コレクター王と白髪娘

えりー

文字の大きさ
10 / 22

グレンの復讐

しおりを挟む
グレンは大臣と娘のリンを招いて盛大にもてなした。
大臣は機嫌よく食事をし、娘のリンもよく食べていた。
「日頃のご活躍リンよりお聞きしました」
冷たい声音でそう言った。
「いえいえ、グレン王と比べれば私なんて・・・」
「またまた御謙遜を」
グレンの声音にも気づかず上機嫌なシーラン大臣を見ていると愉快になる。
(なんて滑稽なのだろう)
「グレン様今日も私のお部屋へお見えになりますか?珍しいお菓子を取り寄せたのです」
「いいえ、今日限りでお2人とはお別れです」
シーラン大臣もリンも食事の手を止めた。
「お心当たりおありでしょう?シーラン大臣」
「な、何の冗談ですかな?」
「あなたの愛娘のリン様が色々教えてくださいましたよ?」
「~っ!このバカ娘が!!」
そう言い隣に座る娘の頬をぶった。
バシンバシンっと何度も叩き続ける。
「まだ言い逃れなさいますか?」
「・・・」
「禁止されている花ので毒薬を作り他国へ送っているそうですね」
「そんなことまで話したのか!?」
「だって、グレン様の心を繋ぎ止めておきたくて!!」
「俺の心は初めからマリアにしか向いていませんよリン様?」
「くっ、何よ!!初めから情報目当てだったって事なの!?」
頬を押さえながらリンが叫んだ。
「当り前だ。お前はマリアに危害を加えた」
「・・・っ」
シーラン大臣と、リンは静かになった。
「ああ、先日は我が寵妃に毒蛇の贈り物をありがとうございます」
シーラン大臣はリンを見た。
その事はシーラン大臣は知らなかった事らしい。
また叩こうとしている手をグレンは止めた。
「今、マリアは死にかけています。あなた方の望み通りにね」
「「・・・」」
親子二人とも黙ってしまった。
「今日の料理はいかがでしたか?毒蛇の肉は美味でしたでしょうか?」
「!!」
「まさかさっきの料理に!?」
「ええ、入れさせていただきましたよ。あと毒薬も」
シーラン大臣は自分の口の中に指を突っ込み吐き出そうとしている。
「・・・何故?私が犯人だとわかったのですか?」
グレンはリンを一睨みし、言った。
「リン様から話を聞いた夜、マリアの食事に毒見役を付けたんです」
「・・・」
「すると毒見役が徐々に弱っていきました」
「私は直接何もしていないわ」
まだ言い訳をするリンに苛立ってきたグレンは言った。
「他の者を使って毒蛇と毒薬を寵妃に盛った罪は重いぞ」
呼び鈴を引き、衛兵を呼び2人を地下牢に連れて行くことを指示した。
時を見て、2人は国外追放にするつもりだ。
まずはシーラン大臣の毒草を焼き払いに行かねばならないだろう。
(そして求根全て回収しなければならないな)
それにはまず人手が必要になる。
「シーラン大臣・・・否、シーランの財を報酬に当てればよいか」

翌日、お触書を書き街や村中に張り出すとある程度の人数は揃った。
(これで平和になると良いがな)
シーランの秘密の花園はすぐに見つかった。
皆、多額報酬欲しさに活気づいている。
「それでは皆の者宜しく頼んだぞ」
「グレン王、お任せください」
「・・・」
グレンは一瞬驚いた。
「何故軍部の上官のお前までここにいる」
「指揮官が必要だろうと思いまして」
軍部の上官名前はトウヤという。
「ではこの件はトウヤに一任する」
「畏まりました」
グレンはこうして復讐を遂げ、気分良く馬に跨り城を目指した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

処理中です...