を見てグレンは溜息をついた。
「お前が俺の寵愛を一身に受けているという事だ」
「?」
「よくわからないといった様子だな。どういうことかというと・・・」
耳元で小声で言われマリアは真っ赤になった。
ようやく”寵愛を受けている”という意味を理解した。
「なっ、何でそんな話になっているの!?」
「俺が初めてこの部屋に入れ、閉じ込めて床を一緒にしたからだろうな」
しゃあしゃあと言ってのけられた。
「グレン・・・その噂いつ頃消えるの?」
「まぁ、全部が嘘だというわけでもないし俺は困らん」
それを聞いてマリアは怒鳴った。
「そんな恥ずかしい噂嫌よ!訂正してくる!!」
勢いよくベッドから飛び出していこうとするマリアの腕をグレンは掴んだ。
「だから危険なんだと言っているだろう」
「だって・・・」
言い淀んでいるマリアを見てグレンは言った。
「そんなに俺との仲を否定したいのか?」
その瞳は怒りを湛えていた。
マリアは一瞬たじろいだ。
「だって寵愛なんて受けてない!!」
「なら今から受けるか?」
グレンの瞳は真剣だった。
「き、昨日は無理強いしないって言った!!」
「そこまで否定されれば話は別だ」
グレンはマリアをベッドに引き戻し押し倒した。
そしてキスをした。
「やぁ・・・んん!!」
マリアは怖くて暴れた。
両手は固定されているので自由になる足でグレンの腹を思い切り蹴り上げた。
「ぐっ!?」
グレンの両手が緩んだすきに素早くマリアは部屋の端へ避難した。
「普通、蹴るか!?」
「手が使えなかったから仕方なかったのよ。下町娘を舐めないで!」
そう言いながらじりじりと扉に近づいていく。
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「でも、じっとしておくのは性に合わないわ」
「暇なら読書でもしてはどうだ?」
「読書?何で?」
「頼むから俺の言う事を聞け」
グレンは困惑して眉間にしわを寄せている。
「暇つぶしになるものを用意してくるから待ってろ」
「・・・わかった」
「俺は公務があるからもう行く。いいか?約束を守れよ?」
「はーい」
訝しみながらグレンは部屋から出て行った。
(後宮って・・・そんなに危険なの?)
(それにしても寵愛の噂無くならないかな・・・恥ずかしすぎる)
もう考えるのは疲れたのでマリアはベッドに突っ伏した。
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