花売り娘は身代わり花嫁

えりー

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リーゼの買い物

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リーゼが珍しく町に行きたいというのでウィザードは許可した。
その代り、フィナンを供として連れて行く約束をさせた。
「リーゼ、何を買いに行くんだ?」
「毛糸を・・・」
「毛糸?」
「何に使うんだ?」
訝し気にウィザードは訊ねた。
「まだ内緒です」
「むっ、また内緒なのか?」
「はい」
リーゼは毎年寒くなる前に毛糸を買ってストールを編む。
きっとウィザードにそれを話すと編むより買った方が良いじゃないかと言われるだろう。
しかし、作る楽しみもあるのだ。
どんなデザインにするかとか、毛糸の色は何色にするかとか色々楽しみがある。
男性にはきっと時間の無駄に思えることもあるだろう。
だが、淑女教育が終わった今、リーゼは時間を持て余していた。
リーゼに対しての淑女教育は完了した。
あとは優雅に過ごすレッスンをしなければならない。
本当ならあちこち走り回りたいリーゼだがそれは淑女の行いではない。
そういう理由で時間つぶしを兼ねて編み物をすることにしたのだった。
前回は頑張ってみたけども刺繍はやはり苦手だった。
馬車に乗り以前から気になっていた事をフィナンに聞いてみた。
「フィナン様って猫が好きなんですか?」
「あ、はい。この間はお恥ずかしい所をお見せしてすみません」
「あ、いえ!そんなつもりで言ったわけでは・・・!!」
リーゼは慌てた。
「私も猫が好きなんです。今度見せて頂いてもよろしいですか?」
「はい!喜んで。ですが、ウィザード様が妬くと大変ですので私の部屋に来るときはお二人そろってから来てくださいね」
「・・・はい!」
確かにリーゼ一人で行くことは出来ない。
男性の部屋に1人で入る事は出来ない。
浮気を疑われても仕方なくなる。
特にウィザードは嫉妬深い。
そして、一度怒らせると大変なことになる事は身をもって体験している。
リーゼは思い出し身震いした。
馬車に揺られること1時間。
ようやく町に着いた。
町は活気にあふれていた。
歩いていると露店の方達から声をかけられた。
「お嬢様、いい品があるよ」
「おすすめはコレだよ」
「今日はこれが・・・」
色々な人から声をかけられて困っているとフィナンが上手く守ってくれた。
そうして無事、毛糸屋に辿り着いた。
店の戸を開けるとカランっとベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
「すみません。あの毛糸と、こっちの毛糸10個ずつ下さい」
「そんなに買うんですか?」
「はい、ウィザード様にも何か編もうと思いまして」
フィナンはその言葉に驚いた。
「ご自分のものを買いに来られたんじゃなかったんですか?」
「もちろん買います!でもお揃いの物を作ろうと思って・・・喜んで下さると良いのですが」
フィナンは優しい表情で言った。
「リーゼ様の手作りのものを喜ばないはずありません!きっと大丈夫ですよ」
「そうでしょうか」
「あのハンカチだって毎日使っているご様子ですよ。きっと嬉しかったんだと思います」
リーゼはそれを聞いて安心した。
買うものは買ったし他に用事はないので馬車に戻ろうとするとフィナンは言った。
「せっかくの外出なのにもう屋敷へお戻りですか?」
「はい、早く作りたいですから!」
そう意気込むリーゼを見てフィナンは笑みをこぼした。
こうして2人は帰路についた。
「一体、何を作るおつもりですか?」
「まだ、内緒です」
「そうですか、出来上がったら見せてくださいね」
「はい」
そう言い2人は笑顔を交わし合った
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