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脱出
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美濃には不思議な力があった。
それに気が付いたのは物心をついてからだった。
周囲の人間も美濃の能力に気が付き始め、彼女を姫巫女と称えようになった。
そして儀式のとき以外広い部屋に閉じ込める事にした。
彼女はその事に不満を持っていた。
いつも外へ出たいと願うようになっていた。
「姫巫女様、お食事をお下げいたします」
そう言い侍女が鍵を開け部屋に入ってきた。
ここでの生活は美濃にとってとても窮屈なものだった。
美濃はいつも逃げる機会を窺っていた。
この日、美濃は侍女が鍵をかけ忘れていることに気が付いた。
美濃は戸を急いで開け、裸足のまま”禁忌の森”へ逃げ込んだ。
外の空気は澄んでいた。
美濃は息を切らせながら山の山頂に着くとその場に座り込んだ。
(やった・・・何とか逃げられた)
そう思った時だった。
人が近づいてくる気配に気が付いた。
美濃は追手が来たのかと思い身構えた。
「おい、そこで何をしている。俺の森へ勝手に入らないでもらいたいんだが」
美濃はその人物の気配は人間のものではないことに気が付いた。
「・・・妖?」
「・・・俺と妖を間違うのか。面白い人間だな」
面白いと言ったがこめかみに青筋が走っている。
(怒らせちゃった!!)
「すみません!!ではあなたは何者なのですか?」
謝ると青年は溜息をついた。
「はー・・・、俺と妖を間違える力があるお前には分かるのではないか?」
美濃は瞳を閉じ彼から感じるものを捉えた。
「まさかこの森の神様・・・!?」
「正解だ」
青年は満足そうに頷いた。
「何故、人間がこの”禁忌の森”へ入った?」
美濃は一部始終話した。
すると青年は言った。
「行くあてはあるのか?」
「・・・無いです・・・」
(どうしよう、お金も持っていないし、行く場所なんてない)
青年は空を仰ぎ見た。
「俺の名前は紬という」
「私は美濃です」
2人は名乗り合い自己紹介をし合った。
「美濃の事情は分かった」
「・・・?」
「行く場所が無いのだろう?ならば俺の世話をする代わりに対価を払おう」
「対価?」
「お前に少しずつ金をやろう」
美濃は驚き目を見開いた。
「お金・・・?」
「そうすればお前は自由に何処へも行けるのだろう?」
「はい!もう村には戻りたくありません」
それは美濃の本心だった。
ただ利用される日々はもう嫌だと心底思った。
「では、今日から俺の世話係だな」
「何をすればいいのでしょうか?神様もお食事なさるんですか?」
「ああ、人の生気を少々頂くと神力が上がるのでな。特別なお前のものなら俺にとって御馳走だ」
「?」
(どうしようよくわからない・・・でも承諾するとお金がもらえる!)
「私の生気で良ければお分けします」
「よし、交渉成立だな。この山には人が住める家がない」
(神様には必要ないものね・・・)
「今日は野宿をしてもらう」
「はい」
(ん?明日からはどうするんだろう?)
美濃は疑問に思ったが口には出さなかった。
「こっちへ来い」
「はい」
紬は美濃を抱きしめて座った。
「人間は寒さに弱いと聞いたことがある」
「確かにそうですが・・・恥ずかしいです」
すると少し睨まれてしまった。
「文句を言うな。病気をされる方が迷惑だ」
「・・・すみません」
しかし男性に抱きしめられているこの状況はさすがに恥ずかしい。
(でも・・・温かい)
そう思うと同時に美濃は眠りについた。
慣れない山歩きで体力を使い果たしたのだ。
「・・・本当なら厄介ごとは避けたいんだがな」
眠っている美濃には彼の言葉は届いていなかった。
それに気が付いたのは物心をついてからだった。
周囲の人間も美濃の能力に気が付き始め、彼女を姫巫女と称えようになった。
そして儀式のとき以外広い部屋に閉じ込める事にした。
彼女はその事に不満を持っていた。
いつも外へ出たいと願うようになっていた。
「姫巫女様、お食事をお下げいたします」
そう言い侍女が鍵を開け部屋に入ってきた。
ここでの生活は美濃にとってとても窮屈なものだった。
美濃はいつも逃げる機会を窺っていた。
この日、美濃は侍女が鍵をかけ忘れていることに気が付いた。
美濃は戸を急いで開け、裸足のまま”禁忌の森”へ逃げ込んだ。
外の空気は澄んでいた。
美濃は息を切らせながら山の山頂に着くとその場に座り込んだ。
(やった・・・何とか逃げられた)
そう思った時だった。
人が近づいてくる気配に気が付いた。
美濃は追手が来たのかと思い身構えた。
「おい、そこで何をしている。俺の森へ勝手に入らないでもらいたいんだが」
美濃はその人物の気配は人間のものではないことに気が付いた。
「・・・妖?」
「・・・俺と妖を間違うのか。面白い人間だな」
面白いと言ったがこめかみに青筋が走っている。
(怒らせちゃった!!)
「すみません!!ではあなたは何者なのですか?」
謝ると青年は溜息をついた。
「はー・・・、俺と妖を間違える力があるお前には分かるのではないか?」
美濃は瞳を閉じ彼から感じるものを捉えた。
「まさかこの森の神様・・・!?」
「正解だ」
青年は満足そうに頷いた。
「何故、人間がこの”禁忌の森”へ入った?」
美濃は一部始終話した。
すると青年は言った。
「行くあてはあるのか?」
「・・・無いです・・・」
(どうしよう、お金も持っていないし、行く場所なんてない)
青年は空を仰ぎ見た。
「俺の名前は紬という」
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2人は名乗り合い自己紹介をし合った。
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「・・・?」
「行く場所が無いのだろう?ならば俺の世話をする代わりに対価を払おう」
「対価?」
「お前に少しずつ金をやろう」
美濃は驚き目を見開いた。
「お金・・・?」
「そうすればお前は自由に何処へも行けるのだろう?」
「はい!もう村には戻りたくありません」
それは美濃の本心だった。
ただ利用される日々はもう嫌だと心底思った。
「では、今日から俺の世話係だな」
「何をすればいいのでしょうか?神様もお食事なさるんですか?」
「ああ、人の生気を少々頂くと神力が上がるのでな。特別なお前のものなら俺にとって御馳走だ」
「?」
(どうしようよくわからない・・・でも承諾するとお金がもらえる!)
「私の生気で良ければお分けします」
「よし、交渉成立だな。この山には人が住める家がない」
(神様には必要ないものね・・・)
「今日は野宿をしてもらう」
「はい」
(ん?明日からはどうするんだろう?)
美濃は疑問に思ったが口には出さなかった。
「こっちへ来い」
「はい」
紬は美濃を抱きしめて座った。
「人間は寒さに弱いと聞いたことがある」
「確かにそうですが・・・恥ずかしいです」
すると少し睨まれてしまった。
「文句を言うな。病気をされる方が迷惑だ」
「・・・すみません」
しかし男性に抱きしめられているこの状況はさすがに恥ずかしい。
(でも・・・温かい)
そう思うと同時に美濃は眠りについた。
慣れない山歩きで体力を使い果たしたのだ。
「・・・本当なら厄介ごとは避けたいんだがな」
眠っている美濃には彼の言葉は届いていなかった。
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