コレクター王と白髪娘

えりー

文字の大きさ
21 / 22

後宮の終わり

しおりを挟む
マリアの身を案じたグレンは寵愛を受けられない娘達は後宮から出て行ってもらう事にした。
周囲はグレンを止めたがグレンはそれを聞き入れなかった。
これ以上危険な行動をとる娘が現れるのがグレンは怖かった。
マリアの事になると臆病になる自分は滑稽だと思った。
後宮から出ても皆、美しい容姿をしているのですぐ縁談が決まるだろう。
ここでくすぶらせておくにはあまりにも不憫だとも思っていた。
大臣たちは自分の出世に関わるので必死に説得してくるがもう決めたことだ。
グレンは有言実行タイプなので本当に実行する。
大臣達も嫌というほどそれを見てきたので暫くすると反対意見は無くなった。
「我が王のお考えに従うしかない」
「王は一度言ったことは必ずやるお方だ」
皆口々そう言い、諦めていった。
まだマリアにはこの事を伝えていない。
きっと喜ぶだろう。
これでマリアは自由に後宮内をうろうろ出来るようになる。
彼女はじっとしておくのが苦手なようで何かにつけては外へ行きたがった。
「危険だから駄目だ」
そう言っても聞きやしない。
だから部屋の外に出るときは、必ずマナに付き添ってもらうようにしている。
それでも窮屈に感じていたらしく森や泉に連れて行くと凄く喜んだ。
後宮から女性の姿が徐々に消えていく事に違和感を覚えたマリアはマナに訊ねた。
「最近後宮の人達の姿をあまり見かけなくなったけど・・・気のせいかな?」
「いいえ、気のせいではありませんよ」
マリアはきょとんとした表情をマナに向けた。
「この話は私が話すより、グレン王から聞いたほうがいいでしょう」
「?」
「マリア様の為です。私の口からはこれしか言えません」
そう言いにっこりマナは微笑んだ。

夜になり公務と風呂を済ませたグレンが部屋に戻って来た。
髪の毛がまだ濡れていることに気が付きマリアは彼の後ろに回りタオルで髪を拭いてあげた。
「ねぇ、グレン最近後宮であまり女性の姿を見ないんだけどどうして?」
「その話か。マリアにこれ以上危害を加える女が出てきても困るから皆に後宮から出て行ってもらっている最中だ」
「え?」
「後宮は空っぽになるがもとより押し付けられた娘達だ」
「いいの?そんなことしてしまって・・・グレンの立場が悪くなったりしない?」
マリアはグレンの心配をした。
「大丈夫だ。暫く周囲はうるさかったが今では皆、納得していることだ」
「それなら良かった」
その言葉を聞きマリアは安心した。
「2人きりになってしまうのね」
「何だ、他に女がいたほうがいいのか?」
「そんなはずないじゃない」
そう言いながらマリアはグレンを後ろから抱きしめた。
「ありがとう。グレン」
グレンは短くなった髪の毛をまだ痛々しい表情で見る。
マリアの髪を撫で抱きしめ言った。
「俺はマリアだけがいれば良い。他はいらん」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...