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美濃
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美濃が朝目覚めると小さな小屋が目の前にあった。
人が2人住めるくらいの小屋だった。
(あれ?昨日は無かったよね?)
そう思いながら小屋に近づくと土地神が立っていた。
「美濃、目が覚めたのか?」
「おはようございます」
(この小屋は土地神様が建てたのだろうか・・・)
「この広さあれば2人で生活できるだろう」
「この小屋は土地神様が建てたんですね・・・」
(きっと神力で作ったんだ)
土地神は言った。
「その土地神様ってやめてくれないか?俺だって好きで神様やっているわけじゃない」
「え?では何とお呼びしたらいいでしょうか?」
不満そうな顔で土地神は美濃に言った。
「昨夜、名乗ったはずだが?」
「あ、名前ですね」
呆れつつ土地神は頷いた。
「できれば紬と呼んで欲しい」
「はい、紬様」
「様はいらん」
「え?でも神様に向かって畏れ多いです」
なかなか引き下がらない美濃に多少苛立ちを覚えた紬は怒鳴った。
「俺がそう呼んで欲しんだから良いんだ!」
(また怒らせちゃった・・・)
「すみません・・・」
美濃は怒られてしゅんとしてしまった。
その様子を見た紬は慌てた。
「怒鳴って悪かった!悪気はないんだ・・・ただ」
「ただ?」
美濃が聞き返すとバツの悪そうな顔で言った。
「”人”と関わったことがないから美濃にどう接していいのか分からない」
そんな様子をみた美濃はくすっと笑った。
「私も一緒です、神様と過ごすのは初めてなのでどう接していいのかわかりません」
2人は微笑みあった。
美濃の愛らしい笑みを見た紬は顔を赤くして目を逸らした。
「?」
美濃はまだ紬を見つめている。
「美濃は俺の事怖くないのか?」
「怖くないです」
美濃ははっきり答えた。
美濃にとって本当に恐ろしいのは”人間”の方だった。
今まで散々利用されてきたので美濃は人を恐れていた。
「あの・・・神様であることに何かご不満があるんですか?」
「ああ、人間は俺の力を利用することしか考えていない」
「私の時もそうでした」
「だからいつも孤独だ」
「・・・孤独・・・」
怪訝な顔をされながら見つめられた。
「美濃は孤独を感じた事無いか?」
「・・・物心ついた時から1人だったからよくわかりません」
それが正直な答えだった。
美濃の頭を紬は撫でた。
「そうか・・・変な話をして悪かった」
「紬・・・?」
何故紬が自分の頭を撫でたのか美濃には分らなかった。
「何だ?小屋が気に入らんのか?」
もうさっきの話題は終わったようだ。
蒸し返すのもいけない気がして言いたい言葉を美濃は飲み込んだ。
小屋は床に畳が敷かれていて過ごしやすそうだった。
調理場も広くて使いやすそうで贅沢なことに風呂や厠までついていた。
こんなところに住めるなんて夢のようだった。
(紬に感謝しなくては)
さっき言っていた”孤独”について考えてみたが美濃にはまだ分からなかった。
人が2人住めるくらいの小屋だった。
(あれ?昨日は無かったよね?)
そう思いながら小屋に近づくと土地神が立っていた。
「美濃、目が覚めたのか?」
「おはようございます」
(この小屋は土地神様が建てたのだろうか・・・)
「この広さあれば2人で生活できるだろう」
「この小屋は土地神様が建てたんですね・・・」
(きっと神力で作ったんだ)
土地神は言った。
「その土地神様ってやめてくれないか?俺だって好きで神様やっているわけじゃない」
「え?では何とお呼びしたらいいでしょうか?」
不満そうな顔で土地神は美濃に言った。
「昨夜、名乗ったはずだが?」
「あ、名前ですね」
呆れつつ土地神は頷いた。
「できれば紬と呼んで欲しい」
「はい、紬様」
「様はいらん」
「え?でも神様に向かって畏れ多いです」
なかなか引き下がらない美濃に多少苛立ちを覚えた紬は怒鳴った。
「俺がそう呼んで欲しんだから良いんだ!」
(また怒らせちゃった・・・)
「すみません・・・」
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その様子を見た紬は慌てた。
「怒鳴って悪かった!悪気はないんだ・・・ただ」
「ただ?」
美濃が聞き返すとバツの悪そうな顔で言った。
「”人”と関わったことがないから美濃にどう接していいのか分からない」
そんな様子をみた美濃はくすっと笑った。
「私も一緒です、神様と過ごすのは初めてなのでどう接していいのかわかりません」
2人は微笑みあった。
美濃の愛らしい笑みを見た紬は顔を赤くして目を逸らした。
「?」
美濃はまだ紬を見つめている。
「美濃は俺の事怖くないのか?」
「怖くないです」
美濃ははっきり答えた。
美濃にとって本当に恐ろしいのは”人間”の方だった。
今まで散々利用されてきたので美濃は人を恐れていた。
「あの・・・神様であることに何かご不満があるんですか?」
「ああ、人間は俺の力を利用することしか考えていない」
「私の時もそうでした」
「だからいつも孤独だ」
「・・・孤独・・・」
怪訝な顔をされながら見つめられた。
「美濃は孤独を感じた事無いか?」
「・・・物心ついた時から1人だったからよくわかりません」
それが正直な答えだった。
美濃の頭を紬は撫でた。
「そうか・・・変な話をして悪かった」
「紬・・・?」
何故紬が自分の頭を撫でたのか美濃には分らなかった。
「何だ?小屋が気に入らんのか?」
もうさっきの話題は終わったようだ。
蒸し返すのもいけない気がして言いたい言葉を美濃は飲み込んだ。
小屋は床に畳が敷かれていて過ごしやすそうだった。
調理場も広くて使いやすそうで贅沢なことに風呂や厠までついていた。
こんなところに住めるなんて夢のようだった。
(紬に感謝しなくては)
さっき言っていた”孤独”について考えてみたが美濃にはまだ分からなかった。
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